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小松基地問題研究会

20210325 北陸電力に水の管理ができるのか?

2021年03月23日 | 金沢市ガス・発電事業譲渡問題
20210325 北陸電力に水の管理ができるのか?

 金沢市は長年月をかけて維持してきた5発電所(新寺津、上寺津、新辰巳、新内川、新内川第2)と1ダム(上寺津)を売却しようとしています。ここでは、上寺津ダムについてレポートします。
 

 上寺津ダムは図のように、犀川水系にあります。上寺津ダムと上寺津発電所は名称は同じですが、上寺津発電所は犀川ダムとの落差を利用した発電所であり、どちらかというと犀川ダムの付属発電所の位置を持っています。
 上寺津発電所で使われた水は上寺津ダム(逆調整池)に貯められ、①再び犀川に戻す水もあり(水量調整による洪水対策も兼ねる)、②下流の新辰巳発電所に送られて再び発電に使う水もあり、③末浄水場へ送られて、上水道用水(飲み水などの生活水)にされる水があります。上寺津ダムにはこの3つの役割があります。

洪水対策
 「金沢市上寺津ダム操作規定」(注2)に洪水警戒時(5条)や予備警戒時(6条)の規定があり、上寺津ダムの所有者になれば、洪水時の放流量調整の責任が発生するのではないでしょうか? そして私は利潤追求を第1義とする北陸電力に、豪雨時に計画的に放流(事前放流)するなどの仕事をちゃんとできるのかどうか疑問を持っています。

水質管理問題
 上水道用水の水質管理は最終的には浄水場(この場合末浄水場)でおこなわれるのですが、だからと言って北陸電力がその上流の上寺津ダム湖(逆調整池)の水質に責任を持たなくてもよいとはならないでしょう。上流の上寺津ダム湖(逆調整池)で汚染水が発生すれば、下流の末浄水場で被害が発生します。

責任を持つのは誰か
 ですから、洪水対策や上水道に係わる水の管理は利潤追求を本旨とする私企業ではなく、全市民に責任を持つ公共団体(金沢市)こそがその事業に責任を持つべきだと思います。すなわち、市民生活の安全(洪水対策と上水道)を守るためには、上寺津ダムを手放してはならず、あくまでも公共団体としての金沢市の責任で管理し、それが赤字であろうが、黒字であろうが、市民生活を守るべきだと思います。

(注1)浄水場とは
 浄水場は水をきれいにして水道水を作るところです。 川から取り入れた水には、泥や砂などの小さな汚れがまざっていて、そのままでは飲むことができません。消費者に安心で安全な水を確実に供給するということです。 私たちの日常生活に欠かせない水は、飲み水としてはもちろんのこと、毎日の調理やお風呂など、それ以外の用途でも安心して使える水でなければなりません。

(注2)「金沢市上寺津ダム操作規定」
(洪水及び洪水時)
 第4条 この規程において「洪水」とは、貯水池への流入量(以下「流入量」という。)が毎秒110立方メートル以上であることをいい、「洪水時」とは、洪水が発生している時をいう。
(洪水警戒時)
 第5条 この規程において「洪水警戒時」とは、金沢市を対象として洪水警報又は大雨警報が行われ、その他流入量が毎秒55立方メートルに達し洪水が発生するおそれが大きいと認められるに至った時から、洪水時に至るまで又は洪水時に至ることがなくこれらの警報が解除され、若しくは切り替えられ、その他洪水が発生するおそれが少ないと認められるに至るまでの間をいう。(平5公営企訓令甲1・平25公営企訓令甲3・一部改正)
(予備警戒時)
 第6条 この規程において「予備警戒時」とは、金沢市を対象として洪水注意報又は大雨注意報が行われ、その他流入量が毎秒30立方メートルに達し洪水が発生するおそれがあると認められるに至った時から、洪水警戒時に至るまで又は洪水警戒時に至ることがなくこれらの注意報が解除され、若しくは切り替えられ、その他洪水が発生するおそれがないと認められるに至るまでの間をいう。

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