五十嵐薫子さんがジュネーブ国際コンクールで第三位という結果になりました。おめでとうございます。ファイナルの参加者の年齢にかなりの歳の差があるので優勝は若い方になるのではとは思っていました。日経新聞によれば"プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番を弾いた五十嵐さんは、表彰式後に「1位を取りたかったという残念な気持ちはあるが、気分を改めて精進していこうと思う」と述べ、悔しさをにじませながらも充実した表情。" とありました。
この人の演奏を観て思うのはステージで堂々としていること。そして愛嬌があること。笑顔に聴衆はやられてしまいます。これはショパンコンクールの時も同様で、全く緊張せずに音楽に集中しているようにも見えます。
五十嵐さんのインタビューが紹介されています。大学院でリストに取り組んでいたことや休日の過ごし方(もちろんお酒も)などが"水の上で歌う"をバックに語られています。
76th Concours de Genève: Interview Kaoruko Igarashi, Piano Finalist
さてファイナルの舞台はセミファイナルとはガラっと変わって立派な大ホール。2番目に登場した五十嵐さんはプロコ3番で勝負です。ちなみに4番目に登場して2位となったロシア人男性もプロコ3番でした。
76th Concours de Genève: Kaoruko Igarashi, 3rd Prize ex aequo Piano 2022
プロコフィエフのピアノ協奏曲三番で想い出されるのは昔観た映画『コンペティション』。国際ピアノコンクールを舞台に若き演奏家が競う合う姿を描いた作品で『未知との遭遇』のリチャード・ドレイファス、『フューリー』のエイミー・アーヴィングが主役です。ファイナルのピアノ協奏曲でエイミーがピアノの不具合を理由に曲目をモーツアルトからプロコ3番に変更して(なぜかオケも対応できてしまう)結果として優勝してしまうというシーンが想い出されます。
Prokofiev 3rd - Not Mozart
優勝したカナダのカルガリー出身の17歳の新星ケビン・チェンさんは凄すぎるテクニックの持ち主でセミファイナルで弾いたエステ荘の噴水のキラキラして多彩な音色やラストを高速で弾ききったドンジョバンニの回想が素晴しかったです。それにしてもファイナル4名のうち東洋系が3名というのは驚きました。
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