つながるる桜桃ふたつそのままに口に含みてもてあそぶ夜
種ばかり大き枇杷の実食むときにふとよみがへる身ごもりしころ
真夜中に開く葡萄の瞳に映る諍いのあとの白きテーブル
傷ものとして捨てられた桃の実をあの日ひそかに触れたのはだれ
落ち梅の甘き香りのただよへり棲む人のなき家の庭から傷
もう区切りつけなさいねと花が言ふ花びら我の肩に落として
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