ギリシャ神話あれこれ:ペレウスの結婚

 
 アイギナ島の王、最も敬虔な人間として知られるアイアコスは、ペレウスとテラモンの2子を儲けた。

 が、海のニンフ、プサマテとのあいだにもちゃっかり、ポコス(アザラシ)という子を儲けている。
 あるとき浜辺でプサマテを見初めちゃったアイアコス、何とか彼女を口説き落とそうとし、嫌がってアザラシに姿を変えた彼女(水の神さまは変身が大得意!)に、義人らしからぬ行為に及んでしまったからだとか。義人ですらこう。ギリシャ神話って一体……

 で、このポコス、運動神経が抜群で、競技においてはペレウスもテラモンも全然敵わなかった。そこで二人は奸計をめぐらし、競技の際に故意に円盤で脳天をぶち割って、この異母弟を殺してしまう(あるいは偶然の事故ともいう)。
 二人は屍を森に埋めるが、たちまちに露見。罪を問われ、父アイアコスの慈悲によって、アイギナ島から追放される。

 その後、テラモンはサラミス島に渡り、島の王キュクレウスのもとで厄介になって、王の死後、王位を継ぐ。トロイア戦争で活躍した大アイアスは、このテラモンの子。
 ちなみにテラモンは、その後、ヘラクレスのトロイア遠征に同行、イリオスに一番乗りしてヘラクレスの機嫌を損ね、殺されかけた。が、機転を利かせて難を逃れ、逆に褒美としてトロイア王女ヘシオネをゲット、彼女のあいだにテウクロスを儲けている。

 To be continued...

 画像は、レイトン「プサマテ」。
  フレデリック・レイトン(Frederic Leighton, 1830-1896, British)

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