チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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ケアハウスからの電話、再び

2021年03月31日 | 介護
母の鎖骨にヒビが入って一週間。
夕方、再びケアハウスから電話がありました。
私は、母の鎖骨にヒビが入ったその後の経過についてだろうと予測しました。
母がケガをした翌日にも、経過報告の電話があったからです。
たしかに、担当者はまず、「お母様の鎖骨の痛みはだいぶ良くなられたようです。」と言いました。
しかし、つづきがあったのです。
「実は今日、お母様に便いじりがありました。」
私は、ハッとしました。これは認知症の症状です。
「それから、数日前には幻視の症状も見られました。こういうことがあったからと言って、すぐ認知症とは言い切れないのですが、一度専門のお医者さんに診ていただいてはどうかと思います。それで、ご家族のご意向をお伺いしたいのですが、いかがでしょうか?
ちょうど、明後日医師の訪問予定日となっているのですが・・・」
家族にショックを与えないよう、言葉を少しぼやかしていましたが、介護のプロが医師の診察を勧めるのですから、これはもう母が認知症を発症したのは間違いないと思いました。
それで、診察をお願いすることに即答してもよかったのですが、一応弟に相談することにして電話を切りました。

私の予想は当たっていた。
ああ、コロナ禍でなかったならば、頻繁に面会が出来ていたならば、もう少し発症を遅らせることができたのではないかしら?
いや、たらればは止めよう。
母はいずれ認知症になったのだ。それが少し早まっただけ。
現実を受け止めよう。

ああ、今、わかった。
あの日、母が「娘に話すことがあるんです。今日じゃなきゃダメなんです。」と強情に言い張った意味。
あの日、母が言いたかったことは、ケガのことなんかじゃなかった。
自分が認知症になりかけていることを私に伝えたかったのだ。
その不安を打ち明けたかったのだ。
自分がまだ正気であるうちに。娘のことを覚えてるうちに。