気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人10月号 同人のうた その3

2013-10-24 23:06:29 | 短歌人同人のうた
アルプスの断崖の端に鎮座して牛はゆっくり時をにれがむ
(栗明純生)

草の穂はたてがみのごとなびきをり風の形の見ゆる夏来ぬ
(寺島弘子)

几帳面な事務方の文字をわが父は死ぬまで書きぬ 崩すことなく
(原野久仁子)

につぽんはとても平和だ外国(とつくに)の子の誕生がニュースのトップ
(大橋弘志)

もぎたての紅玉スカートでみがきあげシュワーッとかじる風がとびたつ
(和田沙都子)

名を持つは寂しき初め輪ゴムにて束ねし名刺を焼く場所がない
(平野久美子)

寸分の差し色もなく漆黒を保つはみごと鴉褒むべし
(蒔田さくら子)

小さくも黄色やさしき母に似る花は付きおり西瓜の花が
(長谷川富市)

万緑の丘を下れば蟬しぐれ遠くなりたり さらに歩まん
(西勝洋一)

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短歌人10月号、同人1欄より。

読みさしの『ひとりで家で死ねますか?』十五歳(じふご)の猫は眠つてばかり(近藤かすみ)

あれもこれもやろうと思うと、どれも中途半端に。10月号は夏の全国集会の歌を多く見かけた。あと数日で短歌人11月号が来る。
訳あって、馬場あき子、与謝野晶子の歌を読もうとしているが、量が膨大で、一部しか読めない。

(画像は、季節の花300のサイトからお借りしています。ヒヨドリジョウゴの実です。プチトマトではありません)