気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2006-07-17 18:48:22 | 朝日歌壇
げつかすいもくきんどにちあさひるばん一ぜんのはしあらっています
(夕張市 美原凍子)

少年の殺人のニュース流れいてテーブルの蝿位置を変えたる
(山形県 小山田恒吉)

よく通る声が読みたる教科書のヒロシマは昔話のごとし
(京都府 角谷みゆき)

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今日は祇園祭の山鉾巡行の日だが、すごい雨だった。宵山や宵々山には何回か行ったが、人が多いのが苦手で山鉾巡行を見た記憶がない。頼りない京都人ですんません。祇園祭は、七月中いろいろ行事(儀式)があるようだ。あすは四条に行く用があるので、後の祭りを見て来よう。

一首目。いつも一人で食事をして、片づけている作者の暮らしぶりがわかる歌。一週間の曜日と朝昼晩を上句におさめているのがうまい。漢字が一だけで、あとはひらがなというのも面白い。シンプルなようで、工夫が満載だ。
二首目。少年事件が次々起こるので、この歌がどの事件をきっかけに作られたのか、もはやわからない。テーブルの蝿という意外で身近なものを持ってきたことで、景色になり歌が生きている。蝿が位置を変えたことが、気持ちの居座りの悪さを象徴しているようだ。
三首目。ヒロシマのカタカナ使いで、広島に投下された原爆のことだとわかる。昔話にしてはいけないが、時代の経過とともにだんだん昔話になっていくのが、教科書を読むよく通る声から感じられた。



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2 コメント

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こんにちは。 (宮野友和)
2006-07-19 22:14:16
かすみさま



 こんにちは。宮野友和と申します。

 正式には初めましてですが、以前、新アララギのHPに一時期投稿していた者です。かすみさんの歌をその頃からお見かけし、今もブログを楽しく拝見しております。

 この度、ささやかながら歌集を上梓致しました。つきましては、かすみさんにぜひご一読頂きたく、よろしければ下記アドレスまでご住所をお知らせ頂けませんでしょうか。大変、不躾ですが、何卒よろしくお願い致します。



 tomokazu_miyano@hotmail.co.jp
歌集出版おめでとうございます (かすみ)
2006-07-19 23:50:35
宮野友和さま 歌集出版おめでとうございます。

藤原さん、奥村さんのサイトで見ていました。まっすぐでいい歌がいくつもありました。こちらこそよろしくお願いします。