39ギター

35年ぶりに弾き始めたクラシックギター
神経痛と戦いながら
どこまでバッハに迫れるか
蝶も花もアーチェリーもあるよ

一年前に一念発起、記念日に思う

2010-07-27 09:35:59 | ギター

おはようございます。

この記事で、600号になります。

良く続きますねぇ・・・

去年の7月からギターを再開してはや1年になりました。

7月の何日から始めたかは記憶にないのですが、いつを記念日にしようかと考えて、今日で一年が過ぎたことにします。

明日は、バッハの命日です。

1750年7月28日に65歳で亡くなりました。

260年の時が過ぎてもその音楽は偉大で、それを理解するには永遠の努力を必要とするような深淵なものがあります。

最近は無伴奏チェロ組曲1番を通しで弾くことに集中して、その他の曲は忘れてしまわない程度に時々弾いています。

一年で良くココまで復活したものだと思います。

学生時代は、勉強時間以外はギターを弾いていたと言うぐらい、ギターに集中していました。

卒業してからパッタリとやめてしまい、実に35年間のブランク、今から思えばどうして続けなかったのだろうと、続けていればもっと楽に上手にバッハが弾けているだろうにと悔やんでしまいます。

まあ、何事も後で悔やむんですよね、これを後悔と言います。

一年前に一念発起、半年間は苦労の連続でした。

体中がギシギシ痛み悲鳴を上げていました。

左手が、こわばって、固まって、動かなくなるのではないかと思う日もしばしばでしたが、それも何とかクリアし、最近は体が悲鳴を上げることはなくなりました。

再開したときに立てた目標は、バッハにこだわること、学生時代はあるゆるギター曲を手当たり次第に弾いていました。もちろんバッハもありました。

ギターを再開するにあたり、残された時間も若い頃のようにはないので、やはり音楽の源流であるバッハに少しでも近づきたいとの思いから、バッハにこだわりバッハ以外は弾かないとの決意で始めました。

バッハはギター曲は作曲していません。バッハの時代にはギターはなかったのですから当然です。

今バッハの曲としてギターでよく弾かれているのは、リュート曲と無伴奏のバイオリン曲やチェロ曲をギター用に編曲したものが多いようです。

リュート曲はバッハ自信の作曲または編曲が残っていて出来るだけ原曲に忠実に弾くことが出来ますが、バイオリンやチェロの曲に関しては多くの編曲が存在し、必ずしも原曲に忠実とはなりません。

これらは、元々の楽器で弾く原曲の美しさを意識しつつも、ギター曲として最適化することもある程度必要ではないかと思います。

バイオリンやチェロを弾く人たちからはギターでバッハの無伴奏曲を弾くことは聖域を侵されているような嫌な思いを抱くこともあるかも知れません。

事実、セゴビアがシャコンヌを弾いたときには大きな評価と同時に大きな批判もあったようです。

が、ピアノが長い歴史の中で改良され今の完成形に至ったように、弦楽器も長い歴史の中で改良され工夫されながら、今のバイオリン属やコントラバスのような進化を遂げ、ギターは遅ればせながらこの百年ぐらいの間で完成され今の形に進化しました。

歴史の、古い新しいで楽器や音楽の質に差はなく、あるのは作曲家が書いた音符のみ、それをどう表現するかが演奏者にかかっているわけです。

バッハの時代には今のピアノはなかったし、トランペットもホルンもフルートも今のようでなかったし、バイオリンやチェロも今とは違い奏法も違っていたでしょう。

最近(と言っても百年ぐらいはある)完成されたギターという楽器で300年も前に作曲された音楽が新たにその楽器に最適化され演奏される、すばらしいことですよね。

好きこそものの上手なれ、とは言いますが、好きでもなかなか上手になれないこのもどかしさ、そんな日常にもささやかな満足感を与えてくれるのが趣味の世界で、人生の良き伴侶であり「人生の修飾音」であると思います。