その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

工藤公康 『野球のプレーに、「偶然」はない』

2013-09-27 01:44:32 | 


 元ジャイアンツの工藤公康さんによる野球の見方本。サブタイトルに「テレビ中継・球場で観戦を楽しむ29の視点」とあるとおり、著者が投手、捕手、野手、打者、ベンチそれぞれの観るべきポイントを解説してくれる。私は野球についてはうるさいほうだと自認しているが、「なるほど」と納得する点が多く、観戦の楽しみの幅が広がることは間違いない。

 私は選手生命の長い選手が好きだ。長い間プロの世界で活躍するには、絶え間ない研究心と厳しい自己管理の2つが不可欠だと思うから。工藤選手はその見本選手である(その反対に位置していると勝手に思っていて好きになれなかったのが清原選手)。本書にはその工藤氏がプロ野球生活の中で、相手チーム、対戦選手についてどう観察し、何を考えて、どんな行動を取ってきたかのノウハウが沢山詰まっている。

 例えば、投手の配球について、「投手は登板した試合だけを考えているのに対して、キャッチャーは1カード全体もしくは1シーズンを見据えてリードする」という。なるほどと、思わずうなずいてしまう。

 余談的な記述が無く、受験参考書のようにポイントとメッセージが明確に記述してあるのも分かりやすくて良い。野球好きの人にはお薦めです。
コメント (2)
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