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アジアと小松

アジアの人々との友好関係を築くために、日本の戦争責任と小松基地の問題について発信します。
小松基地問題研究会

遠距離攻撃のための増槽訓練を許すな

2011年12月03日 | 軍事問題(小松基地など)
 今回の燃料タンク落下事故を「単なる事故」とは考えてはならない。長距離攻撃のための慣熟訓練の中で引き起こされた事故である。事故調査委員会は回収された燃料タンクを新明和工業、パイロンを三菱重工業に運び込んで、密室で調査をおこなっている。決して公正・公開の委員会ではない。

 昨日(12/2)、小松基地は事故原因を「接続ナットの脱落によって、配線がむき出しになり、絶縁被覆が敗れてショートして発火し、気化した燃料に引火して爆発した」と発表した。しかも、全国のF15戦闘機のタンクを分解点検したら、20%にナットのゆるみがあったという。(写真は「北陸中日新聞」)

緊迫するアジア情勢
 このところ、アメリカはアジア太平洋地域重視に転換した。経済的には、環太平洋連携協定(TPP)を推進し、その前提となるアジア太平洋地域の軍事力を強化している。中国封じ込めのために、オーストラリア北部のダーウィンに200~250人の海兵隊配備を決めた。南中国海をめぐる海洋安全保障に積極的に関与しはじめている。米韓安保協議(10/28)では、「有事には世界全域から可能な米軍戦力を動員して韓国を防衛する」と述べ、対北朝鮮戦争計画を年内に策定する。

 アジア、朝鮮半島情勢を反映して、自衛隊の訓練が強化されている。小松基地は「百里基地へ行くために増槽した」と発表したが、長距離攻撃のための増槽飛行訓練をおこなっていたのだろう。

なぜ増槽するのか?
 F15戦闘機の機体内には6個のタンクがあり、2098ガロン(6185㎏)のジェット燃料(灯油+添加物)を搭載できる。機体外燃料タンクは主翼下面に2個増槽(1220ガロン=3597㎏)し、胴体中心線に1個増槽(610ガロン=1798㎏)できるようになっている。

 私たちが日常的(騒音調査のとき)に見ているのは胴体中心線の増槽である。G空域での1時間内外の訓練には、機体内タンクと胴体中心線の増槽分の燃料(合計3317ガロン=7984㎏)を使用している。これだけでも十分朝鮮半島を攻撃し、帰投できるだけの燃料を抱えているが、さらに燃料を30%も増やすために、両翼下に2個増槽(1220ガロン=3597㎏)しておこなう訓練はアジア・朝鮮半島の危機に対応する訓練ではないか。

増槽訓練を許すな
 増槽は遠距離爆撃のための最も攻撃的な装備であり、安全面から言えば、不安定な燃料タンクを3個もぶら下げて、マッハ(音速)で飛行すること自体に問題がある。

 増槽は空中給油機とともに「専守防衛」の自衛隊には、まったく不必要な装備である。しかも、飛行ルート直下の住民が絶えず落下の危険にさらされている事を考えると、胴体中心線の増槽を含めて、一切の増槽を認めることは出来ない。


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