日常の歌

ゴムシートの隙間からでも草が生え空き地は５年買われぬままに

いくつかのオープンハウスの日を重ね法高き地の豪邸売れず

まだ売れぬ豪邸の門開かれて植木屋たちの入り行きたり

あの家もこの家もそう老親が子に引き取られ空き家となりぬ

ひしめきて割れる音立て空き瓶はゴミ収集車の口に消えたり

雀らが隣家の屋根に並びだしそろそろ餌と催促をする

よしよしと夫は米粒まきにゆく隣家の屋根に雀を見つけ

雀らもおせちを食べに来たるらし土間に零るるしめ飾りの稲

人の知らぬ言葉で風と話す声丘のオブジェの振り子が揺れる

むき出しの肩甲骨も踊りおりエアロビクスのリズムに乗りて

スタジオはボクササイズでボクサーに成り切る人が何人もいる

うつぶせに岩盤浴の床に寝て薄きバストは行方不明に

水飴

昨日スーパーで水飴を見つけて懐かしくてつい買ってしまった。
子供の頃駄菓子屋さんで、割り箸にくっつけた水飴をたまに食べるのが楽しみだった。
他に上等なお菓子はあまり食べたことがなかったから、とてもおいしいものと思っていた。

さて家に帰って割り箸でからめてみると・・・くるくる早く回さないと落ちてしまう。
え！こんな濃度だっけ？
もっと濃かったような気がしていた。
味も薄いような気がした。
これは多分上等な水飴でなかったのと（調味料みたい、安すぎた）子供の頃の記憶は美化されるからだろう。
ブタの角煮やきんとんには水飴を使うからそれに使ってもいいなと。

今日ふたたび食べてみたら、昨日よりは水分が蒸発したのか濃度は増している。
ああ、こんな味だったのだ。

干し柿

ゆつくりと甘味に変はるまでを待つ干し柿が抱く陽の暖かさ

マンゴー

身をそらし隠すものなどもうないと皿にふて寝の完熟マンゴー

１週間遅れのバレンタインチョこ

昨日義父が入院してドタキャンになった友人との約束を１ケ月遅れで果たした。
家の近所で会ってもらった。

友人がチョコレートをプレゼントしてくた。
友人は私ともう１人の友にバレンタインチョコを送りたいと思って、もう１人の人には郵送で、私には看病で忙しくしているから郵送にすると返事をしたりするのも大変だろうと今度会った時に渡すためおいておいてくれた。
お目当てのバレンタインの特別なチョコは店頭は売り切れだったから普通のにしたと言っていたが、開けてみたらがおいしそうな上等なチョコだった♪
バレインタインは人に送ることはあってもいただいたのは初めてで、何より友人の心遣いが嬉しかった。
疲れた１ケ月に対しての一番の労いのプレゼントになった。
当分はお菓子に不自由しない・・食べすぎないようにしなければ

淡雪

朝起きてみれば芝生にまだらまだらに雪が積もっていた。
まるで砂糖をまぶしたお菓子のよう。
空を見れば左側の三日月が剣のように鋭く光ってい。。
夜明けまもない薄青の空に丘の縁だけが薄い茜色・・・
冬枯れのメタセコイアが影絵のように見た。
カラスかムクドリが鉤型の群れになってに飛んで行った。
美しい光景だった。
空の色は刻々と色を変え薄いオレンジ色になっていった。

退院そして入所

義父は去年の秋から急に体調がおかしくなり足も立たなくなった
今までいたグループホームは介護度が上がっていつまでも居られない。
同じ施設の老健は審査があるからどうなるか解からないと言う言い方・・・
しかもそちらのほうの職員は露骨に手のかかる義父は引き受けたくないという態度だった。
といって別の施設を紹介したり教えてくれる訳でもなく？？の対応だった。
介護関係者ならせめてこんな選択肢がありますよと教えられるはず。
特養は順番待ちで入るのは難しい。
そんなところへ義父が軽い肺炎で入院。
このまま入る施設もなく最悪在宅？？
追い詰められた状況になった。

どこかが見つかるまでいったんグループホームに帰えれるとは言ってもらったが、あくまでしばらくの間。
食事を対応してくれるかはわからず誤飲が一番心配だった（そこから肺炎になる）。
そんな状況で、介護付き有料老人ホームを自力で探し始めた。
ラッキーなことに空きが一つあるというホームに早速話しを聞きに行った。
義父の状況を説明しただけで多分ＯＫですといっていただいて夢のようだった。
それからは退院したとき直接新しい施設に入れるように書類や収納家具など整えた。
施設も迅速に対応してくれた。
最近近辺でも老人ホームがたくさんできて競争になっているらしく・・・以前よりは入りやすくなったのみたいだ。
昨日退院し、施設の車が迎えに来てくれて施設へ直行。
通院も施設の人が付き添ってくれ、今までのように家族が付き添わなくていい。
常駐の看護師もいる。
何もかも今までの施設よりも細やかで安心だ。

Ｐ．Ｓ
義父は入院中に病気が治るのと平行して足の力が随分回復した。
全体重を抱えてもらわなければ移動できなかったのに、手をどこかに置けば立ち上がれる。
しかし元気になった分、認知症の精神不安定症状が夕方から出ると暴れているらしい、
足で壁を蹴って電気スタンドがはずれたと看護師さんが言っていた。
足が回復したのが嬉しいような、困ったような・・複雑、、

椿森

伊邪那岐を追ふ鬼のごと枝伸ばし椿の森はほとほと冥し

老いること許されぬ花またひとつ落ちて椿の森となりたり

森深く椿はつねに乙女子の貌したままに降り積もりゆく

椿森抜けたる道の果ての果ていま生れしごと海は美くし

生き急ぐ我をしかつてゐるやうに岬の波は激しさを増す

椿

岬へとひとりゆく道　紅椿落ちたるのちの森の静けさ

豚汁

豚汁は「ぶたじる」と言うのか「とんじる」というのか？
中に入れる具も作り方もいろいろのようだ。

私はつい最近まで豚汁（ぶたじる）はこういうものだと思っていた。
大根・にんじん・こんにゃく・薄上げは小さい千切りにしそれにサツマイモの輪切りも入れる。
具はやや大目だがあくまで味噌汁の一種。
随分前ＰＴＡの行事で豚汁を作ったときも同じ作り方だった。
むしろ野菜の切り方が私の作るのよりも細かかったくらい。

ところが最近豚汁のちゃんとした作り方を調べようとネットで検索してみたら。。
出てくるのは具が大きくて味噌汁というより汁を張った煮物といった感じのものばかり！
作り方も具や豚肉を油でいためてから煮る。
ウ－－ンこれのほうが普通だったのか？
私の作っていたやり方はまったく出てこなかった。
私の作っていたのは大阪の限られた地域だけのこと？・・
いいえ、子供の頃からこういう作り方だったけれど。。

私の作る豚汁ではサツマイモを入れるのがおいしい。
しかしネットで出てくる豚汁ならサトイモが一番おいしいだろう。
いつだったか豚汁論議になって、私はサツマイモ、ある方はサトイモと言われて何故サトイモなのかその時はよくわからなかったけれどやっと納得。
いためて煮るやり方ではサツマイモは不適。

最近はいためて作るやり方でおいしい作り方をＴＶで覚えよく作る。
今日は雪がちらついている、朝から豚汁を作っておいた。