どれだけの別れを重ねてきたのだらう桜は次の春に会へても
かの友と食べし花見の弁当に落ちし花びら今も忘れず
その友とはいろいろなところへ行った。
いつも私が旗振り役だったけれど。
ある時からおかしいなと思いことが増えた。
約束の時間に遅れて来て地下鉄からの出口を間違えたとか、同じ話を繰り返したりとか。
八幡市の背割りの桜を見に行ったが、友と桜を見に行くのもこれが最後かもという予感があった、
堤に座ってお弁当を食べていると桜の花びらがお弁当に落ちた。
忘れられない出来事だった。
高層のマンション群へ変はりたる団地に残る桜はひとつ
私のかつて住んでいた団地には桜がいっぱいあった。
道路の境は並木になっていた。
団地が老朽化もあり高層のマンションに生まれ変わった。
桜はほとんど切られてしまった。
中央の広場に数本残されたらしい。
私はマンションになる前に底を離れたのでその桜は見ていない。
その桜も寿命が来て切られてしまったかもしれない。