チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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最後の有馬記念

2017年12月25日 | チエの玉手箱
12月に入ってから、去年のことを想い出しています。

緩和ケア病棟に入院した父がクリスマス外泊を許可され、私は競馬場に行きたいという父に付き添った。
有馬記念レースの馬券を買うためだ。
前日、見舞いに訪れた際には、父がレースを予想できるよう競馬新聞を購入して持って行った。
父は、競馬新聞は(値段が)高いから一般紙でいいんだと言っていた。
そうか父は競馬新聞もケチってたんだなと思った。
「俺は楽しみでやってるんだからさ、馬券をそんなに買わないんだよ。
 せいぜい1レース1000円くらいさ。」
キタサンブラックとサトノダイヤモンドが人気を二分していた。
「俺は武豊、あんまり好きじゃないんだけど、しょうがないから買うよな。
 けど、11が来ると思ってるんだ。」
父が買った馬券は3連複1-2-11、あとはバラしたようだった。


その後、正月に外泊した時にも、父は弟と競馬場に行ったのだが当たり馬券を換金しただけだった。
もう予想もできないくらい体力が落ちていたのだ。
そして「競馬は、もういいな」と言ったという。

2016年の有馬記念レースが父の最後の競馬になった。


昨日、キタサンブラックは最後の有馬記念で昨年の雪辱を晴らしたようですね。


後日談と言いますか・・・
納棺の時、母は父が競馬が好きだったからと、武豊の騎乗している写真を棺に入れたんです。
私は「あっ、お父さん、武豊好きじゃないんだけどな」と思うものの、
今そんなこと言ってもしょうがないから、ま、いいかって内緒にしておくことにしました。