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目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

田部井さん追悼

2016-10-22 | 山雑記

エベレストを女性で始めて登頂した登山家、田部井淳子さんが10月20日77歳で亡くなったというニュースが今晩日本中を、いや世界中をかけめぐった。非常に残念だ。ガンから回復したという元気な姿を、つい先日「徹子の部屋」で見たばかりだったのに……

つい最近までNHKの登山番組に出演し、ニコニコと笑顔をふりまき、山の魅力を視聴者に丁寧に語っていたのは印象的だった。あの笑顔を二度と見られないかと思うと胸が痛む。

NHKさん、追悼番組をつくってくださいね。
心からタベイさんのご冥福をお祈りいたします。


当ブログの田部井さん関連記事:
『タベイさん、頂上だよ』
http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/e42bb74687e08ecdbc88621322e4a880
『私には山がある』
http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/ced2737070cbf6aca4f8b83168b5f831/?cid=68ea91d587577709cf5f778451992693
見逃した「山番組」をDVDで!
http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/ad2e501f33c21ad04c5bf80dcde1f986

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大朝日岳・羽黒山Part2~大朝日岳前日&当日、県道289号の恐怖

2016-09-21 | 山雑記

9月8日(木)羽黒山から下山し、山の神と山菜蕎麦で腹がくちた後、本日の宿、Asahi自然観へと移動を開始した。最初の計画では、寒河江まで行ってスーパーで買出しをする予定だったのだが、庄内あさひIC辺りまで来ると、町が開けている。ヤマ勘で進んでいくと、食料品も売っているドラッグストアを発見できた。これならもう、わざわざ寒河江まで足を伸ばす必要はない。無事買出しを済ませ、カーナビの目的地にAsahi自然観を設定すると、到着16:30みたいな遅い時間が表示された。そんなことはないだろうと、自分の勝手な解釈で全否定して、高速には上がらずに国道112号を突き進んだ。そのうち天気予報どおり、小雨から本降りの雨になる。

湯殿山ICのところで、前の車も後ろの車も高速に吸い込まれていった、とそのときは思った。後から、間抜けなことに、われわれだけが、くねくねと折れ曲がった旧道に入っていったとわかった。だいぶ遠回りをして、県道27号に入る。交通量は極端に少ない。そのうちさらに雨脚は強くなり、気分はかなりダウンしていく。

やがて、山の神が最初に大朝日岳の前泊にいいんじゃないかと提案していた、朝日山の家の前を通過する。買出しができないだろうと、ここはパスしてしまったのだが、今となってはこちらのほうがよかったと臍をかんだ。どしゃぶりの中、集落もなくなり、大規模林道に入っていく。名前のごとく、2車線もある立派な舗装道だ。ちょうど伐採しているらしく、あちらこちらに伐採した丸太が積み上がっている。1台だけ、丸太を満載したトラックとすれ違った。

少し行くと、古寺鉱泉(大朝日岳への登山口;ここから私と山の神は登った)への分岐に出た。さあ、明日のために時間を計っておこうと、時計を見る。ここから宿までどのくらいかかるのか。Googleのルート検索では、1時間以上かかることになっているが、距離からいけば、そんなにかかるわけがない。もしや未舗装路なのか。戦々恐々としながら、交通量ゼロの広い道を行くと、突き当たりで右が朝日鉱泉、左が木川ダム・Asahi自然観方向という県道289号に出た。左折すると、それなりに道幅があって、安堵。しかし、それはすぐに裏切られた。くねくね折れ曲がり、徐々に道幅は狭くなる。しかも樹林帯で、どしゃぶりだから、見通しがまったくきかない。ヘッドライトをつけ、そのうちハイビームにして慎重に走る。ダムを越えると、左側が岩壁、右側が切り立った崖というすごいところに出た。こんなところで対向車が来て、延々バックするのはごめんだ。来るなと祈りながら走る。Googleマップでは、道幅が太く表示されていた場所だが、とんでもない。実際はかなり細い道だ。最後ゲートまでの数百メートルがまたひどく細く、冷や冷やしながら通過した。

古寺鉱泉への分岐から20分くらいでAsahi自然観(右上写真:9月9日早朝撮影)に到着した(16:00頃)。まあ、時間はそれほどかからず、いいとしても、明日の朝、雨量制限でゲートが締まるということはあるのだろうか。宿のスタッフに尋ねると、ゲートが締まるということは、まずありません。でも、あの道を通るのはやめたほうがいいですよと真顔で言われる。かなり遠回りになるが、大江の町を経由したほうが無難といわれる。そういわれても、さっきそこを走ってきたのだし、厳然とそこに道路があるのだから。

翌9月9日(金)早朝、宿のスタッフの言葉が頭に引っかかっていたものの、それを振り切り、前日どしゃぶりのなかを走った県道289号にあえて突入した。対向車よ来るなと祈りながら、バリバリ走っていく。この時間帯に対向車が来る可能性は極めて低いはずだが、可能性はゼロではない。昨日同様ヘッドランプをハイビームにして突き進み、無事危険地帯を通過した。

しかし、この日の午前中に山の神が重大なことを思い出した。「やっちまったよ」と悲鳴のような第一声。宿にケータイを忘れたのだ。コンセントが冷蔵庫周りにしかなかったため、そこで充電したまま、置き忘れたのだ。ということは、あの道をもう一度走ることになるのか。あるいは迂回、大回りして行くか。結局山から下りた9月10日にもう一度ここを通ることになった。大回りするなんて時間の無駄だし。そのときは、ジモティらしき車3台とすれ違った。ラッキーなことに、3台とも広い場所で行き交うことができた。どしゃぶりの夕方と小雨の早朝という見通しの悪い環境ではなく、お日様が照る中での走行は、過去2回に比べ、ずいぶんマシだった。

県道289号を車で通ろうと考えている方、十分に気をつけてください。

大朝日岳登山へつづく
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山行計画書はどこまで書くか?

2016-07-11 | 山雑記

 十文字小屋に張り出されていた「生ビール」広告

2008年に甲武信を訪れた際、下山は11:50に毛木平で、まあ、ほぼ予定通りだった。これで早く帰れるぞと勝手に思い込んでいたのだが、それは大きな間違いだった。温泉に浸かってくつろぎ、昼飯に焼肉を食べ、のったりと移動し渋滞にはまり、結局帰宅までに6時間半を費やしている。

このときの山行記録の最後に、こう書かれていた。「教訓、帰宅までの計画をつくる」。そうなんだよね。この頃は、計画書といえば、下山まで。電車山行なら、帰りの電車の時刻を何通りも調べておくけれども、マイカーだと、下山の時間までしかつくっていなかった。それがずるずると遅くなる原因だった。

渋滞なしで帰宅までおおよそどのくらい時間がかかるのか、そして渋滞は? そこまで調べてはじめて山行計画書は完成なのだ。とくに何時くらいまでにここを出ないと渋滞に巻き込まれるとわかっているのと、わかっていないのとでは、雲泥の差になる。とくに温泉に浸かって帰ろうというときは、きびきびと汗だけ流して、すぐに帰ったほうがいいのか、どうせ長々と渋滞にはまるのだから、ゆっくりでもいいとか、事前にわかっていたほうが断然いい。

また帰宅の時間をある程度出しておけば、家飲みにするか、外でジョッキを傾けるかの選択もしやすいというものだ。ここでお気づきになっただろうか。冒頭の写真の意味。ビールタイムをきちんと割り出しておけば、ハッピーアワーかもしれないということ!

参考
渋滞予測カレンダーhttp://www.drivetraffic.jp/map.html?t=p&pmode=cal

 

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山手線の怪

2016-05-03 | 山雑記

つい先ごろ、『山怪』というベストセラー本を読んだ。読むまでは、実際にあった怖い話をたくさん味わえるだろうと、いやが上にも期待感が高まっていた。もちろん、このブログでとり上げようと思っていたのだが、読了して気が変わった。狐火や人魂の類がやたら多く、短い目撃談を何の検証もなく(なくてもいいのかもしれないが)、書き連ねてしまっているから、なにか同じ話が連続して出てきているような錯覚にとらわれたのだ。冗長な感じがして、だいぶしらけた気分になってしまった。狐にばかされた話まで出てきて、さらにボルテージは下がった。また著者がこれらすべてのケースを、心底事実であると信じているような書きっぷりもまったく賛同できなかった。

極めつけは、不思議でもなんでもないカーナビの怪異話(?)が何話か挿入されていたこと。決定的にこの本を評価できないという思いに至った。カーナビにしたがって、車を走らせたら、山の奥深くに誘導されそうになったというのだが、たんに精度が低く、低機能な旧式カーナビというだけでしょう。私の車にデフォルトで付いているカーナビも似たようなものなので、まったく不思議ではない。

注:ここから先は、完全なネタばらし

唯一すごかったのは、白山の山小屋のエピソード。話はこうだ。登山道整備の作業員たちがその日の仕事を終えて、今宵の宿となる山小屋に向かう。徐々に悪天になっていく中、山小屋にたどりつくと、なんと扉が開かない。なんとか強引にこじ開けて中に入り、助かったと腰を落ち着けてご飯を食べ始めるのだが、やがて鈴のような音が近づいてくることに気づく。雨風でよく聞き取れないが、近づくにつれ、それは修験者や修行僧が使う錫杖だと判明する。近づいてきた錫杖の音は、山小屋の前でぴたりと止まる。中に入れてあげればいいものを、作業員のなかでだれも立ち上がるものはない。すると、錫杖の音が小屋の周りをぐるぐるとまわりだした。作業員たちが硬直していると、ふいに音が途切れ、立ち止まったのかと思いきや、今度は屋根をどんどん激しく踏みつける音とともに錫杖の音が鳴り響く。作業員たちが凍り付いていると、突然、あの固く閉じていたはずの山小屋の扉がバーンと開いた。恐怖と勢いよく吹き込む雨風で誰も顔を上げることができなかったという。

読んでいるときはスリリングで、かなり怖かった。しかしこれって、鈴をつけた飼い猫かもなと後から思ったりした。

前フリが異常に長くなってしまったが、こんな読書体験をしたせいか、山手線で見てしまったものは、本当にこの世のものなのか、自分を信じられなくなってしまった。それを見たのは、5/2(月)である。連休の狭間の出勤日で、有給をとっている人や会社自体がお休みの人もいて、車内はけっこう空いていた。某ターミナル駅で、山手線の車両に乗り込み、優先席付近のつり革につかまった。すると、隣の車両からわざわざ扉を開けて、こちらに移動してくる人がいた。移動してもどうせ座れないよと思っていると、後ろを通る気配がない。あれっと思って振り返ると、車両の連結のところに20代と見える女性が立っていた。なんでそんなところにいるのだろう。

それから何駅か通過し、優先席に座っていた乗客が一人降りた。私は次で降りるので、今さら座るつもりはない。そういえば、さっきの女性は座らないのかと、振り返ると、異様な姿が目に入った。ちょうど連結部のヒダヒダのところに体をすっぽり埋め込んで、顔を伏せ、膝を抱えていた。状況から見て、明らかに先ほどの女性だ。一瞬見てはいけないものを見たような気がした。そして次の瞬間こう思った。この姿は、私以外の人にもちゃんと見えているのだろうか。こんな疑念をもったのは、この『山怪』のせいかもしれない。

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阿蘇番外編~パワースポット押戸石の丘

2016-03-29 | 山雑記

2008年5月6日(火・祝) 晴れ 

前日は、あいにくの雨で、山登りは中止。翔平窯を見学したり、お土産を買ったりの観光だった。そしてお宿は、山川温泉の花柚(はなゆう。部屋数は多くなく、落ち着ける小ぢんまりさがいい。ゆったりと湯に浸かれ、ごはんもおいしいし、コストパフォーマンスもいいと非の打ち所のない宿だった。

その宿のスタッフが、山の神がぜひとも行きたいといっていたパワースポット、押戸石の丘をネットで調べてくれた。その情報を頼りに、車を走らせる。国道212号を小国方面から進み、第一赤馬場橋のところを右へ。行き止まりと出ている農免道路に入る。比較的新しい道で周辺に何もないのだが、なぜかところどころに車が停められていた。何だろうと観察しているうちに、山菜採りだとわかった。ちょうどそういう季節だしね。

 
左:押戸石の丘に到着 右:石はこの丘のいたるところに配されていた

少し進むと、押戸石の道標が出てきた。左の細い道に入っていく。デコボコのところもあるが、辛抱して走っていくと、ベンチが置かれた駐車スペースに出た。そこに車を置いて、なだらかな丘を登っていく。有刺鉄線沿いにもうひと登りすると、巨石群が現れた。

その昔、祭祀に使われたと伝わる巨石が点在している。ペトログラフ(シュメール文字)が彫られているというが、まったくわからなかった。ただ不思議な空間であるのは間違いない。磁場に異常があるようで、コンパスが正常にはたらかない。一説には、こうした場所が、祭祀場に選ばれるという。その特殊な環境を敏感に感じ取るのが、祭祀を司る呪術師なのだろう。


奥に根子岳。メルヘンチックな風景

押戸石の丘からは奇観を望める。奇観というよりは、メルヘンチックな童話の挿絵ふうとでもいったほうが、しっくりくるかもしれない。誰かがこの風景をモチーフに絵を描いていたんじゃなかっただろうか。

  
左:押戸石の丘の麓にキャンピングカー。こんな場所でのキャンプは気持ちがいいだろう 右:古墳のような押戸石の丘

212号に戻って、大観峰へ移動する。すごい人出ではあるが、車はすんなりと停められた。駐車場から延々と続く人の列に山の神と私も絶景見たさに加わった。大観峰は、別名、遠見ヶ鼻という。味のある名称だと思うが、徳富蘇峰がここを訪れて、「大観峰」と命名してから「遠見ヶ鼻」はかすんでしまった。なにかもったいない気もするが、「大観峰」のほうが一般ウケする名前なんだろう。

 
2点とも:大観峰。GWだけあってすごい人出

見晴らしは抜群。阿蘇五岳を遮蔽物なしにすっきりと、しかも間近に望める。


大観峰から寝釈迦(阿蘇五岳)を望む。

大観峰の駐車場に戻ると、まだ時間に余裕がある。ならば菊池渓谷へ寄ってみようかとなった。


涼を求めて菊池渓谷へ

無料の駐車場に車を置いて、渓谷までの700メートルを歩く。この日も5月とは思えない暑さだった。汗ばみながら渓谷に足を踏み入れると、そこには涼を求める人の群れが。案内板を見ながら、もみじヶ瀬まで行ったら帰ろうかと山の神に話し、そのとおりもみじヶ瀬で反対の瀬に渡り、引き返した。ところが、もう少し先まで足を伸ばせば、百名瀑の四十三滝が見られたとわかり、ちょっと悔しい思いをした。

阿蘇山行、最初の荒々しい火山歩きに始まり、爽快な草原の山とバリエーションにとんでいて非常に楽しかった。お宿もコスパがよく温泉にも浸かれて、おいしいものも食べられて、かなりの充足感を得られた。最終日のパワースポットにいたっては不思議な感覚を味わえて、おもしろかったし。また九州には行かなくちゃねえ。

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