LUNACY

cygnus' blog

「ウィンターボーイ」"Winter boy", "Le lyceen"

2023-12-24 21:00:56 | 映画
シネスイッチ銀座
クリストフ・オノレ監督

監督の自伝的作品。
原題の直英訳は"The High school Student"だし、Winter boyって英語として意味なしてなくね? それとも越冬期の少年という意味かな?だとしたらもうちょっと工夫しようよ。

父の死の喪失感と回復の物語。

どうなんだろう?のめり込めた、ないし、共感できた気もするし、そうでもない気もする。
それは、単に、自分がティーンエイジャーの頃にこれほどの喪失体験がなかったからでもあろうし、余計なこと考えている暇もなく走り続けるしかなかったということでもあるのかなと思う。悩めるだけの余裕がなかったというか。その反動として、齢とってから僕がいろいろ拗らせている、取り戻せないことがある、片付けておくべきことが未完であることは認めるけれども。

主人公のアームウォーマーがけっこうかわいらしくてツボかも(笑)。
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「シチリア・サマー」"Stranizza d'Amuri"

2023-12-17 12:19:31 | 映画
UPLINK
俳優のジュゼッペ・フィオレッロが監督。

原題はイタリア語だと思って翻訳アプリにかけたら変換できず。シチリア語だそうで、「愛の不思議」といったくらいらしい。

ジャッレ事件という事件がモチーフになっているそうで。結末がそれを踏襲。

同性愛よりも、とにかく若い2人がみずみずしくて眩しい。

シチリアの風景もこれでもかってくらい。

イタリアは家族の結びつきが、とくに母親と息子が強いよね。それも、これでもかってくらい。

残念なのは音楽で、歌が下手だったよね。
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「キリエのうた」

2023-12-16 23:10:24 | 映画
シネクイント

岩井俊二監督。
見逃すわけにいかなかった。
けれども、公開からだいぶ経ってしまったし、これを書いているのも観てから1週間以上経ってしまった。。。。

原作は、発売されたてに読んでいた。
けれど、ストーリーというかエピソードを、結構、あ、そうだったか、と忘れていたことを復習した感じ。

なんか、過去の岩井監督自身の作品から引用というか重なるところが多かったかな?という印象。
歌やバンドがメインキャラの職業で、映画の音楽担当が、小林武史って、「スワロウテイル」っぽいし。
江口洋介も「スワロウテイル」を思い出させるし。
奥菜恵も、エンディングスクロールで名前がクレジットされるまで気づかなかった(恥)けれど、「打ち上げ花火〜」に登場しているし。
雪景色を広角で撮って、新雪のなかに足アトつけているところとか、"LOVE LETTER"っぽいし。
バレエは、「虹の女神」を思い出させるし。
先輩後輩ネタは、いくつもの作品に使われているし。

松村北斗はヘタレキャラがハマっていたと思う。
村上虹郎が、ことのほかミュージシャンが板に付いていたんじゃないかな。

東日本大震災。
僕としても、実は、僕のなかで整理が付けられていないことを思い出させられた。
岩手県出身なのに何もしなかった・できなかった自分を思い起こすというか。

できれば、もう一度、観ておきたい作品。
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『蟻の王』"Il signore delle formiche"

2023-12-04 08:02:42 | 映画
恵比寿ガーデンシネマ

イタリア映画。ブライバンティ事件を元にしたストーリー。
同性愛がまだ公的に迫害されていたころの同性愛者の愛の物語。師弟愛も絡んでいる。
そして、第2次大戦後のイタリア共産党と左翼運動。チラリとイタリアの南北問題。
タイトルは、意訳せずにそのままの訳みたいだね。

いまは、日本が人権問題的に遅れているよなぁと思いつつ。
それでも、いまの日本は、強制?矯正?入院や裁判(教唆罪)などにされなくて済む、気持ちに正直に生きられる度合いの高くなった社会でよかったとも思ったり。

ただ、ひとつ気になっているのが、このストーリー、上流階級のお話だよね?労働者階級のお話ではないよね?そこは見落とさないほうがいいかも。

それから、イタリアでの、映画(含めた)文化人×同性愛×事件となると、どうしても主人公とパゾリーニが重なってしまうかな。


映画のラストに「アイーダ」のラストを被せてきていたけれども、ラダメスとアイーダのように、せめて、あの世では一緒に幸せにということを準えたのかな。
というか、シェークスピアのロミジュリのように、イタリア人には「アイーダ」か愛の物語の手本ということかも。
他に、詩(と朗読)がよく出てくるのも(ヨーロッパの)文化的な背景かなと思う。

キャスト的には、教授の寵愛を受ける若者が新人なのかな。
スザンナ役のおばあさんの演技が好い!
あと、記者役のお兄さんも以前に別の映画で見かけた気がする。

街並みもロケだと思う(しかし、イタリアにはチネチッタもあるからな...)。美しい北イタリアのイメージを崩さない。
音楽もちと過剰気味にも思ったけれど、まぁいいかな。
とにかく、イタリアの映画監督の巨匠たちの影響をあちこちに(雰囲気も含めて)感じました。

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「サタデー・フィクション」/"Saturday Fiction"(英題)/『蘭心大劇院』(原題)

2023-12-02 23:07:29 | 映画
ロウ・イエ監督,UPLINK

コン・リー主演。もはや独壇場という趣。
スパイという設定もあるから銃撃戦勝ち抜いて、カッコいい(苦笑)。
コン・リーはどうしても『花の影』のイメージが僕の中では強いけれど、やはり、主役を張れる女優さんかと。
(んでもって、何故か『さらば、わが愛/覇王別姫』の印象が弱い...汗)

前半、眠くなりそうだったけれど、後半は、アクション要素が出てきて見続けられました。
愛の物語でもあり。ただ、あまり、そこには何故かのめり込めなかった....(汗)。
養父と娘の物語を組み込むのは、中国お得意の親子愛ネタですかね。

「サタデー・フィクション」は、劇中劇の作品名。蘭心大劇院は、それが演じられる劇場。

エンディングで、横光利一「上海」が文献として明示されていて、不勉強な自分を恥じるなど。

あと、とにかく手持ちカメラでアップが多いカメラワーク。個人的には動きが多すぎる気もした。
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