五木寛之が長い休止期間ののち『青春の門』完結編を書き始めたとネットニュースで読んだのは1月ごろだった。
昔はこの小説とそれを映画化したものは一世を風びしたなぁ。
映画で織江役は大竹しのぶだったか。
私は小説の方を読んだかどうかも忘れてしまったが、ふと懐かしくなり『青春の門』を読み始めた・
それを8月初め8部まで読み終わった。
『青春の門』は筑豊編はよかった。
筑豊という男気のある世界を背景に少年が成長していく姿が魅力的に描かれていた。
しかし男性週刊誌に連載の小説で、段々とあらすじの興味だけで読ませるようになり、荒唐無稽なあらすじも多くなって来た。
青春成長小説から冒険小説になってしまった。
読みだした長編漫画が段々気に入らなくても結末は知りたいから読んでいただけだった。
8部の終わり・・信介がスパイ小説みたいな設定でパスポートも持たず数人のグループでシベリアに行き、信介一人がヨーロッパを目指すというところで終わっている。
果たして信介は無事ヨーロッパまで行けるのか?
完結編の構想ではアフリカまで行って独立運動にかかわる?或いは傭兵になる?・・これは単なる噂でどうなるやら。
ハードボイルド小説みたいなのをずっと読んできたので、今度はまったく作風の違う純文学を読みたくなった。
そこで私の一番好きな小説家・・赤江瀑 を読みだした。
赤江瀑はマイナーな作家だと思うので知らない人も多いのではないか。
作風を一言で言うと泉鏡花の世界にエロスと狂気の香りを強く振りかけたような小説。
主人公は芸術(歌舞伎・和の楽器・絵など)に魅入られて必然の破滅(自殺或いはそれに近い行動など)へ向かって突き進むというストーリーが多い。
ギリシャ悲劇にもちょっと似ている。
私が本当は持っている情念の世界とそれは一致する。
現実世界で実行に移せば破滅だが、想像世界ではそれは目くるめく世界なのだ。
短編も多いので図書館で次々借りては読んでいる。
あまりこの小説ばかり読んでいると現実世界から遊離しそうだ。
赤江瀑は数年前に亡くなられたそうだ、知らなかった。
今年は天気があまりよくなくて梅干しの土用干しができないまま、いつの間にか3日間晴れが続く日を天気予報で探す習慣も消えていた。
ふと思い出して天気予報を見ると昨日から月曜日までは天気がいい。
それで急遽梅干しを庭に出した。
今年の梅は触ったらとても柔らかい。
よく熟した梅に当たったから・・今年はうまくできるかもしれない
去年は手首の怪我で梅干し作りは休んだ。
おととしの梅干しは皮が固くてあまりいい出来ではなかった。
ずっと前から作っているのの何故うまくできなかったのかと思ったが、きっと梅があまりよく熟していなかったのだろうと思って今年は梅探しに時間をかけたのだった。
お盆は結婚してからは気を遣う時期であまり好きではない。
私の住んでいるところと夫の実家はあまり遠くはないので帰省して泊まることはないのだけは幸せだった。
義父が長男で叔父さん叔母さんが集まってくる。
お昼はお寿司を取っていたが会話を取り持つのに気を使った。
ただ私は自然体で自分をよく見せようとあまり思わないから他の人よりはストレスは少ないと思う。
義父が亡くなると叔父さん叔母さんは来なくなった。
義母が一人暮らしをしているところに義弟夫婦が帰省し私たちが行くというパターンになった。
買い物はうちがして持っていく。
前々日にお墓参り・掃除。
前日に仏間の掃除、お供え物のセット。
お坊さんが来る13日はお昼用のお寿司を買ってから実家に行き一緒に食事。
しかしお坊さんが来るのは順番が遅く午後5時過ぎ。
お昼ご飯を食べてからお坊さんが来るまでの4時間ほどが苦痛だったな。
義弟夫婦とはいろいろないきさつで親しくはないし義弟は無口なので話が弾まない。
高校野球を見ているしかない。
といっても義母の一方的な話を長時間聞かされるのも苦痛だった。
2年前義母が施設に入ると義弟だけが帰省した。
お昼はもう一緒にせず3時ごろ行くことにした。
そして今年義弟は今年はお盆に帰省しないということで私たちだけがお坊さんと会うことになり、まあ気楽。
このように段々と楽にはなったけれど、買い物掃除庭の手入れだけで結構大変。。
終わると心からほっとするなぁ。
で・・すぐにでもたまったストレスをほぐすために<旅>に出たいけれどジパング倶楽部は20日まで仕えない。
1週間は待たなければいけない。
大壁画を見事に無視し通勤の群れはずんずん前へと進む
この大壁画とは岡本太郎の「明日の神話」
これは広島・長崎の原爆の惨禍を描いたものと言われるが、渋谷駅(JR・京王線連絡通路)に置かれることなった。
この壁画が設置されて間もなく、東京へ行く機会があり見に行った。
しかし通勤客はみな忙しく前を向いて急いで歩いていて壁画に目を留める人はいない。
毎日通っていればそうだろうなと思いつつ悲しくなった。