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愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

卒業をお祝いします

2025年03月15日 | 運営
「最初の仕事はくじ引きである。最初から適した仕事につく確率は高くない。しかも,得るべきところを知り,向いた仕事に移れるようになるには数年を要する。」

本日卒業するゼミの4年生(卒業生)にはこの言葉を送ります。ドラッカーが語った名言です(ドラッカー,P.F.(上田惇生訳)『仕事の哲学』ダイヤモンド社,2003年)。

ドラッカーは著名な経営学者・社会生態学者です。ゼミ生はその名前を一度は聞いたことがあるでしょう。ただその著作を読んだ経験はないかもしれません。大変著名なのですが,理論体系を示したり,実証的な研究を進めたりしたわけではないので,大学の授業で扱われることは稀です。しかし,その著作や言葉が実践的な示唆に富んでいるので,多くの実務家に好まれています。

就職内定を獲得するために,何か月かかけたはずですが,その間企業や仕事を表面的に見ただけで応募し,自分の職業的能力も十分検討しないうちに,就職活動が終わってしまった卒業生が大半でしょう。仕事の性格や働き甲斐,自分の職業的適性は実際に働いてみなければ分からないのです。よく,新卒者の職場におけるミスマッチが話題になり,それをいかに防ぐかということが企業側,学生側双方に重要であると唱えられていますが,ミスマッチが無くなることはありません。インターンシップに参加してみても,正社員とは立場が違うため,仕事の本質をつかみ取ることはなかなか難しいでしょう。

最近出版されたドラッカーの解説書(井坂康志 『ピーター・ドラッカーマネジメントの父の実像』岩波書店,2024年)を読むと,オーストリア生まれのドラッカーが,貿易会社見習い,証券会社のアナリスト,ジャーナリストなど様々な仕事に就き,試行錯誤を繰り返し,ようやくアメリカにおいて学者としての地位を築き上げたことが分かります。ドラッカー自身何年もかけて向いた仕事をやっと見つけ出したのです。

卒業生の皆さん。最初の仕事はくじ引きでたまたま当たったものなのです。ミスマッチがあって当たり前。ただ,与えられた仕事をすぐに投げ出さないでください。まず真剣に取り組んでみて,その仕事の性格や働き甲斐を観察して実感ください。自らの適性も実感を持って見極めて下さい。実感する間もなく仕事を投げ出せば,自分に向いた職業を選択するための参考事例にすることができません。職場ローテーションや転職を経験しながら,何年かかけて,試行錯誤してください。いずれ,活躍の場を見出すことができるでしょう。何年か後,大学キャンパスや同窓会の場で試行錯誤を語ってください。
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