鬼平や竹鶴~私のお気に入り~

60代前半のオヤジがお気に入りを書いています。

お気に入りその541~三陸海岸大津波

2011-04-15 12:54:10 | 鬼平・竹鶴以外のお気に入り
今回はお気に入りという言葉は不適切。
ただただ「三陸海岸大津波」という本について書きます。

吉村昭の著書「三陸海岸大津波」が売り切れているそうです。
3月11日の東日本大地震の影響でしょう。
今さらという気もしますが、想定外を繰り返す方々に読んで
聞かせたいくらいの数字が出てくる本です。
三陸海岸を襲った大津波を克明に調べ、まとめた力作です。
AMAZONの写真をコピーしました。
ご興味のある方は中身が見られますので訪問してはいかがでしょうか。

吉村氏の「戦艦武蔵」が「棕櫚(しゅろ)が国内市場から消えた」
ところからスタートするように、本書も「マグロが保管場所に困る
くらい獲れた」ところからスタートします。

関連しなさそうで関連するところからの書き出しは良く似ています。
目指すものの周辺を詳しく調べたからできる芸当でしょう。

本書で取り上げられているのは、1896年(明治29年)の明治三陸地震、
1933年(昭和8年)の昭和三陸地震、1960年(昭和35年)のチリ地震の
3回の地震による津波被害です。

この3回の地震による津波は公式記録では次の通りです。
  明治三陸地震 38.2m
  昭和三陸地震 28.7m
  チリ地震    6m

「公式記録」とあえて書いたのには理由があります。
著者が調査した結果、明治の津波は50mの高さにまで到達していたことが
判ったそうです。
今回の大津波は、現時点で37m以上の高さに到達していることが判って
います。
もっとも被害の規模が大きすぎて、発生から1ヶ月を過ぎた現在でも
調査は終わっていないでしょうけれど。

ちなみに日本最古の津波の記録も三陸。
慶長三陸大津波というそうです。

長い歴史の中で繰り返し大地震と大津波に襲われては再興を果たしてきた
三陸の皆様の忍耐強さに改めて敬服します。

残念なのは原発。
想定外とはいわせない克明な記録がここにあるにもかかわらず、見て見ぬ
フリをし、住民をないがしろにした政府と電力会社の罪は重いです。
この先何十年も人が住めない国土をつくってしまったのですから。
こればかりは粘り強さが心情の東北人でもどうすることもできません。

原発は地震や津波などの自然災害ばかりではなく、テロやテロ国家からの
攻撃にさらされる可能性もあります。
一旦暴走すると日本の科学力や技術力をもってしても制圧できない怪物で
あることが今回はっきりしました。

安全保障を考えると、原発廃止に向かうべきと考えます。
日本ならきっと成し遂げられます。

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