せっせとチエちゃんのもとへ通うヒロシ。
そんな二人の様子に、できちゃった婚にでもなったら大変と考えたものかどうか・・・ ヒロシの両親は、二人に結婚の意志を確認すると、チエちゃんの実家を訪ねたのでした。
縁談というものは、一旦まとまってしまうと、後はとんとん拍子に事が運んでゆくものです。
そうなると、もう二人の思惑などは蚊帳の外で、結納の日取り、結婚式場、挙式の日取りとたちまちの内に決まっていったのでした。
チエちゃんのお母さんは、うれしそうでした。女親というものは、あれやこれやと娘の嫁入り準備をすることが、自分のこと以上にうれしいものなのだろうと想像するチエちゃんでした。
着々と準備が調っていく中で、チエちゃんはひとり不安を感じていたのでした。
本当にこれでいいのかしら?
ホントに、この人でいいの?
この人に、私の人生をかけてもいいの?
もっと、違う道があるかもしれない・・・
結婚してしまえば、簡単に離婚など、できない
まだ、今なら間に合う。今、やめるって言えば、止められる・・・
でも、もう・・・ 結婚式の案内状は出してしまったし、婚約指輪ももらってしまった、
今更、止めるなんて言えない・・・
ほとんどの女性は、結婚直前にこんな想いに囚われるらしい。
あまりに幸せすぎて、かえって不安になってしまうのでしょうか?
それから半月後、ヒロシの
笑顔に出会ったチエちゃんは思いました。
よかった!この人と結婚してよかった!
わたしは、この人と歩いていく!