海に吹く風

海の大好きな私
ここで皆さんとお話しましょう

日々思うこと、短歌についても書いていきます

一年の終わりに

2011-12-31 09:51:11 | 短歌

雪の舞う瓦礫の町を水仙の花束胸に歩み行く人

震災で家や仕事を失い、家族を失って悲しみにくれる人に心を届けるあるいは励ます共感する手段として歌(短歌ではない)やなでしこジャパンのようにスポーツで頑張ることや一緒にスポーツをすることなどが有効な手段だとTV報道を見ていて気がついた。
これに比べて短歌はどうだろうか?
歌やスポーツは一般的なものでありそれから何かを感じる素地が出来ており、メッセージを伝えたり気持ちを共有しやすい
個人の鎮魂の思いや被災者を励ます歌を詠うことができても短歌は一部の人の趣味であるために、それを読んだ被災者の方々が共感するのは難しいなと感じた。
勿論じっくり読んでいただけば真情を詠った気持ちは伝わるが、まず一般の方が短歌に触れる機会が少ない。
被災地に慰問に行って歌を歌ったり楽器を演奏して被災者の心を慰めることは出来るが、現地で心を込めて詠いましたと短歌を披露しても駄目だろう。
自作の詩を読み上げたら、気持ちが伝わるかもしれない。
何故短歌は駄目なのだろう?
詩に比べると短すぎる詩形だからかもしれない。
震災の被災者の方々に対して、短歌は何かが出来るのかそれが問われた1年だった気がする。

私の身に起こったことが大きすぎて鎮魂の歌がなかなか詠えなかった。
この1首のみ。
慰問に訪れた皇后陛下に壊れた家の敷地から摘んできた水仙の花束を渡した人がいた。
それからの着想。



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なんという年だったのだろう

2011-12-30 05:32:22 | 日記
日本を襲った大災害はいまだに現実のこととして受け入れられない。
これはTVの映像でしか見ていないからかもしれない。
阪神大震災のときと受け止め方が違うので、自分をちょっと責めたくなる。
一瞬の地震津波で人生を狂わされた人たち。。
1年前のお正月は幸せな時を過ごしておられたでしょうに。
少しづつ希望の持てる未来が開けますように。

個人的には・・人生最悪の年だった。
でも溜め込まないほうなので何とか生きている。
来年は何かいいことがあるだろう。
人との縁を大切に生きていこう。

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2011-12-27 20:20:25 | 短歌

須佐之男の叫ぶ声する枯れ原に雲そぐごとく浮かぶ三日月

舞い落ちるトウカエデの葉振り払い自転車で坂を一気に下る

降りそそぐ滅びの秋のくれないを桜の園にただ立ち尽くす

鋭角のメタセコイアの森の上に吊られたような冬の三日月

鉄橋の電車の窓を刺し通し午後4時半の夕陽が進む

生き延びることも疲れる冬に咲く琉球朝顔その青の濃さ
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魔法瓶

2011-12-26 08:22:11 | 短歌

魔法瓶あければ裡のしろがねにムンクのごとき顔が溶けゐつ
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クリスマス

2011-12-25 12:52:38 | 短歌

おおいなるもの宿らむと告げらるる聖母マリアはさびしき器

私にとって歌材としてのクリスマスはネガティブなイメージだ。
キリストが生まれそして死んでいった時代よりはるかに後世を生きる私たちはキリストが30代で十字架にかけられて死ぬことをあらかじめ知っている。
キリストが生誕しそれがめでたい事だとしてもわが子を抱く聖母マリアは子に先立たれる運命を持っていることを私たちは知っている。
聖母マリアにしか描かれないという青い衣は悲しみの色だ。
キリストは神の子であって、マリアとその夫の子ではない。
受胎告知されて子を宿すマリアは処女のまま。
つまりマリアはキリストを生む<器>として選ばれたにすぎない。
それなのに待っているのは悲しみだけ。
悲しみを背負うことを運命づけられた<さびしき器>
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クリスマスイブ

2011-12-24 10:37:40 | 日記
今年のクリスマスイブはクリスマス寒波となり、日本海側・北日本は雪模様である。
こちらは快晴で気温は低いものの風がないのでつらくはない。
今年のクリスマスを特別な思いで迎える方も多いことでしょう。
家族の絆を見直して家で過ごす人が多いとか。
被災された方にこのイラストのような温かいクリスマスが訪れますように
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愚かな母

2011-12-22 15:26:47 | 歌評
震災に関連した歌の推敲の参考にしようと角川短歌10月号を読んでいたら・・
「ディアスポラ」田中濯氏作

 逃げられる愚かな母と逃げられない愚かな母の棲みたるこの世

という歌が目に入った。

これは『歌壇』9月号に掲載されたという
俵万智の歌

 子を連れて西へ西へと逃げていく愚かな母と言うならば言え

を踏まえているのではないかと思った。
『歌壇』9月号が出るのは8月の後半だろう、『短歌』10月号に間に合う締め切りのことを考えるとぎりぎりか、もしかして私の考え違いか確かめられないが。
被災地に遭って放射能を避けるため母子だけで別の地に移り住む選択をした母と、そうしなかった母がいる。
家族別々になりたくないと思っって思い止まったり、また経済的にしたくても出来なかった人もいただろう。
もし田中濯氏が俵万智の歌を読んでいなかったら「愚かな」という言葉を使わなかったのではと思えてくる。
田中濯氏作は「逃げられる母」にどういう感情を持っておられてこの歌を作ったのか・・・判断するには私の意見が入ってしまって難しい。




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狂い咲き

2011-12-21 13:17:34 | 日記
数日前庭の連翹の花が1個咲いているのを見つけた。
連翹といえば花が咲くのは4月である。
そういえば花芽が最近めだってきていた。
いつもなら花芽を意識したのは3月ごろだった気がする。
少し前暖かい日が続いていたがそれを春と勘違いしたのだろうか?
そして今日は2個目が!
この分ではもっと咲きそうだ。、
狂い咲きはよくあることのようだ。
今年の冬は雪柳の花が真冬に少しだけ咲いていた。
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夢何有郷4

2011-12-18 15:26:41 | 歌評

<はだいろ>の今はあらざる絵の具箱さむしも文具店ひるさがり

クレヨンの肌色の絵の具がなくなった・・正確には肌色と呼ばずに他の呼び方になったと知ったのはごく最近のことだった。
これは<肌色>という呼称が世界にはいろいろの肌の色の人種がいるのに一つの色を<肌色>というのは差別ではないかというある教師の提言からこのことについて論議があり、クレヨン製造メーカーでは<肌色>ではなく<ペールオレンジ>とか、<薄橙色>とか表示するようになった。
あの<肌色>は美しすぎて、絵を描くときそのまま使うと日本人らしくない。
肌色に白を混ぜた色はルノアールの描く女性の肌色だ。
西洋人種への憧れが混じった理想の色が<肌色>だったのだと思う。
<肌色>をなくしてしまう対応は、どこか放送用語や文書などに差別用語を神経質に排除するやり方に似ているが。。

この歌はこの<肌色>をなくした動きを踏まえての歌。
それを理解しないと「さむしも」の感覚がわからないだろう。
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夢何有郷3

2011-12-17 20:23:28 | 歌評

五十六億七千万年のちにして救うべき世のありや昼月

これは夢何有郷2の歌と対を成す歌。
弥勒菩薩は五十六億七千万年後に兜率天から下生して釈迦如来の教えに漏れた衆生を救済するという仏である。
そのときに人類はまだ生き残っているのか?
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