goo blog サービス終了のお知らせ 

咲とその夫

 思いもよらず認知症になった「咲」の介護、その合間にグラウンド・ゴルフを。
 週末にはちょこっと競馬も。
 

映画「はやぶさ 遥かなる帰還」・・・

2012-02-27 22:16:10 | レビュー
 「『絶対にあきらめない』日本の技術力・人間力が世界を変える」

 政権交代の行われた民主党を中心とする政府が、事業仕分なるもので独立行政法人などの予算削減や組織縮小などに手を付けていた。独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)に関しても予算削減の対象法人であった。

 ところが、2010年6月13日、7年間に及ぶ60億キロの宇宙の旅を終えて地球に帰還した「はやぶさ」は、“惑星「イトカワ」”の微粒子を持ち帰っていた。この世紀の偉業もあって、現政府によるJAXAへの風当たりも弱まってきた。

 構想から10数年の時を経た2003年5月9日、ついに小惑星探査機「はやぶさ」搭載のM-V-5ロケットが発射された。この日、内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県)には、多くの人々がこのロケットの打ち上げを見守っていた。
 プロジェクトマネージャーの山口駿一郎教授を中心とするJAXAのプロジェクトメンバーは、これからはじまる小惑星探査機「はやぶさ」の壮大な宇宙の旅を固唾をのんで見守っていた。

 そして、2005年、ついに小惑星「イトカワ」へのタッチ・ダウンにトライするが1回目は失敗。帰還への時間が迫る中、プロジェクトマネージャーの山口教授の決断により、2回目のタッチ・ダウンにトライ・・・歓声が上がる。
 ところが、地球への帰還をはじめた「はやぶさ」に予期せぬさまざまなトラブルが発生

 多くのメディアからの非難の対象にもなり、さらに「はやぶさ」との交信が途絶えて行方不明になってしまった。そのことで、NASAからも受信アンテナの優先的な使用を拒否されるハメにも見舞われる苦難が続く。正にここからが、リーダーであるプロジェクトマネージャーの正念場とリーダーとしての素晴らしい決断が次々と展開される。

 懸命に「はやぶさ」との僅かな交信への手がかりを探るプロジェクトの面々、そして「はやぶさ」の所在を確認できる交信が可能となった。しかし、地球へ帰還させるためにはイオンエンジンのトラブルで出力が出ないことが判明。これは大変なことである。

 イオンエンジン開発にすべてを賭けたJAXAの藤中仁志教授と”NEC”の森内安夫技術者との葛藤が続く中、プロジェクトマネージャーの山口教授に一つの大きな賭けに委ねらざるを得ない決断が迫られることとなった。

 そして、何と、何と打ち上げから7年後の2010年6月13日、「はやぶさ」は60億キロの宇宙航海を経て小惑星「イトカワ」の微粒子を地球に持ち帰った・・・感動的な映画の場面である。

 この映画を通して、実によく辛抱し、粘り強く頑張る日本人魂を見ることができた。また、7年前、内之浦宇宙空間観測所にやって来ていたNASAの科学者は、余りにも貧弱な日本の設備(NASAの10分の1以下の予算)ながら、ここまでのことをやるのかと感嘆の言葉を述べていた。そしてそれを「ぼろ切れを纏ったマリリンモンロー」と表現・・・日本人の一人としてやりきれない気持であった。もっと多くの予算があったならと・・・。

 さらに、カプセルなどの試作品を手掛けた小さな町工場の技術力、その高さにも驚かされるとともに素晴らしさを実感できる。
 多くの科学者や技術者の知恵を結集したプロジェクトメンバーが、あらゆる困難を覆す心意気、時には意見の対立、言い争い・・・最後はリーダーがキチンととりまとめるところがさすがである。

 日本の針路のかじ取りをする我が国の政府には、リーダー不在から国益と国民の利益を守り拡大することのできない最悪の状況にある。この映画のように情熱と不屈の精神、決断のできるリーダーが政界に出てくることが望まれる昨今であると、改めて考えさせられた。

 それにしても「最新VFXでスクリーンに再現された、『はやぶさ』視点で見る神秘的な深宇宙が興味深い・・・」と評論にもあったが、映画の中に入り込んで観ている当方たちも神秘の宇宙の一角を垣間見る思いであった。(咲・夫)

[追 記]~あらすじ~
 2010年6月13日、7年間60億キロの宇宙航海を経て小惑星「イトカワ」の微粒子を地球に持ち帰った小惑星探査機「はやぶさ」。世界初となるその偉業を支えた人々のドラマを描く。
 主演の渡辺謙がプロジェクトマネージャーの山口駿一郎に扮し、「犯人に告ぐ」「星守る犬」の瀧本智行監督がメガホンをとる。はやぶさが地球から3億キロ離れたイトカワの地表に着陸し、岩石サンプルを持ち帰るという前人未到のミッションは、予定よりも3年延期になるアクシデントに見舞われ、ようやく打ち上げられた後も、エンジンの不良や燃料漏れなどさまざまな危機が続く。そうした困難の中、プロジェクトチームは、はやぶさを帰還させるため強く結束していく。
(出典:2012「はやぶさ 遥かなる帰還」製作委員会 抜粋)


(出典:2012「はやぶさ 遥かなる帰還」製作委員会)

にほんブログ村 シニア日記ブログ 団塊の世代へにほんブログ村

にほんブログ村 シニア日記ブログへにほんブログ村