今月22日の3,4,5時限に,ゼミの卒論発表会(審査会)を開催しました。2,3,4年生全員が集まり,4年生の卒論発表を聞いて,審査する会です。10名の4年生のうち,提出延期者と書き直し対象者を除いて,7名に発表してもらいました。通常授業時間中に開催したので,3,4時限では他の講義受講のため途中席を外す学生がいましたが,最終的にはほとんどの学生が出席しました。
一人20分の持ち時間で次々発表し,それに対して出席者は10点満点で採点しました。発表者も自分以外の発表に対して採点しました。採点の基準として,テーマが具体的か,調査が徹底しているか,論理的な構成になっているか,データ等の根拠を示して提案や仮説検証がなされているか,独自性があるかの5つを掲げました。
最高評価を得たのは,岸桃子「博多地区開発における阪急百貨店進出の影響」でした。これは,夏にシンクタンク九州経済調査協会で研修を受けた際に行った調査に基づいた卒論です。今年博多駅開発に伴い駅上に進出した阪急百貨店について,地元で話題を呼んでいる集客力の要因を調査・分析して,博多地区における影響を考察しています。さらに,駅上百貨店の宿命である来店客の買い上げ率の低さを指摘し,今後の課題としてその改善策について,大丸百貨店等の先行事例から考察しています。
文献調査,ヒヤリング調査,観察調査などの手間をかけた調査を行ってきたこと,明快な論旨を展開したことが高評価につながりました。岸の卒論は学部優秀卒論賞候補として学部に届けます。
例年と比べ,ほとんどの学生はプレゼンを上手に行ってくれました。数万字の卒論を縮約してわずか20分にまとめて,分かりやすく主張を展開することは実に難しいことなのですが,何とかこなしてくれました。今回はA4用紙1枚のサマリー・レジュメを作成してもらったのが良かったようですが,プレゼン能力は2年次に比べるとみな格段に向上しました。
しかし,色々課題もありました。後輩たちが寄せたコメントを紹介することで,その課題をあぶりだします。
「全体的に見て,テーマも具体的で調査もよくされていたのですが,仮説が本当にそうなのかと疑問に思うところが多く,結論もあまり明確ではなかったと思います。」
「全体的に根拠が弱い。事前の調査はみな素晴らしかった。最後につながらなかったのが残念。」
「マーケティング・インカレと比べて,内容が全体的に不足しているように感じた。多かったのが,タイトルとは異なった展開や調査が不十分な卒論。」
「発表テーマの着眼点は独自性があってよかった。しかし,仮説から結論までの説明が足りず,いまいち納得できないものが多かった。」
以上は私が感じた課題をそのまま照射しています。今回はみな以前うちのゼミでも見られた「調べて終わり型」卒論を脱却してくれています。アンケート調査やヒヤリング調査などの1次データ収集も何とか実行してくれました。しかし,独自の提案をしている場合,それを支える根拠をうまく提示できず,説得力のない発表をしてしまっています。根拠は,数的データだけでなく,定性的データでも構いません。それらの収集と整理が不十分でした。また,ビジネス系の研究発表ではケーススタディーが重んじられます。似たような状況下にある成功事例から類推して主張を導くということをもっとやってもらえればよかったと思います。
説得力のあるプレゼンテーションは社会人になってからも必須の実践項目です。4年生は卒業にあたって,以上の課題を認識して欲しいとも思います。また,以上のようなコメントを寄せた後輩たちには,そのコメントを自分の課題として,今後研究発表や卒論に取り組んで欲しいと思います。
一人20分の持ち時間で次々発表し,それに対して出席者は10点満点で採点しました。発表者も自分以外の発表に対して採点しました。採点の基準として,テーマが具体的か,調査が徹底しているか,論理的な構成になっているか,データ等の根拠を示して提案や仮説検証がなされているか,独自性があるかの5つを掲げました。
最高評価を得たのは,岸桃子「博多地区開発における阪急百貨店進出の影響」でした。これは,夏にシンクタンク九州経済調査協会で研修を受けた際に行った調査に基づいた卒論です。今年博多駅開発に伴い駅上に進出した阪急百貨店について,地元で話題を呼んでいる集客力の要因を調査・分析して,博多地区における影響を考察しています。さらに,駅上百貨店の宿命である来店客の買い上げ率の低さを指摘し,今後の課題としてその改善策について,大丸百貨店等の先行事例から考察しています。
文献調査,ヒヤリング調査,観察調査などの手間をかけた調査を行ってきたこと,明快な論旨を展開したことが高評価につながりました。岸の卒論は学部優秀卒論賞候補として学部に届けます。
例年と比べ,ほとんどの学生はプレゼンを上手に行ってくれました。数万字の卒論を縮約してわずか20分にまとめて,分かりやすく主張を展開することは実に難しいことなのですが,何とかこなしてくれました。今回はA4用紙1枚のサマリー・レジュメを作成してもらったのが良かったようですが,プレゼン能力は2年次に比べるとみな格段に向上しました。
しかし,色々課題もありました。後輩たちが寄せたコメントを紹介することで,その課題をあぶりだします。
「全体的に見て,テーマも具体的で調査もよくされていたのですが,仮説が本当にそうなのかと疑問に思うところが多く,結論もあまり明確ではなかったと思います。」
「全体的に根拠が弱い。事前の調査はみな素晴らしかった。最後につながらなかったのが残念。」
「マーケティング・インカレと比べて,内容が全体的に不足しているように感じた。多かったのが,タイトルとは異なった展開や調査が不十分な卒論。」
「発表テーマの着眼点は独自性があってよかった。しかし,仮説から結論までの説明が足りず,いまいち納得できないものが多かった。」
以上は私が感じた課題をそのまま照射しています。今回はみな以前うちのゼミでも見られた「調べて終わり型」卒論を脱却してくれています。アンケート調査やヒヤリング調査などの1次データ収集も何とか実行してくれました。しかし,独自の提案をしている場合,それを支える根拠をうまく提示できず,説得力のない発表をしてしまっています。根拠は,数的データだけでなく,定性的データでも構いません。それらの収集と整理が不十分でした。また,ビジネス系の研究発表ではケーススタディーが重んじられます。似たような状況下にある成功事例から類推して主張を導くということをもっとやってもらえればよかったと思います。
説得力のあるプレゼンテーションは社会人になってからも必須の実践項目です。4年生は卒業にあたって,以上の課題を認識して欲しいとも思います。また,以上のようなコメントを寄せた後輩たちには,そのコメントを自分の課題として,今後研究発表や卒論に取り組んで欲しいと思います。
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