チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第158話 初 詣

2009年01月05日 | チエちゃん
もう30回も、一緒に初詣に行ったけれど、やっぱり一番思い出深いのは、初めて二人で行ったあの時の初詣。


ヒロシは、暮れに勇気を振り絞ってチエちゃん家を訪れ、「チエさんと結婚させてください」と申し入れをしたものの、チエちゃんの両親からはまだ色好い返事をもらえなかったのです。

一方、チエちゃんはそのことについて話し合うからと、年末年始の休暇を仕方なく実家で過ごしていたのでした。

でも・・・、恋人同士の二人は毎日でも逢いたかった。
やっと、二人で初詣に行くお許しがでて、紅白歌合戦が終わる頃迎えに来たヒロシとチエちゃんは、F市の稲荷神社へと出かけたのです。

参道は人、人、人の波で溢れ、その両脇には縁起物や食べ物を売る露店が並んでいます。二人は、しっかりと手をつなぎ、流れにまかせて拝殿へと進みました。
やっとたどり着いた拝殿では、いつまでも二人一緒にいられますようにと手を合わせたのでした。
帰りには、おみくじを引いて、ヒロシが破魔矢を買ってくれたっけ・・・



片道20㎞以上の道のりを2往復もするなんて、若かったのよねぇ。
いつになったら、いつもいっしょにいられるのだろう、そんなことばかり考えていたような気がします。