チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第183話 カエルの解剖

2010年06月25日 | チエちゃん
 チエちゃんは、実験と名の付くものならどんな授業も大好きでした。
今日の理科の時間は、ワクワク、ドキドキ!

カエルの解剖なのだ。

 理科室の実験席に着いた他のみんなも、落ち着きがない様子です。
実験台の上には、トレーの中にメスや解剖バサミ、ピンセットなどが、すでに準備されています。

「起~立!礼!」
理科の小山田先生は、ちびまる子ちゃんの担任先生にそっくりです。
「はい、今日は、先週予告したとおり、カエルの解剖をやります。
 まず、先生がやってみるから、全員集まって!」
「いいかい? 手足をピンで固定して・・・
 それから、メスでお腹を切る。」

 ・・・・・

「カエルは、先生が麻酔薬を嗅がせておいたから、眠っています。
 班の代表の人、取りに来て!」


 チエちゃんの班では、男子が受け取ってきたアカガエルを先生がやったようにお腹を上に固定しました。
「おい、誰がやる?」
「つよし、お前やれよ!」
「いやだよ!そういう、お前こそ、やれよ」
男子は、揉めています。
「いいよ、私がやる!」
「おお、チエ、やれよ。」

 チエちゃんは、恐る恐る手にしたメスをカエルのお腹に近づけました。
すると、思いがけなく、すーっとカエルのお腹が開いたのです。
(メスって、切れるんだぁ!)
この時、チエちゃんは、カエルの内臓よりもメスの切れ味に感動したのでした。

もっとも、先生のカエルは、お尻から空気を入れると、肺が膨らんだのに、チエちゃんたちのカエルは、内臓がグチャグチャになってしまったんですけどね。

 一方、マサキ君たちの班では、「おおっ!」と言うドヨメキが起きていました。
大きく膨らんだカエルの胃をメスで開くと、未消化のシオカラトンボが出てきたのでした。

ね、実際にやったことって、こうしていつまでも覚えているんだよ。
実験は大事さ。