海に吹く風

海の大好きな私
ここで皆さんとお話しましょう

日々思うこと、短歌についても書いていきます

藪椿

2012-04-30 05:55:34 | 日記
義父の葬式が終り家へ帰ってきたとき庭に出たら諦めていた藪椿が2つ咲いていた!
去年の秋に実を1個だけつけたままにしたせいか、それとも根からの栄養がいきわたらないためか、葉の色が悪く、12月ごろで来た蕾も成長が止まった。
その後も葉の色がどんどん黄色くなり枯れてしまうのかと心配していたから、花が咲いているのを見たときは飛び上がるほど嬉しかった。
色は薄く白が混じって形も痛んでいたが。
時期はずれたがちゃんと花を咲かせたので、木は生きているということだ。
しかも長い介護の生活が終った日に・・私を迎えてくれたのだと思った。
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2012-04-27 22:30:26 | 短歌

十二時に三つの針は重なりて柱時計が歌ひはじめる

天井の板をずらせば我の眼に確かにありし暗闇の国

実の中に石を宿して眠りゐる食卓の上の大いなる梨

シャッターの鎧をまとひ月光の糸くずさへも入らない家

蛇口から雫が落ちてトラップの誰も知らない湖が波立つ

テーブルにしづもる夜のスプーンの湖を見知らぬ影が横切る

ある一夜私に触れて過ぎ去りし風のかたみの桜花びら

生まれざるものの重みに横たはる取り出されたる鮭の卵は
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白梅

2012-04-27 08:31:39 | 短歌

嬰児の初めてひらく手のごとく日差しを浴びて白梅の咲く
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アクセル

2012-04-26 05:48:49 | 短歌

アクセルを踏み出すわれはたちまちに鉄の翼をまとひ飛び出す
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図鑑

2012-04-25 20:18:27 | 短歌

図書館の図鑑の中の鳥たちは翼をたたみ過去形のまま
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時の移ろい

2012-04-24 21:53:29 | 日記
21日に日付が変わって間もなく義父が亡くなった。
飲み込む能力が衰えると誤飲性肺炎を繰り返し防ぎようがないので今回は回復することが出来なかった。94歳だった。
最後の日病院に泊り込んで私と夫だけが最期を看取った。

その後は自宅に帰って仮通夜・通夜告別式と・・・村の風習の残っている地域で、地元主導の葬式が役員・幼馴染に教えてもらい滞りなく終った。
認知症で生活に支障が出て入退院を繰り返した3年・・外出もままならない生活が終った。

感情の部分は四十九日が終るまでは無理だろうと思う。
責任のある立場の人間は感情に浸っている暇もない・・実の父母の時もそうだった。
もっと後になればもっとこうしてあげればよかったとかいろいろ思うだろうが。。

新しい施設に移って1ケ月でまた肺炎になってしまったので、もうしばらく元気で施設での生活を過ごせたらよかったとそれは残念に思う。

2日振りに家に帰ってみればチューリップは盛りを過ぎ、アネモネ・シャガが咲き、諦めてた藪椿が今頃になって2輪だけ咲いていた!
花々が私を迎えてくれた。

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葉桜~『六月挽歌』黒田和美

2012-04-18 15:10:02 | 歌評

ありふれた言葉を括る言の葉の茂り過ぎたる葉桜並木

葉桜には「別れ」「ひとり」という言葉が似合う
花が終った後の葉桜はさまざまな思いを呼び起こす
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菜の花畑~『六月挽歌』黒田和美

2012-04-16 05:42:00 | 歌評

この世とは思へぬほどに時は逝き入日薄るる菜の花畑

桜月夜が妖かしの世界への入り口なら、夕方の菜の花畑はあの世への入り口かもしれない。

菜の花浄土という言葉があるように菜の花畑特に夕暮れの菜の花畑にはなにか吸い込まれそうな気配がある。
人は菜の花畑を見るとき過ぎ去った遠い過去を思い出したり、亡くなった人を思い出すのかもしれない。

この歌は『おぼろ月夜』の「菜の花畑に入日薄れ」を踏まえている。
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母への挽歌

2012-04-12 22:02:19 | 短歌
ふたたびの春を還らぬ君なれば命尽くして桜花咲け

桜花いたくな散りそたまきはる淡き命に触るる今宵は

うつそみも桜散りたり墨染めの衣まとひて君送る日に

ふりそそぐ桜花びら振り分けて葬送の列野辺を歩みぬ
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2012-04-11 08:54:49 | 短歌
 地の中のあまたの精を吸ひ尽くし桜咲くなり春の極みに

 ふれてみよと風にささやく山桜うすくれなゐの花芯さらして

 自らの放つかをりに酔ひしれて桜さくらは芯まで揺るる

 春の夜にあくがれいづる魂の行き尽くところ桜なるべし
 
 呪をはらむもの生まれくる春なれや美しき吐息の匂ふ花闇

散りゆける桜の幹を抱きしめて我もいきたし花闇の果て

たれか呼ぶ声聞こえたる心地して桜花びら浴びにゆく夜
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