バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

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じわじわと反芻する、長谷川穂積再起戦。

2015-05-13 | ボクシング
土曜の深夜に結果を知らずに観たボクシング録画放送。

痛烈なKO負け、引退と報じられた試合から1年。
再起戦に29戦全勝21KOのメキシコ人世界ランカーという危険な相手を自ら選んだ長谷川穂積選手の勝利に素直に感動する俺でした。

戦前の予想は不利。右足首の怪我(靱帯部分断裂だった)も伝えられており、再度のKO負けを予想する声もあった。
本人も試合後「めっちゃ怖かったです。」「まずはこの恐怖感から脱出したい(解放されたい)」と語ったこの試合。

あれから数日。
「まさか勝てるとは思わなかった」と語る長谷川選手の声を目にし、試合を反芻する。
「自分はアウトボクサーではなくボクサーファイター」と語った彼の、(近年見せていた)打撃戦ではなく攻防一体の久しぶりに彼らしい試合。ポイント的にも圧勝だった。

最終ラウンドが終わった時に勝利を確信して総立ちになる客席。バンザイする人さえいたその光景はまるで世界タイトルを奪取したかのようだった。
緊迫感に満ちた10ラウンズ。「たとえキャリアに傷がついても、世界戦ができなくても、自分のボクシング道をまっとうしたい」と語っていた長谷川選手。
計15度の世界戦を戦った元王者の、「強い相手に(本来の)自分のボクシングで…」という意志が強く伝わってきた。

改めて「観れて良かった」としみじみ思う試合でした。

誰にもケチのをつけられることのない世界ランカーに復帰した長谷川選手。
大きな節目の試合となったと思います。

そう。不思議と、この後の彼の進退があまり気にならないくらいだ。