元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

ラックが変われば、音も変わる。

2019-04-14 06:31:33 | プア・オーディオへの招待
 転居したのを切っ掛けに、オーディオラックを買い換えた。とはいっても、以前使っていたものは見かけは大きくて立派だったが、側板は中はがらんどうのベニヤ仕立てで、表面は塩化ビニールシートを貼っただけの、極めて安っぽいものだった。しかも前面には大きなガラス扉があり、これが使い勝手に難があっただけではなく、音にも悪影響を与えていたと思う。つまりは本来の意味でのオーディオラックではなく、単に“オーディオ機器が置ける整理棚”に過ぎなかったのだ。

 今回導入したのは、ちゃんとした専門メーカーの“オーディオ機器専用のラック”で、厚めの集成材を使った重量級のモデルだ。もちろんガラス扉なんか付いていない。決して安価ではなかったが、見た目の安心感は数段アップした。

 また、予想していた通り、音にも好影響を与えている。低域がスッキリと整理され、音場の見通しが良くなった。音像も滑らかになり、変にエッジが立っていない。特にアナログレコード再生時には不要な振動をキャンセルしているせいか、安定感の向上は目覚ましいものがある。

 さて、私がオーディオに興味を持ち始めて数十年が経過している。当然その間、オーディオラックは何回か購入しているが、いずれもオーディオメーカーのブランドマークが付いていた。つまり、昔はオーディオメーカーが“システムの別売り品”みたいな扱いでラックも販売していたのだ。もちろんその中にはYAMAHAのGTラックみたいに堅牢に作られたものは存在したが、多くは安普請だった。

 主なオーディオソースがアナログレコードだった時代には、レコードケースを兼ねたラックもけっこう存在した。レコード収納部分にガラス扉が取り付けられた製品も多かったが、透明なアクリル板で代用していたものもあり、実にチープだったことを覚えている。要するに、ラックは“機器(およびレコード)が入れば良い”という認識が罷り通っていたのだと思う。

 対して現在はオーディオファイルの間でもラックも重要なアクセサリーという扱いになり、隔世の感があるが、ちゃんとしたモデルは値が張るようになった。これが本来の在り方だという見方も出来るが、高価なラックを導入するのに二の足を踏んでいるためか、機器を無造作に置いているユーザーも少なくないと聞く。その意味では、昔のように(たとえ簡易なものでも)メーカーがオプションでラックまで用意してくれた方が良かったのかもしれない。

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