南無煩悩大菩薩

今日是好日也

「わけがわからん」がいっぱい

2016-09-04 | 古今北東西南の切抜
(picture/original unknown)

・・科学は自然界にある「わからないこと」に挑む学問である。

物理学ではクオークとかニュートリノとか次々と新しいものが発見された。生物学ではDNAの解析が進み、遺伝子が作るタンパク質のはたらきが明らかにされている。

いつか宇宙も生き物もすべてわかるようになるだろう、それが科学の見方だった。

ところが、宇宙も生きものも、研究が進んだがゆえに、わからないこいとが浮かび上がってきたのである。

まず、生物学を見よう。ヒトゲノム解読は、DNAのATGCをすべて読めばそこでつくられるタンパク質がわかり、そこからヒトがわかるはずと考えての挑戦だった。

ところが32億個ものATGCを解読してみたら、タンパク質を指令する配列はその2%足らずだったのである。しかも、ジャンクと呼んだ残り98%の中に存在する過去に感染したウィルスの名残が胎盤形成に関わっていたり、無意味と考えてきた配列のくり返しの回数の違いが重篤な病気の原因であるなど、思いがけないことがわかってきた。つまり、「わけがわからない」部分が大量にあり、しかもそこが重要となってきたのである。

宇宙も然りである。

宇宙を構成する物質のすべてと思っていたものが、全体の4%にすぎず、質量はあるが見えない「暗黒物質」が22%、更に正体のわからない「暗黒エネルギー」がなんと74%を占めていると知った時は仰天した。宇宙の生成と現状の説明にはその存在を考えざるを得ないというのである。

少しずつ解明が進み、たくさんの銀河がつくる泡構造が暗黒物質の存在で説明できることがわかったらしいが、エネルギーの方はまだ不明のようだ。

これまでの考え方で説明できる部分がわずか数%しかないという事実は、科学に新展開を求めていると思える・・。

-切抜/「機」2016.8 中村桂子「生きているを見つめ、生きるを考える」より-
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
煩悩先生へ (sugiura)
2016-09-05 05:36:44
だからこそ、何千年も昔の方の考えが今でも通用し心の安らぎになるような気がします。

科学は新しい考える機会を楽しみをもたらしてくれます。
sugiura様 (煩悩)
2016-09-05 23:32:05
鼻の孔はブラックホールです。

塵が集まって・・

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