六月の雨に打たれて紫陽花は夢二の女のようにうつむく
何のため生きてゐるのか問ふてみる光を知らぬ幼虫のころ
地の中ゆ這ひ出てみれば同じ闇羽化する枝をさがしさまよふ
せびらより割れてゆく夜地の中の記憶を白く塗りかへて 蝉
無防備な姿のままで薄翅の緑の消ゆるあかつきを待つ
２日前のこと。
４時半ごろお寿司を買いに家を出たら 道路の真ん中に何か昆虫のようなものが動いている。
よく見ると羽化前の蝉の幼虫だった。
幼虫が這い出るのは夜になってからなのに雨が降って暗いから勘違いしたのか。
両方とも家の擁壁しかないのにどこから来たのか？
少し離れた土手から来たのかもしれない、
道を横に進んで家の擁壁までたどり着けばそこにとまって羽化できるかもしれないのに、見守っているとセミはまっすぐ行くかと思うと方向を変え結局同じような場所をぐるぐるしている。
しばらく見ていてもだめなのでホウキを持ってきてそれにとまらせ、枝を登って羽化するのではと月下美人の鉢の中に入れた。 。
セミはしばらくうろうろして枝を登り小さい葉の裏側に止まった。
６時過ぎに見に行くと体を３分の２くらい殻から出てそり返っていた。
これも早い時間帯。
７時に見に行くと殻だけ・・・セミは下に落ちてた。。
ふつう下に落ちることはない。
４分の３くらい体が出ると再び頭をもたげで自分が出た殻につかまり、最後にお尻を抜いてそこにじっとして羽が広がり固くなるまで待ちつ・、
地中から出ていったいどのくらいアスファルトの道路をさまよっていたのか？
すっかり体力を消耗してしまったのだろう。
下に落ちてからも少しは移動してた。
そのうち家人が帰ってきてセミを月下美人の下のほうの枝にうつぶせにおいてやったが・・・
後で見に行くと鉢の土にあおむけに転がっている。。
もう助けようがない・・命があとわずか。。
次の日の朝まだかすかに足をたまに動かしていましたが・・死んでしまった。
それから別の場所・・洗濯物干し場の下にこれは羽化できないうちに死んでいた。
アリが来たのか細かい砂でおおわれていた。
今年は羽化する季節に雨が多くて土から出てくるタイミングが狂ってうまく羽化できない蝉が多いのだろう。
例年に比べてセミの抜け殻が少ない。
羽化を目撃すると生命の神秘を感じるが、羽化の途中で死んでしまったセミを見ると悲しい。。
この季節になると夜に庭に出て蝉が羽化しかけている蝉がないか探す。
初めて羽化を見たときそりかえって真っ白な体はグロテスクで私が抱いていたイメージとは少し違っていた。
しかし全部の体が出て薄い緑の透明の羽根が徐々に広がっていき体が茶色になっていくのは生命の神秘だ。
それで毎年羽化を観察したいと庭に出るのだが・・
翌朝になって抜け殻を見つけ、なんだここならよく観察できたのにと思うけれど、夜に見つけるのはむつかしい。
台風が去って晴れになったので昨夜も探してみたが見つからなかった。
どうも今年はセミが少ないようだ。
いつもなら抜け殻がどんどんたまるのに今年は台風前に3個見つけてそのあと増えていない。
台風の影響で出にくいのかな？
それとも卵が産み落とされた6年ほど前に蝉が何らかの理由で少なかったのか？
ちょっと寂しい。。
隣の空家の庭や近くの公園ではワンワンとうるさく蝉が鳴いているのに。
台風は倉敷～米子と近畿からは少し離れたコースをたどり台風では直積的な被害はなかったのに、その次の日に刺激された雨雲のため相当の雨が降った。
JRは新快速が２時間遅れの状態で運転していたが、夜遅く雨はひどくなり運休してしまったので午後１１時ごろ京都を出発した新快速が大山崎のあたりで立ち往生となり乗客は４時間も！車内に閉じ込められることになった。
電車が途中で止まると安全を確認するのに時間がかかりもう少し行けば駅なのにと思っても外へ出て歩くこともできず、長時間車内にいることになる。
車内は混んでいたそうで４時間も経っていたらもう疲労困憊である。
それにトイレだって行きたくなる。
新快速にはトイレが２か所あるから救われるが混んでいたのでそこまでたどり着くのが困難あるいは無理な状態だったらしい。
トイレが近いほうの私はこういう話を聞くと恐ろしい。
私は新快速に乗るときは長距離の旅なので乗る前にトイレに行くことが多い、
でも京都から大阪までなら行かないかも。
そしてダイヤの乱れは１７日夜だけではすまず、１８日はその後遺症でひどいことになった。
朝からJRは環状線、京都や神戸の路線兵庫の奥へ行く路線で運休して大混乱。
私鉄は大幅遅れでも運転はしていた。
朝買い物に行くとき駅を通ったら特急区間急行は運休と表示が出ていた。
そして普通にも遅れが。
JRに乗れなかった人がほかの私鉄に流れ、混んでいただろうな。
最近は台風の風よりも雨による被害のほうがはるかに大きい。
大型の台風１１号がちかづいている。
今の時点での予想は四国中国に上陸しそうである。
最初の予想よりはどんどん東に寄ってきているので近畿にもっと近いコースになる可能性も。
土曜日までは買い物にかなくても住むように食料は買っておいた。
昨日は１５日でスーパーの特価日で５パーセント引き。
いつもは５キロのお米を買うのにいつもの米がなかった、１０キロならある。
他の食料もたくさん買うので１０キロのコメを同時に買うのは無理、
車で行ったなら可能だが、買物カートで行くので入れる量には限度がある。
ということで猛暑の中もう一回買い物に行くことに。
本当はその時タオルケットと１００で園芸用棒も買いたかったが、タオルケットを買うのを忘れた。
それで・・もう１回行くことに。。
暑い割にはばてなかったけれど・・
月下美人は家の中に入れるのは無理だと思い一を玄関扉の近くまで移動し紐でしっかりくくった。
花芽が無事ならいいけれど。
とここまで書いて・・３回買い物カートを引っ張ったのも、月下美人の鉢を動かしたのも私ではなく家人でした。
昨日の新聞のお悔やみ欄にひっそりとあの『ドクトル・ジバゴ』のオマー・シャリフが心臓発作で死去したと。。
８３歳。
私はあまり映画を見るほうではないけれど、今まで見た中で『ドクトル・ジバゴ』が一番好きな映画だった。
多分これからも変わらない。
それからほぼ同率で中国映画『芙蓉鎮』・・これも文化大革命という歴史の残酷な流れに翻弄される男女の話、テーマは似ている。
『ドクトル・ジバゴ』主演のオマー・シャリフよりもヒロインのララが好きで、相当な思い入れがある。
それにはあの魅力的な「ララのテーマ」曲の影響が多少あるのかもしれない。
映画で鳥の眼で撮ったようなロシアの大地が浮かぶ、そのとき流れるのが『ララのテーマ』・・『ララのテーマ』は名曲だと思う。
そしてジバゴとララが暮らす氷の宮殿のような場面の幻想的な美しさ。
