世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記
魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-
ギリシャ神話あれこれ:ペレウスの結婚(続)

一方ペレウスのほうは、遠くテッサリアへと赴き、プティアの王エウリュティオンのもとで厄介になる。王はペレウスを大変気に入ったらしく、娘アンティゴネを彼に娶わせる。
あるとき王はペレウスを連れて、カリュドンの猪狩りに参加する。が、不運にも、ペレウスが猪に投げた槍が王の脇腹を刺し、王は死んでしまう。
こうしてペレウスは王殺しの罪でプティアからも追放され、妻を連れて、今度はイオルコスの王アカストス(これは、イアソンに金羊毛の難題を吹っかけた王ペリアスの子)のもとで厄介になる。
ちなみにこの時期、ペレウスは格闘競技でアタランテに負けている。また、アルゴー船の冒険にも参加している。つまり、英雄的に活躍していたわけ。
が、色男のペレウス、アカストス王の妻アステュダメイアに恋され、誘惑されてしまう。彼はきっぱり撥ねつけるのだが……
プライドを粉微塵にされた王妃アステュダメイアは納まらない。振られた腹癒せに、ペレウスの妻アンティゴネと、夫アカストスとに、ペレウスに暴行された、と虚偽を訴える。その讒言を真に受けたアンティゴネは、絶望して縊れ死んでしまった。
アカストス王のほうは俄然憤慨して、ペレウスを亡き者にしようとする。
アカストス王はペレウスを、ペリオン山中に狩猟に誘う。このときペレウスは、狩った獲物の舌を切り取っておいた。後で王たちが、ペレウスの置き残した獲物を拾い集めて自分の獲物とし、ペレウスが獲物を持たないのを嘲ったところ、彼は取っておいた舌を証拠に見せて、ぎゃふんとさせたという。
こうして満足げにうたた寝するペレウス。王は、猛獣が片づけてくれよう、と、彼を山深くに置き去りにしてしまう。
To be continued...
画像は、ロッテンハマー「ペレウスとテティスの結婚」。
ハンス・ロッテンハマー(Hans Rottenhammer, ca.1564-1626, German)
Previous / Next
Bear's Paw -ギリシャ神話あれこれ-
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« ギリシャ神話... | ギリシャ神話... » |