歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

暫くは浮き世で“彷徨い漂います”

2009年02月10日 | 牛久市の風景
昨日の続きです。

まだ、まだ、牛久を彷徨っています。

どうですか? この看板は? “一万十七石”です。どういうこと? 店の名前?

“手製”ですよ。聞いたことあります? 見たことあります? 


何で一万十七石なの? 十七石が半端で気持ち悪いのですが、きっと、この十七石に何やら、意味ありげに思えるのです。

それに、蕎麦はふつう“手打ち”でしょ、確かに“手製”と云う表現でも、間違いではありませんが、しっくり蕎麦に馴染まないのです。


“十七石と手製”・・・・・・なんか? かなり引っ掛かります。思わず、店の引き戸を開けて、

『エッ! いったい! ぜんたい! どうなってんだァ!あの看板わァ!?』と叫びたくなる衝動に駆られたのです。

しかし、ここは冷静に、落ち着いて、看板をじっくり眺めたのです。一万十七石の上に、小さく“牛久藩”の文字を見つけました。

そうか、そうか、牛久藩の禄高が、もしかして、いゃ、たぶん、一万十七石だったのでは?閃いたのです。

後で調べたところ、牛久藩の禄高は1万石となっていました。十七石はいったいどこから? 謎はいつの日か、必ず蕎麦屋に入って“手製”と併せて、店主に確かめたいと思うのです。

それにしても、手製にしろ、一万十七石にしろ、蕎麦屋の名前にしては、かなり、“へェ~ンナノォ!”であります。

変な蕎麦屋を後に、広い通りを外れます。


こちら独特のデザイン建物、周りには広い駐車場。都会を離れた町で、よく見かける“葬祭場”です。


葬祭場と介護施設は遠くからでも、何故か?建物の雰囲気から判るのです。


牛久駅から歩いても十分ぐらいでしょうか。


日本だけなのでしょうか? こういう“葬儀産業”があるのは、ここ十数年で、こんな葬祭センターとか、セレモ何とか、メモリアル何とかが眼に付くようになりました。

地方でも、家庭内で葬儀をしなくなったようです。病院で亡くなり、葬祭場で葬儀をすませる。

死を日常から切り離すことになり、その事で日常にどんな影響がでるのでしょうか? 

本来、死を意識してこそ、生を意識する・・・・・・何~て事なんだと思うのですが。

先日、以前勤めていた会社の専務が亡くなったとの知らせを受けました。葬儀場を聞いたところ、何と、彼が生前に建設反対運動をしていた葬祭センターだったのです。

反対の理由は、葬祭センターとは云え、実態は“死体置き場”であり、日常生活の場に接近し過ぎているとの事でした。

楽しく、明るい、日常生活の場に、不快で、暗い、死を意識するような施設の存在は、許す事ができなかったようです。

ちなみに、専務の家と葬祭センターとの距離は歩いて7~8分ぐらいで、家からは施設も見える訳ではありません。

でも、駅に近く、毎朝、毎晩、通勤の行き帰りに、死体置き場の前を通過する訳です。これが、耐え難い苦痛になると思ってのことでしょう。

わたくしとしては、他人事ですので、その時、慣れれば、まぁ、“どうって事ないんじゃないの”と、思っていました。

この葬祭センターも住宅地に近く、建設反対運動があったのでしょうか、でも、しかし、彼ら業者も、そこは手慣れているのでしょう。

何たって、法律や、条例に違反していなければ、特に問題は無いのですから、住民の片手間の反対運動など、想定内のいつもの事なのです。

近隣の住民には、“特別ご優待半額割引券”なんて配って懐柔したりして? そんな訳ないですネェ。

それにしても、先ほど専務ですが、自分が反対していた施設での葬儀、さぞかし、複雑だったと思うのです。

まぁ、死者に感想は聞けませんが、案外、“近くて便利だ”と、思ったかも知れません。人間は立場が変わると、思いも変わるのが“浮き世”の常。

専務は浮き世ではなく、“あの世”に行ってしまいましたけれど、兎に角、必ず、いつかは、浮き世とおさらばするのですから・・・・・・。

案外、家族は“ご近所割引券”を持っていたりして・・・・・・。

まぁ、そんな、こんな、を考えつつ、葬祭センターの周りを一巡りしたのです。そういえば、大晦日に亡くなった親戚の納骨が、今週の11日ですから、明日です。

ホントに、最近は、親戚に会うのは、葬祭センターに、火葬場に、お寺に、墓場に、こんな処ばかりになってしまいました。

わたくしも、そのうち、いつかは・・・・・・なのです。

それまでは、ぶらぶらと、いい加減に、のんびり、気楽に、浮き世を彷徨い漂いたいと思うのです。

それでは、また明日。








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