その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

N響5月A定期/ファビオ・ルイージ指揮/レスピーギ<ローマ三部作>ほか

2024-05-13 08:22:41 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

ルイージさんによるレスピーギ「ローマ三部作」。タイフェスタで代々木公園は凄い人盛りでしたが、NHKホールもひさしぶりの当日券完売。外のカオス的盛り上がりとは異なりますが、内も熱い盛り上がりでした。

静けさと劇的さの双方の緊張感を漂わせた日本初演のパンフィリ「戦いに生きて」を含めて、どれも素晴らしい演奏。特に、三部作の中で前半の「松」と最後の「祭り」が圧巻でした。

「松」は冒頭からキラキラ輝くような音色に心奪われます。出色は松本さんのクラリネットの美音。そして、両サイドのバルコニーからのトランペット、トロンボーンを含めて、打楽器も5、6名?が配置され、NHKホールの空間をフル活用。それらがすべて管弦打楽器すべてがどれも埋もれることなく、有機的に溶け合う中に身を置くのは、まさにエクスタシーそのものでした。

「祭り」は更に濃度と劇的さをスケールアップ。ホルン、クラリネット、オーボエ、フルートの管陣の個人技も冴え、オケ全体、個々の演奏と3階席から双眼鏡を持つ我が視線も忙しい。心すっかり奪われた感覚で、音楽空間の中に身を置いていました。

前任のパーヴォさんももちろん熱い指揮ぶりでありましたが、どちらかと言うと、理知的なバランスの良さが特に秀でていて、それがN響の洗練されたアンサンブルと良くマッチしていた印象がありました。ルイージさんに代わって、その洗練さに加えて、もっと泥臭ささも伴ったひたむきさのようなものが今日の演奏からは感じられた気がしました。

満員の会場は満場一致の歓喜の拍手と歓声。ルイージさんも楽員を讃えながら、やり切った満足感の表情です。今月はあと2回。まだまだ楽しみです。

PS:ロンドン駐在時代の演奏会友達のMiklosさんご夫婦に、1年ちょっとぶりに、偶然、休憩時間帯にお会いしてご挨拶。短い時間でしたが、嬉しいひと時でした。



定期公演 2023-2024シーズンAプログラム
第2010回 定期公演 Aプログラム

2024年5月12日(日) 開演 2:00pm [ 開場 1:00pm ]

NHKホール

パンフィリ/戦いに生きて[日本初演]
レスピーギ/交響詩「ローマの松」
レスピーギ/交響詩「ローマの噴水」
レスピーギ/交響詩「ローマの祭り」

指揮:ファビオ・ルイージ

Subscription Concerts 2023-2024Program A
No. 2010 Subscription (Program A)

Sunday, May 12, 2024 2:00pm [ Doors Open 1:00pm ]

NHK Hall

Panfili / Abitare la battaglia [Japan Premiere]
Respighi / Pini di Roma, symphonic poem (Pines of Rome)
Respighi / Fontane di Roma, symphonic poem (Fountains of Rome)
Respighi / Feste Romane, symphonic poem (Roman Festivals)

Conductor Fabio Luisi

 

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