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コロナ共存の広告表現の近未来観

学び舎の表と裏(7)

2015-12-18 13:59:07 | 学問のススメの涙
Economics of education - as a weapon which we can change the world | 中室牧子 | TEDxKeio





日本では社会実験をすること自体が不平等だと言われるかもしれませんね。

「そうですね。同じ世代の中でタブレットをもらえる人ともらえない人がいる、この一時的な不平等は日本ではとても受け入れ難いようです。一方で、ゆとり教育のような政策による世代間の不平等は見過ごされがちです。全体主義的な教育政策が10年後に間違っていたと分かった時の被害は甚大です。日本でも小さいところで社会実験をして効果が分かったものを全体に広げていくというスタイルにしないと、ゆとり教育の二の舞いになってしまいます」



ここ数年で、日本では教育格差についての議論が増えたように思います。

「親の学歴が高い子どもの学歴は高い、この事実は無数の研究の中で明らかになっています。親の学歴が高い世帯は、総じて世帯収入が高いこともあって、塾や習い事など学校以外の教育にもお金をかけられる。そうすると、高学歴・高収入の親を持つ子どもは自分も高学歴・高収入になるチャンスが多いけれども、そうでない親を持つ子どもはチャンスが少ない。子どもの学力は、50%程度が家庭環境の要因によって説明されることを明らかにした研究(*1)もあります。また、2002年に学校週休2日制が導入された際、貧困世帯の子どもは勉強時間が減少し、学力が低下したことを明らかにしている研究(*2)もあります。親の社会経済的な地位が子どものライフチャンスにストレートに反映されるような制度というのはフェアとは言えません。教育格差の親子間連鎖が進むような政策や制度変更には慎重になるべきだと思います」