哲学者キケロはこう言っている。
「平穏にして温和な老年は、静かに、清く、優雅に送られた生涯の賜物である。」
又、カントはこう言った。
「慎ましやかに又親しく社交に加わり、元気に、解り良くものを言い、自らは加わらないが若いものの喜悦を真面目に庇護し、すべてに気を用いて世話をしながら、自分の周囲の喜びに対して満足と好感とを示す老年の女性は、年はとっても、同年配の男性よりももっと上品であり、而して意味こそ異なれ、恐らく若い女よりももっと親愛すべきものである。」
誰だったか忘れたが、その人は、およそ人生の成熟者とは思われない年寄りに対して、こう例えた。
「彼は、私は長く生きてきた、と言うが、そうではない。彼は長く過ごしてきた、に過ぎない。」