シロクマの運命

 
 つい最近、TVでレスター・ブラウンのインタビューを聞いた。問題の捉え方や解決の方向など、概ね正しいことを言っていた。が、その内容は10年ほど前、私が大学で環境問題を学んだ頃と、ほとんど同じものだった。新しい内容と言えば、代替エネルギーがバイオエネルギーでは、問題は悪化する、という点くらい。
 ということは、人類はすでに10年前に提示された解決策に対して、二の足を踏んだまま、その間を不毛に過ごしてきた、ということになる。反対に、中国などの経済発展が従来型と変わらないスタイルであることが確定的となり、地球環境の未来はほぼ絶望的となった。

 10年前、私はまだ学生で、中国という国家・社会がどうしても信じられず、中国に経済発展の火がついたら、地球環境はあっという間に破滅じゃないか、と相棒に尋ねた。相棒は、
「でも、資本というのは柔軟だからね。古い資本主義が大いに模索して、環境と両立する“持続可能な経済システム”を作り上げるにしても、新しい資本主義のほうは結局、少ない努力でより早くそれに対応するはずだよ。環境技術にしても、リサイクルにしても、消費スタイルにしてもね」と答えた。

 相棒の持論では、資本は柔軟で、粗野な社会には粗野な資本主義が、洗練された社会には洗練された資本主義が発展する。日本資本主義がああ(特徴省略)なのは、資本のせいではなく、日本社会のせいなのだ。

 To be continued...

 画像は、キッテルセン「白熊王ヴァーレモン」。
  テオドール・キッテルセン(Theodor Kittelsen, 1857-1914, Norwegian)

     Next
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« ギリシャ神話... シロクマの運... »