この小説は、「(朝鮮)李朝末期から解放まで、(朝鮮)民族の姿を崔参判家と平沙里の人々を縦軸にし、歴史的な社会状況を横軸にして描いたもの」(著者まえがき)です。
昨年(2011年)、講談社から日本語版(6冊)が発行されましたが、完全版を4分の1ほどに縮めた青少年版の翻訳です。
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1942年、仁科芳雄は「お国のために役立つ研究(軍事応用研究)」の決意を固め、1943年、東条英機と会った。東条は「米独で原爆製造計画が相当進んでいる。遅れたら戦争に負ける」と言って、安田武雄に「陸軍航空本部が中心となって核開発」を命令した。
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「笞刑」は3・1独立万歳運動で逮捕された金東仁の体験を小説化したものである。歴史書などを読んで、3・1独立運動に対する弾圧の苛酷さについては、理解しているつもりだったが、小説は歴史書よりも、感情が移入されている分、訴える力が大きい。
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『半島へふたたび』(蓮池薫著)に韓国の女性作家孔枝泳(コンジヨン)さんが紹介されていた。訳者の蓮池薫さんは「訳者あとがき」で、「この小説を訳す間、とても幸せな時間に浸ることが出来た」と締めくくっていますが、私には、すでに1ヶ月以上前に読み終えたにもかかわらず、短い感想文1つ書けないほど、重く、気持ちが沈み込む小説でした。
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著者田原牧は1986年からシリア、中東、イスラーム圏を取材し、現在は東京新聞(中日新聞)特報部のジャーナリストである。著者は「エジプトで革命なんてあり得ない」と考えており、「エジプト1・25革命」「2・21ムバラク退陣」を予測できなかったという。
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図書館から借りて読んだ小説を紹介します。実におもしろかった。今、はやりの東野圭吾作品で『天空の蜂』です。もんじゅ事故(1995)前の小説で今の状況にピッタリだとおもいます。もんじゅや原発、特に福島原発事故(想定外)について考える上で、読んでおくべきだとおもいます。2日でよみました . . . 本文を読む
新自由主義(ネオリベラリズム)とは何かという問題意識からこの本を選択した。教科書的に言えば、新自由主義とは「規制緩和、民営化、福祉の削減によって小さな政府を志向する経済思想で、市場原理、競争原理が働き経済社会が活発化する」という説明が返ってくるが…。
著者はミドルクラスに焦点を当てて、「新自由主義政策は日本社会と労働者の生活をどのように変えたのか」について解き明かしている。 . . . 本文を読む