いわき鹿島の極楽蜻蛉庵

いわき市鹿島町の歴史と情報。
それに周辺の話題。
時折、プライベートも少々。

いわき市鹿島町を歩こう31

2015-08-15 06:35:12 | Weblog
                             分類 : 歴
 いわき市鹿島町を歩こう  31
   走熊(はしりくま)の天狗岩     所在地 : いわき市鹿島町走熊字山ノ神

 走熊の地域に田圃の中に1個だけしかない不思議な小岩があります。かしま幼稚園から中央台へ抜ける途中にあり、岩の高さが大体1、8メートルで横幅が3メートルくらいのもの。
 凝灰岩なので風化しやすい石質ですが、この石には伝説があります


             《天狗岩と1本の松 2009年5月

 昔、高寺山(たかでらさん)には悪魔や病気を追い払う天狗が住んでいたそうです。
 高寺山とは、磐城三十三観音の1つにに数えられる十一面観世音菩薩のお堂がある山です。その天狗は気は優しくて力持ちときているから、村の人たちから非常に親しまれていたのですがある日、この地の安泰と平穏を悟って山から飛び去っていくようになった。
 ところが、その時に天狗の下駄の鼻緒に引っ掛かっていた小石が田圃に落ちて、次第に大きくなってきて今のような岩になったのだそうだ。
 天狗が旅立ちに残していったお守りとして、部落の人は大切にしています。


          《惜しくも枯れてしまった松が無残 2013年4月

 岩の割れ目から実生の松が長い年月をかけて育ってきたのですが、大きくなるにつれて根張りも著しく伸びすぎて田圃にまで張り出しました。

           《岩をも砕く勢いで生命力を保ってきた松の根

 田圃の持ち主が根を切断したのが致命傷で、松は枯れてしまいました。
 伝説=夢。 過失=破壊。
 こうして、古いものは人為的な過ちや風化によって、いつかは消滅していってしまうのかと考えると悲しい思いをしました。


コメント
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