その眉の憂ひ解きたし春泥に少年阿修羅のお顔拝めば
3月にリニューアルオープンした興福寺の国宝館に阿修羅像を見に行った。
今まではガラス越しの拝観だったが、今度は生のお姿を見れるようになった。
東京での国宝展はすごい人出だったそうだ。
去年の秋奈良へ帰ってから国宝館の工事中は別の場所で展示された。
その時は特別にお堂の模型が作られ生のまま拝観できると言うので、こちらも大変な人出だった。
見ようと9時半に着いたら1時間待ちで、それなら普通に見れるときまで待とうと思っただった。
多分子供の頃か若い頃見たきりで、その記憶が定かではない。
もしかしてあまりに深くイメージがあるので見たと錯覚しているのではないかと思う位。
何首も歌に詠んだ。
心の中に阿修羅像は深く刻まれていは実物を見なくてもいいくらいと思ってしまうほど。
しかし実際のお姿を拝見するとそれはもう素晴らしかった。
少年のような顔の眉を寄せた憂愁の表情が好きだったが、それよりも目が一番の魅力だとわかった。
涼やかで澄んだ眼には秘めた意志の力を感じた。
いつまで見ていてもその場を立ち去りがたい魅力を感じた。
ガラス越しと生で見るのとではまったく印象が違う。
仏像の中では阿修羅像が一番好きです。