39ギター

35年ぶりに弾き始めたクラシックギター
神経痛と戦いながら
どこまでバッハに迫れるか
蝶も花もアーチェリーもあるよ

散々な初投句の巻

2014-01-24 17:17:35 | 俳句川柳

こんにちは
去年NHKの俳句大会に投句しました。
今朝「入選作品集」が郵便で送られてきました。
もちろんボクは入選などするはずがありませんが、いろいろな意味で勉強になったのでまとめます。
(ご注意:多少長文につき目の疲れやすい方は少しずつ読んで下さい)

俳句大会には2句投稿しました。
第1句目はこれ
 ? 天も地も抗えぬかな秋出水
この句は以前ブログに載せてすぐ消してしまった
 天も地も抗う術の無きものよ 39ギター
去年の9月頃の嵐山の洪水を見て自然災害の前の弱い人間を詠んだ句ですが、これの改良版で季語をつけて俳句らしくしたものです。
まあ季語がついて俳句らしくはなったもののそれだけで、結局俳句としてはそれほど訴えるもの感じるところも特に無い平凡な感じになってしまいました。
もう少し考えろ、工夫が足らん・・・喝!・・・ですね。
・・・

第2句目はこれ
 
? 炎帝や今も広島焦がすかな
この句はボクのお気に入りの一つなんですが、残念なことにこの句には大きな欠点が二つあります。

一つ目の欠点は「~や~かな」と切れ字が二つ入っていると言うことです。
ボクの持っている歳時記によれば
~~~
切字は作者の詠嘆そのものだから、一句に一つと限られている。
中村草田男の
 降る雪や明治は遠くなりにけり
は例外で、まねしない方が良いだろう。
~~~
つまりボクの句は切字が二つ入ったことによって、禁を犯している。
このことに気がついたのは投句してずっとあとになってからでした。

もう一つの欠点は、もう気がついていると思いますが中七「今も広島」があの過去に大賞に輝いた句
 
? 広島は今も広島雲の峰 浅原賢祥
と同じと言うことです。
「広島」と言う言葉は単に地名にとどまらず、「No more HIROSHIMA」と使われるように背後に世界的に大きな意味を持っている言葉です。
この言葉を広島に住むものとして大切にしていきたいそんな気持ちを、ここ数年猛暑に焼かれているこの土地に重ねて詠んでみました。
「原爆忌」や「広島忌」は季語として定着していますがこれだけでは単に8月6日の日付とかわらない。そこで広島と言う言葉の持っている大切な意味を引き出すのは「今も」です。
「今も」とすることで「あのとき」の出来事がフラッシュバックし、「広島」と言う言葉の持つ世界的に大切な意味合いを歌うことが出来ると思います。
あの日の広島もこんなに暑かったんだろうなぁ、ギラギラ暑い太陽とは別の火の玉が上空に突然現れて一瞬のうちに地上のあらゆるものを焼きはらったんだ。
この句は「炎帝」と言う言葉を知ったとき自然に出て来ました。そしてすぐに中七に気がつきました。この句を読む前からあの大賞に輝いた句は知っていました。
だからパクリなんでしょ、そう言われても仕方ない。
じゃあどうする?何度も推敲しました。
上五下五は変えられても中七は無理だ変えられない・・・捨てるか?
まあチャレンジだ許してほしい、俳句を始めたばかりの初心者がとんでもない句を投稿したものだと黙殺されてしまうだろうが、NHKの倉庫の奥の段ボール箱の底にでも残してもらえればそれでいい。
「今も広島」この言葉は皆が使いたいけれど使うのを我慢している言葉なのかもしれませんね。
くれぐれも間違えないでほしいのは、大賞に輝いたあの句をパクってパロディーにして弄ぶつもりなど毛頭ないと言うことです。
意味のある言葉は有限です、他者の俳句を知れば知るほど使える言葉が減るようでは困りますが、これからそんなときはまあ「知らなかったことにする」しかなさそうですね・・・

と言うことで散々でしたが勉強になった初投句の巻でした。
皆さんのご批判をお待ちしております。