謹賀新年

 
 今年の水瓶座は12年に一度の幸運期。難しい課題も難なくクリアでき、すべてで大活躍できるらしい。
 ハーマイオニーと同じく、私も占いなんて信じてないけど、こう、良いことずくめで書かれてみると、何もないよりモチベーションは上昇する。

 今年こそは世界へと旅立つつもりの相棒。年が明けたら、旅程のプランを立てろと言う。こうなってくると、実務のこなせない二人、計画以前にいきなり頓挫。
 あー。こういうとき私は、かつて女優で、今は大学の教員になって、お洒落して、A級グルメ食べて、車乗って、週末にはふと思い立って、スーツケース片手に飛行機に乗って海外飛び回っている、キャリアウーマンみたいな女性に、自分もなりたかったな、って思うんだ。

 世界は2、3年前に相棒が読んだとおり、北京五輪後に世界恐慌に突入。旧覇権大国は相変わらずだし、新興覇権大国もまた、市民社会が未成熟な分、もともと凶暴だったのが、時勢に開き直って、ますます凶暴になっている。
 自然科学者たちがしつこく警告しているとおり、地球環境の展望はすでに絶望的なのだが、相棒によれば、自然科学者たちが視野に入れていないファクター、つまり戦争というファクターは、地球環境をさらに悪化させるという。システムは相乗的、加速度的に一つのベクトルを目指す。
 地球環境というシステムは、あの6分の1の確率で不吉に存在する、破滅への限界点へと突き進んでいる。

 日本は、時流に乗ってエコを標榜するようになったけど、あの恥さらしな経済界の根強い反撥で、具体的な環境対策は何も進まないまま。こいつら、もし話が彗星なら、その軌道が科学的に割り出され、1年後に地球に衝突するのが確実な場合、人類存亡を賭けて手を打つ、なんて言ってのけるくせに。
 大量生産・大量消費の従来どおりのスタイルに、エコという言葉さえも平気で利用する偽善。モノを大事にしない国では当然、人間も大事にされない。そう言えば、ここ半年、ブラジル人から声をかけられていない。と言うか、ブラジル人の姿を見なくなった。彼らはみんな切り捨てられたのだ。 

 新年は世界は戦争の年だよ、と相棒は言う。この人は読みが早いので、すぐにはそうならないにしても、数年のうちにはそのとおりになるんだろうな。
 この先10年、世界は暗澹たる未来が開けている。そして、行き着くところまで行き着かないと、転換は訪れない。

 あー、暗い。暗くて重くて辛くて悲しい一年が始まる。
 ……そうは言っても、こういう現実を受け止めた上では、せめて健気に、明るく楽しくやっていこうとは思ってるけれど。せっかく世界に旅立てるんだし。

 画像は、豊国「新年の習慣」。
  歌川豊国(1769-1825, Japanese)

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