LUNACY

cygnus' blog

東京二期会オペラ『蝶々夫人』

2024-07-21 18:06:00 | ピアノとクラシック

東京文化会館

演出:宮本亞門
指揮:ダン・エッティンガー
衣装:髙田賢三

二期会も「蝶々夫人」も初めて。
悲劇に涙のストーリー。

あの世で結ばれるという救いの暗喩は、宮本亞門の演出だよね?
あと、ピンカートンが子どもに伝えるという仕組み(第2幕以降で若者なるキャストが出ずっぱり)も。

現在も含めて、これまでの日米関係を考えると、けっこう複雑な気持ちになる舞台とキャラクター設定ですよね。

オーケストラの音楽。奏でているというより歌っている感じがマル。
あと、プログラムを読んで、あっそうかとなったのだけれど、悲劇ということもあるのかマイナーコードの曲が多いんだね。

髙田賢三の衣装も美しく、さすがというほかないですね。

それから、これ、主人公以外でも、スズキとかシャープレスとか、子どもとか、お芝居が要求される役柄が多いかもね。
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「関心領域」"The Zone of Interest"

2024-07-15 20:31:58 | 映画
恵比寿ガーデンシネマ

話題にもなっていたし、気になっていたので観てきた。

壁を隔てた向こう側で起きていることは、映像として描写はないわけで、そこは完全に観客の想像力次第という点で恐ろしい映画。歴史に詳しい教養のある人ほど、深い闇を感じるはず。
背景の音が、本当に不気味。

いや、ちょっと難解なところもあったし、ラストの方のカットで僕も解釈に迷うところもある。だけれど、上映終了後の若い子の「全然わからなかった」発言に絶句。
ホロコーストについての知識が少しでもあれば、何となくでもフォローできる部分あるやろ。日本人ヤバいな。

原作とはだいぶ違うみたいなので、帰りがけに原作も買っておいた。

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「東京ランドマーク」

2024-07-14 21:17:45 | 映画
横浜シネマジャック&ベティ

藤原季節の初主演映画が陽の目を見た(2018)とのことで観に行ってきました。

タイトルの意味を、まだあれこれ考え中。
北海道も舞台となるのは、藤原季節の出身地ということもあるのかな?
手持ちカメラの箇所もけっこうありましたね。
テーマとしては、家族とは?という要素が多めだったかな。

トークショーはちょっとグダグダ気味(苦笑)。制作集団の自己紹介&全国キャラバンします・したいです&ミニシアターをよろしくが、メインで作品についてはあまり触れられていなかったかも。
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『全国高校生花いけバトル 関東大会 2024』

2024-06-16 20:57:23 | 冴えない日記
於:サンシャインシティ噴水広場
https://hs.hanaikebattle.com/2024/04/26/kantou2024/
開場から予選、決勝トーナメント(準決勝&決勝)、表彰式とブッ通しで6時間、観客席(といっても椅子なし=立ち見)で観覧してました。あ、観客による投票もあったから、少しだけジャッジにも参加したことになるのかな。

とにかく、全バトラーが、5分間で凄まじい量の作業と判断下しをしていて、脱帽。高校生エナジーに称賛を送りたい。
全バトラーにインタビューというのも、時間がかかるけれど、陽のあたらない人が出ないという配慮はこれでよいのではないかと思う。また、入場においても全チームに軽いパフォーマンスさせて紹介するのも同じく。たしか、新体操の開会式が同じような方式だったよね。

予選であっても(とくに)後半は、ジャッジとして甲乙付けがたい作品も多かったです。
とにかく、花器がとても小さく見えるくらいのダイナミックな作品が多くてビックリ。
特に、男子。昨年の予選トップの正則学園高校"TWINS"なんかね。僕が、高校生の頃、もちろん華道部ではなかったけれど、あんな大胆な思い切ったことできなかった。
あと、男子ネタで、大成高校「つぶあんとこしあん」(男女混成チーム)の彼。アディダスの靴のツッコミも受けたけれど、ステージを走りまくるひたむきさに◎

ちょっと気になっているのが、指導者について。指導者の能力(と予算によって)、部活としてのトレーニングの質に各学校間の格差が生まれないかい?
高校スポーツ強豪校からの類推でそんなことを思ってしまった。
さらに、指導者がらみでひとつ。
決勝の勝ちは、今回のルールでは、間違いなく、文句なく、都立小石川「めがね」だったと思う。作品は、圧巻の一言。
ただね、対戦相手の昌平高校「ライラック」と並べてみたときに、あれ?と思ってしまって。
これ、生け花の流派が違うんじゃね?と。池○と、小○流(や草○流)の違いがあるんじゃね?と。教わった師匠の流派の差が出たのかもしれないなと。
すなわち、もしかしたら、テニスでも野球でも軟式と硬式を分けるのに、それを一緒にバトルさせてんじゃね?と思ったのね。
そこは、モヤる点として残ったかな。

あと、中間講評で華道家の先生が指摘されていて、あっそうかと思ったのだけれど、今日、大会に使われている花材。
良い意味で贅沢というかゴージャスだよね。確かに、関東大会は恵まれているんだろうなぁ、と。
地方大会や、各学校での練習時間に、こんなに色とりどりでかつ十分な量の花材の準備って不可能だよな....。


最後に、何はともあれ、ウクライナやガザなどの紛争地域では、華道どころじゃないわな....。平和って大事。そんなことも思いました。
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夏目イサク「花恋つらね」第10巻

2024-06-08 19:12:16 | 本・コミック
これにて完結、と。 足かけ9年って、確かにそんだけ経ったんだね。
読み終わってからも、第9巻と第10巻を何度も(飛ばし読みだけれど)読み返しています。

何かすごくエエ話感があるんだよね。 僕が歌舞伎を観た回数はそんなにないので、かなり歌舞伎作品の勉強になりました。

このコミックは、BがLっちゃうお話だけれど、時代がこれだけオープンになってきたんだし、現実問題として、歌舞伎役者同士の恋愛もあろうし―たぶんそういうことはきっと大昔からあったんだろうし、宗家の跡継ぎを実子じゃなければとウルサく言い始めたのは明治期以降なんじゃないかと僕は勝手に思ってる―、また、この先、新進の作品を歌舞伎演目に取り込む場合もいろいろな恋愛の形が入ってくることは不可避だろうと思うんだ。
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『瞳をとじて』"Cerrar los Ojos"

2024-05-26 22:02:04 | 映画
CINEMA NEKO
ビクトル・エリセ監督
2023年カンヌ国際映画祭プレミア上映。

監督の31年ぶりの長編。

フライヤーに「詩情豊かに綴られるワンシーン・ワンカット」とあるけれども、本当にそんな感じ。
テンポがゆっくりの映画なのは、氏の作品群から想定していたけれども、本作後半はそれをあまり感じませんでした(つまり眠くならなかった)。

ラストは、観客が自由に考えてということなのだと受け取りました。答え合わせをするものでもないし、複数の可能性を併存して意味を保留し続けるのもありということかな。

ニューシネマパラダイスじゃないけれども、映画への愛を感じる作品でもありました。
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「悪は存在しない」"EVEL DOES NOT EXIST"

2024-05-14 23:19:23 | 映画
濱口竜介監督
シネマジャック&ベティ
第80回ベネチア国際映画祭銀獅子賞&国際批評家連盟賞&映画企業特別賞&
人・職場・環境賞。

朝日新聞に載った蓮實重彦先生のコメントは、このあと読みます。

タイトルの悪は存在しないというのは、表裏含めて作品内のいくつもの文脈を意味しているのかな?と思いました。
よくわからないというか、どう考えたらよいのかな?というところがあったので、機会があればもう一度観ておきたい。いや、答え合わせをしても仕方ないのはわかった上で。

音楽に触れている記事をよく目にしたけれど、ぼくはそれよりもカメラワークが秀逸に感じました。
ラストの方、東山魁夷の絵を思わせるカットが印象的でした。


これは、蛇足ですが、開発業者の木で鼻をくくったような対応、最近、仕事で受けたばかりで、既視感がありました(苦笑)。
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「没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる」

2024-03-31 22:08:19 | 美術展・博物館

東京都写真美術館

既に知っている写真、観たこともある写真も、いくつかありました。
まず、順路の最初の方で感じたのは、この写真家は、被写体についてのことをとことん勉強なさってから撮影したんだな、と。
キャプションにも展示解説にも何も書いていない。ただ、被写体の背景について想像力をはたらかせられるか?問われている気がしました。
例えば、琉球王朝の歴史とか、永井荷風の作品とか。青木繁の作品とか。
それから、中国での写真も文化大革命の前のものがいくつもありましたよね。貴重。
フランスのパリの写真。解説にあったけれど、低感度フイルムの特性を知り尽くしている写真だと思いました。
なお、展覧会公式作品集には載っていても展示されていない作品もあるので、要注意(というか残念)ですね。
例えば、長崎の浦上天主堂(鉄川与助による建築、原爆投下後で、かつ、壊されて再建される前のもの)とか。
展示替えもない=会期を分けて後半で展示することもないそうです。
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「君たちはどう生きるか」(映画)

2024-03-10 23:23:39 | 映画
やっと観ました。しかも、東京(下町)大空襲の日。

吉野源三郎の原作からは、だいぶ離れている印象。
ちょっと難解なところもあって、本当ならもう一度観て考えてみたいような作品。
キリスト教のボキャブラリーも引用されていたかな?ノアの箱舟とか、出エジプト記とか。

とりあえず、久石譲の音楽だけでなく随所にジブリのテイストというかモチーフの重ねがあり。
コナンとラナ(或いはパズーとシータ)っぽいカットも出てきましたね。
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「ファイアバード」"FIREBIRD"

2024-02-27 23:03:30 | 映画
シネマジャック&ベティ

プログラムを買っておいたので、これを読んで後で追記するかもですが。

旧ソ連を舞台に同性愛の困難を描いた作品で、現在のロシアを批判しようという制作意図もあるのかな?

ラストのエンディングスクロールが終わった後のあのカット。意味深長だよね。いろんな含意がありそう。

ファイアバードってのは、ストラヴィンスキーの引用だったのか!
不勉強なので、ストラヴィンスキー「火の鳥」をよく知らないのだ。僕がわかっていない、もっと深い引用やアナロジーがキャラクター設定やストーリーにあったのかも。

旧ソ連が舞台のストーリーなのに、映画の台詞が全て英語。僕でもかなり聞き取れて理解できるレベルの。
何かロシア語じゃないと違和感があるなぁ。
それに、実際もそうだったのかもしれないけれども、演劇の引用がシェークスピアばっかりってのも、なんかしっくりこなかった。

音楽。とくにエンディングの曲が好かった。

キャラクター。セルゲイ役はハマっていたよね。
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