AD際族

コロナ共存の広告表現の近未来観

学び舎の表と裏(6)

2015-12-17 15:08:02 | 学問のススメの涙
Is the 'No Child Left Behind Act' Leaving Children Behind?




「米国ではそうした考え方は一般的なのでしょうか?」

「米国には2002年に成立した『No Child Left Behind Act』





(落ちこぼれ防止http://www.geocities.jp/intlschools/USSystemLaw.htm )という法律があるんですが、この法律の中で『scientifically based research』(科学的な調査研究)という言葉が111回も使われているんです。簡単に言うと、科学的な裏付けがないと教育政策に予算はつけないということです。州などが新しい教育政策をやろうと思ったら、まず学校など小さい単位で社会実験をして、成果が出たら投資をして大きく広げるというのが一般的になっています」

「どういった教育政策の費用対効果を分析するのでしょうか?」

「興味深い研究がたくさんあります。例えば80年代にテネシーの幼稚園と小学校で行われた研究では、最適なクラスの規模が評価されました。子どもたちを13~17人のクラス、22~25人のクラスに抽選で分けて、事前・事後でテストをして偏差値をとったところ、13~17人のクラスの方が成績が良かった。もっと小さいクラスもありましたが、この真ん中のクラスが一番良かったんです。そこでこれが最適なクラスサイズだということで、少人数学級が全米に広がりました。」

「最近では、iPadなどのタブレット端末を教科書として使った子と、紙の教科書を使った子のどちらが成績が良かったかを調査した研究があります。結論から言うと差はありませんでした。差がないというのもとても重要で、タブレットは1台5万円以上、紙の教科書は1冊300円くらいなので、効果に差がないなら紙の教科書を使いましょうということになります。仮にタブレットの方が効果があったとすれば、生徒の偏差値を1上げるためにいくらコストがかかるのか、それを全国に広げればいくらかかるのか、電卓があれば計算できます。こうした知見を積み重ねれば、クラスサイズを縮小するのか、タブレットを配るのか、奨学金を出すのか、すべて横並びにして比べられるはずです」