海に吹く風

海の大好きな私
ここで皆さんとお話しましょう

日々思うこと、短歌についても書いていきます

『思い出』2

2010-04-21 13:03:32 | 短歌


すり鉢を持つのが役目胡麻を擂る母の手伝ひうれしかりしよ

私の好きな鰯のつみれ擂る母の手先を見つめてゐたり

故郷の海の名残に黒々と工場地帯の運河が続く

埋立地の彼方に海は去りゆきぬ与謝野晶子の詠ひたる海

沿岸のコンビナートにしろがねの石油プラント夜も眠らず

この長き海の不在を確かむるために歩みぬ埋め立ての地を

商店街の道を歩めば冷蔵庫用の氷を切る音のせり

故郷の海の硝子絵描かれたる木造駅舎は今も現役
コメント
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