バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

フィービィ・スノウ活動再開!絶品のLIVE盤

2008-12-10 | 音楽

少しばかり遅れて知ったのですが Phoebe Snow が活動を再開、ウッドストックにて7月末に録られたばかりのライヴアルバムをリリースしました。『Live / Phoebe Snow』という本盤。最初はお客様Aキヤマさんがバイユーに持ってきて聴かせてくれたのですが、まず活動再開!に驚き喜びそして音を聴き、あっという間に胸が熱くなりウルウル状態になってしまいました。どれくらいの衝撃かというと、カウンターのお客様皆がすっかり聴きいってしまい、アルバム1枚最後まで聴ききってしまった程でした。とにかく途中からはもうタマリません状態。そう、僕はフィービが好きなのです。AキヤマさんもTマイさんもフィービィが好き。好きな人間には抗いようのない絶品の音楽が次から次へと…。
Phoebesnowlive 70年代、シェルターレーベルからリリースした1stアルバムで広く知られる彼女ですが。僕は89年、当時働いていた下北沢のSという店で知りました。透明ですぅっと空に昇っていってしまうような歌声をすぐに気に入りましたがこの年、ブランクを経て久しぶりに発表したニューアルバム『Something Real』が衝撃的なほど素晴しかったのが忘れられません。母親の死を乗り越えての復帰作だったのですがそれのみならず彼女は生まれつき脳に障害のある病弱な娘さんを抱えて暮らしているとのことで、アルバムは娘さんにも捧げられておりました。強くて美しい音楽が詰まったこのアルバムは、最悪のサウンドばっかりが垂れ流されてどうにかなってしまいそうだった80年代に、自分にとって数少ない「名盤」となったのでした。この時は来日公演も催され(グローブ座だったと思う)時間をつくれなかった自分はFMで放送されたLIVE音源を聴いて、その素晴しさに無理矢理でも聴きに行かなかったことを激しく後悔したのでした。。。その後、娘さんとの暮らしを優先する彼女の活動はまた途切れ途切れになり、薄情なことに旧譜は時折聴くものの現況への興味は失っておりました。
そこにこのライヴアルバムです。

フィービは昨年、愛情を注ぎ続けた娘さんを31歳で亡くしそれを越えての活動再開であるとのこと。確かに彼女のオフィシャルサイトを開くとトップページには娘さんへの追悼があらわされています。なんとも言えない感慨をもって眺めた後、LIVE欄を開くと活動を積極的に再開していることが確認できる。
フィービ・スノウは戻ってきたのだ。こんな絶品の音盤を携えて。7月31日に録音して10月にリリース!彼女は自分の意志で動き始めたのでしょう。

当然すぐに購入しました。国内盤が出ていると知り、国内セールスに貢献して盛り上げたいと値段の高さを顧みず『ライヴ・イン・ウッドストック』というタイトルのユニバーサル盤を手に入れました(ジャケットや曲目の変更はありません)。
今、聴きながらパソコンに向かっているのですが何度も聴いているというのにも~う冷静ではいられないくらいです。選曲も素晴しい!ジャニスで有名な『Piece Of My Heart』のカヴァーもなんとも形容し難い魅力に満ちています。万感、といった感じのフィービの短い言葉が挟まれるだけで進んで行く音盤。演奏が強力、とか(もちろんナイスサポートだけれど)尖った強烈盤ではないけれど彼女の歌声が好きな者にとっては珠玉の作品です。
ふと、フィービィのことを特に好きではない人にとってどうなのかな?とは思わないでもないけれどそんなことはもうどうでもいいのです。
自分の80年代の最後を飾ったココロの名曲『If I Can Just Get Through Tonight』が2008年のフィービィの澄んだ声で歌われるだけで、そしてあまりにも素敵なオーディエンスの反応を聞いているだけですべてはALRIGHT、なのです。そうです!Aキヤマさんも仰ってましたが、わざとらしくもなく率直に音楽に正しく熱い反応をみせるこのよ夜の観客は最高です!
他の方々が気にいるかどうかは、すいませんが知ったこっちゃぁありません。
聴けば聴くほどいいです。熱烈にお薦めします。来日祈願!!


感謝と喜びと…

2008-12-09 | ある日の出来事

昨夜のこと。
長く病気療養中だった、お客様Uさんがめでたく退院され本当に久しぶりにバイユーを訪れて下さいました。御本人はもちろん、馴染みのお客様方や我々従業員も皆大いに喜び楽しい時間を過ごすことができました。とにかく一安心。なんとも、本当に喜ばしいことでした。

そのUさんに「またここに戻ってこられて良かった」と言っていただき恐縮至極だったのですが、なんとも勿体なかったのが以下のひと言。

「なんだか長いこと休んでた学校に出てきたような気分で、全てが懐かしい。」

飲食業者、いやこういう「場」を作る的なお店をやっている自分のようなものにとって
オトコ?冥利に尽きると言うか…これ以上はないお言葉でした。

なんというかお褒めの言葉を頂いたというような種類でもないし、なんとも表現の仕様がありません。あえて感想を述べれば、なんとももったいない。
「廊下も懐かしいな」と言っていただきました。

独立してバイユーを始めてもうすぐ丸3年。個人的に忘れられない夜のひとつとなったのでした。

わかっていたことだけど、店って自分がつくっているわけではなく訪れて頂いているひとりひとりにつくっていただいているものなんだなぁと改めて思った次第です。

お??なんか殊勝なこと書いてんな(笑)と思って読む方がほとんどだとは思いますが。
いつも皆様に感謝して日々を過ごしてるんですよー。
見え辛いかもしれんけんど(涙)

Uさん、これからもよろしくお願いいたします。くれぐれも無茶はせず、御自愛下さい。感謝を送ります。
そうそう!Uさんには今年、Keith Richardsの『Run Rudolph Run』UKオリジナルシングル盤を頂いたのでした!!そうですそうです!
いやーやっぱこれには大感謝ですね!!

と、まぁいつものようにこんな感じで。。。


Geraint Watkinsの新作は素晴しくって、渋い!!

2008-12-09 | 音楽

41xufuifgbl_sl500_aa240_ 紹介するのがすっかり遅くなってしまったのですが。Geraint Watkins4年振りのニューアルバム『In a Bad Mood』がバイユーにとっくに到着しています。イギリスのキーボード&アコーディオン、そしてギター奏者でもある彼はパブロック人脈の中で語られることの多い人物でニック・ロウの片腕として知られています。
なかなかに難しい名前の読み方ですが、これまで日本盤で使用された表記も複数存在するという難解さ!ゲラント、ジェレイン、ゲレイント…悩ましいのですが、恐らくゲレィンもしくはゲラインが最も近いようです。レとラの間でしょうか?ゲレィンでいきましょう!ゲレィン・ワトキンス。

アメリカンルーツミュージックをこよなく愛しつつ自国の文化を愛し、風土に根ざした、いたってまっとうな本当の意味でのミクスチャーな音楽を奏でるゲレィン・ワトキンス。いたってまっとうなと書きましたが、彼の音楽はまっとうゆえに一度聴いたら忘れられない個性に満ち溢れています。そうなのです。まっとうに混ざり合えばこんなにも個々の個性が立ちのぼるものなのです(画一的なミクスチャーって実は全然混ざってなくって、あらかじめ用意されたミクスチャーサウンド風でしかないように思います)。
ニック・ロウの昨年のアルバムは彼のバンマス的な仕事が全体に色濃く漂うものでしたし、古くはストーンズのビル・ワイマンが主催した『Willie & The Poor Boys』への参加での彼の匂いは今になって聴いてみるとアルバムのあちらこちらに顕著であり、全体の音色にも貢献しているように感じられます(発売当時は高校生だったので彼のことも知らなかったし、変わったサウンドだなぁと思ったくらいでした)。そんなワトキンス氏ですがサイドマンとして著名でありながらリーダーアルバムがそれ以上に最高に素晴しいのです。ソロ名儀のモノ、バラム・アリゲイターズ名儀のモノ。どれも本当に最高です!
そんな久しぶりに現れたソロ名儀の新作。いつもながら豊潤な音楽がいっぱいにつまっています。トゥワンギンなギターが聴こえてくるだけでもう堪りません。しかし、自由に制作させて貰える良い環境を手に入れているようでなんとも素晴しい。そう思ってしまうくらいに我が道を行っています。どういう意味かというと…とにかく渋いのです。激シブです。初めにセールス有りきではまったくありえない構成に展開。本気かよ?ってくらいに地味で渋い。それが良くないのかというとそんなことはまったくない!細部まで丁寧につくり込まれていて捻りも上等。素敵な音楽がたっぷり、です。でも外ヅラの愛想のなさは驚異的です(笑)試聴コーナーなどというものとは相容れない音楽。心配になってしまうくらいの潔さです。

渋い、と連呼しましたがそれは手触りで楽しい音楽でもあります。音が楽しい。そんなところも真っ当、ですね。
…小学生の頃、良いことカッコイイことをなんでも「シブイ!」というのがはやっていました。
まさに「シッブイ!」です。

「シブらっこい!」ってのもあったな…あれはいったいなんやったがやろ??
 


マニー・パッキャオ、体重制を超える歴史的勝利。

2008-12-08 | ボクシング

…ボクシングです。

既に新聞等の報道でご存知の方もいるとは思いますが、昨日アメリカラスベガスで行われたウエルター級12回戦にてWBC世界ライト級王者マニー・パッキャオ(フィリピン)が世界タイトル6階級制覇王者オスカー・デラホーヤ(アメリカ)と対戦し8回終了TKOで圧勝しました。

この試合はノンタイトル戦ながら注目を集めデラホーヤ20億円、パッキャオ15億円という破格のビッグマッチとなったのですが、それは両者共に超の付くスーパースターであるということに加え、ふたりの体格差というものが大きな話題となった故のことでした。

アジアの英雄パッキャオはフライ級(48.97~50.80kg)から始まり現在のライト級(58.97~61.23kg)まで4階級を制覇した選手。片やデラホーヤは(57.15~58.97kg)のJライト(現Sフェザー)級からミドル級(69.85~72.57kg)まで6階級で王者となった選手。
近年戦っている体重でほぼ10kg、身長差も10cm以上ありまったく体格が違うのです。

あまりピンとこない人に説明する方法を探してみると…
見つかりました。
内藤大助選手とガッツ石松選手が試合をするようなものです。乱暴か?
…いやいや、こう書くと本当にとんでもないことです。細分化された階級制で戦われるという大前提の近代ボクシングではギリギリまで体重を調整しているため、これまでそれがたとえ1階級上の選手であるとしても " 重さ " の持つアドヴァンテージは大きいとされてきました。しかし今回はパッキャオが増量、デラホーヤが減量してウエルター級(66・68kg)の契約ウエイトで対戦が実現。稀代のスーパースター同士の対戦が実現したのはまさにアメリカボクシング界の興行の論理あってこそなのだけれど、今回だけは流石に決定前から賛否が飛びかうこととなったのでした。
賛はもちろん、本来であれば実現しないはずの対決が観られることへの驚きと興奮。否は「茶番」「ボクシングという競技に対する冒涜」と手厳しいものが多数。特に現役選手をはじめ関係者からは否定的意見が多く、プロモーターとしても成功を収めているデラホーヤに対して「銭の亡者」と罵る声さえも聞かれました。それでも大きな注目を集め、興行的に大成功を収めて挙行されたのは " ドリームマッチ " に対する世界中の興味が勝ったということなのでしょう。
ボクシングの世界には「もし全選手の体重が同じだとしたら誰が一番強いか?」というランキングが存在します。『パウンド・フォー・パウンド』と呼ばれるそれは、専門メディアが各々発表し正式なランキングとは性質が異なるものなのですが、基本的に1位の選手(という評価)に関しては意見の一致を見ることが多いものです。そのランキングで1位と目されるマニー・パッキャオとランキングの常連デラホーヤ。スーパースターふたりが机上の空論ではなく実際に対戦するのですからあまたの批判を振り切ったのも無理はないのかもしれません。そしてこの試合が興味を高めたのは、対格差ゆえにデラホーヤ圧倒的有利とされてはいたものの未だ底を見せていないパッキャオがスピードと突進力で圧倒する可能性がなくもない、と考える人々が多数存在したからに他なりません。20081207 そして事実圧倒的な対格差をものともせずスピードと連打で圧倒。まさに圧勝という結果を収めたのですが、勝負事は繊細なものです。試合開始前にリング中央に歩み寄った時の対格差そのままにデラホーヤが大きさで圧倒、重大な事故に繋がるような結果が用意されていなかったとは誰も言えないのです。階級の差を徐々に歩み寄っての実現ではなく一興行の為にセッティングされたこの試合の是非を結果のみで単純に問うのはなかなかに難しいものであるように思います。パッキャオファンとしては興奮しましたけどね。それと…事故の危険を憂うのとは相反すると思いますが…試合を望んだデラホーヤが8Rに小さいパッキャオに打ち込まれ、倒されるまで戦うのではなくラウンド間のギブアップという形でこの大試合を終えた事になんだか釈然としない気持ちが残りました。オリンピックの金メダルからプロ入りしエリートコースをまっしぐら。そのうえ現役選手ながらプロモーターとしても大成功。歌手でもある。
デラホーヤが激しく倒されて甚大なダメージを被れば良い、と思っているけでは決してないのだけれど、ギブアップして笑顔で試合を振り返る姿になんとなく違和感を覚えたのは事実です。

と、ウダウダと書いてきましたが
それにしてもマニー・パッキャオ!とんでもない選手になったものです。最近はパウンド・フォー・パウンド最強と言われることが多かったとはいえ、今回ボクシング界の最も華やかなビッグネーム、デラホーヤを体重の差を超えて倒したことで名実共に世界のプロボクシングでナンバーワンの存在になったといえます。少し前ならマイク・タイソンですが今はマニー・パッキャオを挙げる人が多いことでしょう。いや、異論というのは恐らく出てこないでしょう。
考えてみればこれまで世界のプロスポーツでアジア出身の選手がその競技の圧倒的ナンバーワンの座に君臨したことってあったのでしょうか??サッカーでいえばパロンドールやFIFA年間最優秀選手、テニスならグランドスラム?イチロー選手がメジャーリーグでM.V.Pを獲得したことが近いかな?とは思いますが、あの時にアメリカの野球ファンにメジャー最高の選手は?と訊いて「イチロー」と答える人は極めて少なかったと思います。他を考えてもちょっと思いつきません。
なぜか日本ではメディアであまり紹介されないパッキャオ選手ですが、とんでもない高みに辿り着いた事は確かなようです。フィリピンの人々の熱狂も当然です。なんとも羨ましい。

彼のボクシングスタイルは素晴しく魅力的で、本当にアジアの英雄です!少しでも興味のある方は是非パッキャオの試合を(youtubeなどで)ご覧になることをお薦めします。20081207_2


本日土曜日は通常営業。来週土曜日は3周年宴!

2008-12-06 | 営業時間等のご案内

本日、12月6日土曜日は通常営業です。そして、来週土曜日、12月13日ですが…

おかげ様でバイユーゲイトは
2008年12月17日にめでたく3周年を迎えます!

そこで、ほんの数日早いのですが
13日(土)に恒例となった周年宴を開催いたします。

今年も特になんということはないゆるりとした宴会ではありつつ、日頃のご愛顧に感謝を込めて開催いたします。年末のお忙しい時期とは思いますが是非足をお運び下さい。

昨年の周年宴へのご意見を参考に~これまで通り各種料理をいろいろとご用意しつつ…会費を1000円とし、お飲物は各自別注文とさせて頂きます。そのお飲物、ご愛顧感謝『特価!!』メニュー各種となる予定です。どうかゆっくりと飲っていって下されば、と思います。
7時開宴です。よろしくお願いいたします。


お正月の風情

2008-12-05 | ある日の出来事

もう幾つ寝るとお正月?となってまいりました。
そんな昨夜、なんとなくバイユーで話題になったのですが、最近はケーキ屋さんというのは元旦から開いているところも少なくないようです。初詣等、元旦に出かけた人たちからの需要がそれなりにあるからだとのこと。それどころか話しているうちに元旦から通常営業している店、業種が次から次へと挙がってきました。
「はぁ、凄いなあ…」という会話だったのですが、三鷹市在住のギタリストYジマくんが「そんなの必要ないですよ。全部休むべきです」と一言。
コンビニもビデオ屋もチェーンの飲食店もが普段通り営業しているような街だと、ガランとしたあの正月気分がなくなってしまうという主張でありました。確かに!それには僕も多いに賛成です。三が日休業のお店ばかりで街がガランと静まりかえっていて、午前中はみんな家に籠っているのか住宅街には人の気配がない。なのに初詣にいくと人がギッシリ。なんとなく小さく興奮させられるるような非日常感。それがお正月の記憶だった様に思います。

海辺の町に住んでいた子どもの頃、確か1月2日。貰ったお年玉を握って近所の民家兼小さなおもちゃ屋に自転車を乗りつけ吟味に吟味を重ねて(その町では)当時発売したばかりだったゲイラカイトというアメリカ発祥の(そう言われていた)凧を買うと、そのまま道を渡って砂浜に降りて凧を組立てて海に向かって揚げた。海に向かって驚くほどの強さでグイグイ挙がっていく黒いゲイラカイトを見ながら「特別な日」感覚が更にどんどんどんどん高揚していくのを感じたものでした。Photo 遊び疲れたあと浜から河口の橋の上に登ったところでばったり会った友だちも、ほんの何日か前にも会っているはずなのになんかちょっと特別な感じがして子どもなりに新年の挨拶らしきことをしたような気がする。「なんか買うた?」「ゲイラ」。こんなカンジだったか?うーん気温がピリっと低くってなのに太陽が暖かかった記憶がある。。。

そんなお正月を台無しにしてしまう昨今の有り様は確かに宜しくない。元旦にチェーンの居酒屋が営業するようになってから?コンビニが24時間になってから?
ま、飲み屋街はともかく子どの目に触れるお正月の街はやっぱりなんだかいつもと少し違う特別の空気を感じさせる風情でいて欲しいと思う。そんなことを思い出させてくれたYジマくんの言葉だったのでした。

で、そんな三鷹のギタリストYジマくんこと『矢島康孝』のギター独奏ですが、本年の御用納め(26日)の翌日27日(土)に開催されるバイユー忘年会LIVEで聴くことができるようです。お楽しみに。

※詳細はトップページからevent schedule欄をご参照下さい。


JUMP!キヨシロー

2008-12-04 | 日記・エッセイ・コラム

朝も早よからRCサクセションを観ていた。
ちょっと別件でyoutubeを開いた後、なんとなくRCが観たくなって検索。数ある映像の中から懐かしい『ファイティング80's』出演時の『よォーこそ』を。チャボがセンターマイクで煽るところから始まる。…なんともカッコイイ。素晴しい!演奏がどうのこうのというレヴェルを遥かに越えた世界。ロックンロールのマジックに溢れてる。筆舌に尽くし難いとはこのこと。中学生の時に夢中で観ていた『ファイティング80's』の映像を沢山見つける。当時高知までネットしてくれたKUTVに感謝感謝なのです。これまた中学生の時に観た横浜スタジアムの『Sweet Soul Music』。若き清志郎。最高です。止まらなくなってしまった。
『ドカドカうるさいロックンロールバンド』に胸が熱くなる。なんなんだろいうこのピンポイントで胸をくすぐるような歌心、そしてロックンロール。初めて聴いたときはなんじゃこりゃ?と思ったのに。30年近い年月を経てなお自分の皮膚感覚を刺激する清志郎。
J西中学校の校庭で友人から、当時まだ持っているのが少数派だったウオォークマンで初めて聴かせてもらった『トランジスタラジオ』。K澤大学の講堂で、まるで痒い所に手が届くかの如く自分のカッコイイと思う価値観覚を鷲掴みにしてきたタイマーズ。(震えるような衝撃というやつを本当に味わいました。タイマーズはCDももちろん素晴しいけれどライヴこそがタイマーズだったと思う)。そして日比谷野音。PCの前でいつしかアタマから湯気が出そうに興奮していた。
『ザ・ベストテン』での『サマーツアー』!そして86年、あの『メリークリスマスショー』での山下洋輔&桑田圭祐との『セッションだ!』(確か東京は夕方から雪のクリスマスイヴで、下北のレコファンでキンクスのLPを買ってコンビニに寄って四畳半トイレ無しの部屋に戻り~この桑田Presents『メリークリスマスショー』を14インチのテレビで観たのでした。)
タイマーズを観て、昨年の日本武道館復活祭での『JUMP』を…。自分が一番最近清志郎のLIVEを観たのが3年と少し前の早稲田大学大学祭。その時懐かしいナンバー以上に、一番感激して記憶に残ったのが新しい曲だったこの『JUNP』。ぼーっと立って聴いていた自分にあまりにドカン!と突き刺さってきて感情のコントロールを失ってしまいそうなくらいにグッときたのでした。その曲を病からの復帰後武道館で歌う清志郎。
たとえばリズム&ブルースやブルースを聴いていたり、ローリークックの音楽に仕事として立ち会っていてどうにもこう~にも溜らなくなったりした時。感じる人にしか感じないものがあるということをいつも思い知らされます。そんな気持ちを若い頃教えてくれたのがRCであり清志郎だった様に思う。例え武道館いっぱいの熱狂的ファンの前でジャンプしている姿を見ていても、やはり感じる人の胸にしか届かない種類のものだと思う。ソウルミュージックが好きで…清志郎と音楽的嗜好があって…とかではなくって彼の作りだすものと感性的に通じるものがる人たちなのだと思う。たまたまそんな人たちに沢山出会えているだけ。RCにだってそんな人たちに出会えない時期もあった。

自分は「なんでみんなにはわかんないんだろう?」とはあんまり思わない。そういうもんなんだろうと思う。仕事としてはそれではいけないとは思うけれど、みんなに理解されることを目指すよりは、感じる人であろう人が触れ易いよう垣根を低くすることが肝要だというように思ったりする。PCの中でシャウトする清志郎。きっとこれからも、未だ出会ってない人(若者?)の胸に突き刺さったりしそうな輝きに満ちています。

先日はMG'Sと共演したとのこと…。非合法なインターネット映像に夢中になりながら、自分にはまだまだ彼の歌が必要なことを痛感しました。
アルバム『夢助』、そして『JUMP』を聴きながら…キヨシロー、待ってます。Kiyoshiromgs081120


ナマ音ってかっこいい!

2008-12-02 | ライヴ報告

土曜、日曜とバイユーはライヴ営業でありました。
土曜日は三鷹民にはおなじみ『古道具』が出演。いつもながらの親しみ易くてスウィンギーな音楽を聴かせてくれました。彼らの音楽の根本にはブルーグラスが有るのですが、キツイ2ビートの隙間から時折見え隠れする微かな和テイストはブルーグラスやドーグ、そしてグレイトフルデッドなどの知識がなくても十分に楽しめるわかり易さに溢れています。時にFolk Musicの香りが漂いさえするのです。
そんなフルドーグ、今回はアンプラグドに挑戦しました。それも本当のアンプラグド。アコースティック・ギターの音をマイクで拾ったり、ヴォーカルマイクを使用したりするまがい物ではなくて嘘偽りのないナマ音演奏。ギリギリまで「後半は少し(電気)使う?」などと迷ってはいましたが結局2ステージ、最後まで完全ナマ音で通しました。流石、三鷹のスター!!081129
そのナマ音、リハーサル中にバイユーの廊下に洩れてくる音を聴いていると「今はいったい1900何年だ!?」と思わせるような不思議な感覚に包まれてしまったのでした。「50年代のバーボン・ストリート??(知らないけど)」そんな感じです。
柔らかな音が廊下からステンドグラスを通り抜けて外に泳いで行きそうな、そんな感じ。
ご覧の様に照明も、スポット照明を使わずにオールドファッションな感じでやってみました。

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終盤、ピンスポットを使ってみるとこんな感じ。




最近本腰を入れているというヴァイオリンをさかんに披露する源氏名ビリーこと岩田亮。
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表情がなんともいえません。

電気での増幅がないゆえのモニタリングの難しさが適度な緊張感を生み、繊細なハーモニーの手触りもなかなかでした。お客さん(ドーグヘッズ)も大満足だったのではないでしょうか?
次回も楽しみです。


 



081130そして翌日はイナタいファンキージャズを演る『GOD KASAHARA & THE GOLDEN COLSETS』。もちろんギターもベースもエレクトリック!ブリブリゴリギリギャワーンとキメる瞬間もあるグルーヴ楽団だったのですが、やはりそこでもサックスとトロンボーンが気持ちのイイナマ音を響かせていてくれたのでありました。

そしてナマのドラムス " ゴッド・カサハラ”。幅広い選曲で満員のお客さんを湧かしてくれました。ギターもベースの両エレキ陣もなんだか生の音に包まれて良い響きを聴かせていたようにも思います。
と、こんな感じで楽器そのものの音の気持ちよさというものを再認識した二日間だったのでした。

道路まで全部開け放ってやってみたいな~。