バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

フィービィ・スノウ活動再開!絶品のLIVE盤

2008-12-10 | 音楽

少しばかり遅れて知ったのですが Phoebe Snow が活動を再開、ウッドストックにて7月末に録られたばかりのライヴアルバムをリリースしました。『Live / Phoebe Snow』という本盤。最初はお客様Aキヤマさんがバイユーに持ってきて聴かせてくれたのですが、まず活動再開!に驚き喜びそして音を聴き、あっという間に胸が熱くなりウルウル状態になってしまいました。どれくらいの衝撃かというと、カウンターのお客様皆がすっかり聴きいってしまい、アルバム1枚最後まで聴ききってしまった程でした。とにかく途中からはもうタマリません状態。そう、僕はフィービが好きなのです。AキヤマさんもTマイさんもフィービィが好き。好きな人間には抗いようのない絶品の音楽が次から次へと…。
Phoebesnowlive 70年代、シェルターレーベルからリリースした1stアルバムで広く知られる彼女ですが。僕は89年、当時働いていた下北沢のSという店で知りました。透明ですぅっと空に昇っていってしまうような歌声をすぐに気に入りましたがこの年、ブランクを経て久しぶりに発表したニューアルバム『Something Real』が衝撃的なほど素晴しかったのが忘れられません。母親の死を乗り越えての復帰作だったのですがそれのみならず彼女は生まれつき脳に障害のある病弱な娘さんを抱えて暮らしているとのことで、アルバムは娘さんにも捧げられておりました。強くて美しい音楽が詰まったこのアルバムは、最悪のサウンドばっかりが垂れ流されてどうにかなってしまいそうだった80年代に、自分にとって数少ない「名盤」となったのでした。この時は来日公演も催され(グローブ座だったと思う)時間をつくれなかった自分はFMで放送されたLIVE音源を聴いて、その素晴しさに無理矢理でも聴きに行かなかったことを激しく後悔したのでした。。。その後、娘さんとの暮らしを優先する彼女の活動はまた途切れ途切れになり、薄情なことに旧譜は時折聴くものの現況への興味は失っておりました。
そこにこのライヴアルバムです。

フィービは昨年、愛情を注ぎ続けた娘さんを31歳で亡くしそれを越えての活動再開であるとのこと。確かに彼女のオフィシャルサイトを開くとトップページには娘さんへの追悼があらわされています。なんとも言えない感慨をもって眺めた後、LIVE欄を開くと活動を積極的に再開していることが確認できる。
フィービ・スノウは戻ってきたのだ。こんな絶品の音盤を携えて。7月31日に録音して10月にリリース!彼女は自分の意志で動き始めたのでしょう。

当然すぐに購入しました。国内盤が出ていると知り、国内セールスに貢献して盛り上げたいと値段の高さを顧みず『ライヴ・イン・ウッドストック』というタイトルのユニバーサル盤を手に入れました(ジャケットや曲目の変更はありません)。
今、聴きながらパソコンに向かっているのですが何度も聴いているというのにも~う冷静ではいられないくらいです。選曲も素晴しい!ジャニスで有名な『Piece Of My Heart』のカヴァーもなんとも形容し難い魅力に満ちています。万感、といった感じのフィービの短い言葉が挟まれるだけで進んで行く音盤。演奏が強力、とか(もちろんナイスサポートだけれど)尖った強烈盤ではないけれど彼女の歌声が好きな者にとっては珠玉の作品です。
ふと、フィービィのことを特に好きではない人にとってどうなのかな?とは思わないでもないけれどそんなことはもうどうでもいいのです。
自分の80年代の最後を飾ったココロの名曲『If I Can Just Get Through Tonight』が2008年のフィービィの澄んだ声で歌われるだけで、そしてあまりにも素敵なオーディエンスの反応を聞いているだけですべてはALRIGHT、なのです。そうです!Aキヤマさんも仰ってましたが、わざとらしくもなく率直に音楽に正しく熱い反応をみせるこのよ夜の観客は最高です!
他の方々が気にいるかどうかは、すいませんが知ったこっちゃぁありません。
聴けば聴くほどいいです。熱烈にお薦めします。来日祈願!!