goo blog サービス終了のお知らせ 

OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

夏は向日葵の咲子

2014-07-21 16:14:12 | 歌謡曲

ひまわり娘 / 伊藤咲子 (東芝)

夏の花と言えば、朝顔か、それとも向日葵か?

という論争が昔っからあったかどうかは知りませんが、個人的には夏のイメージの最右翼は向日葵と思っています。

そこで本日は、あまりにもベタな選曲ではありますが、昭和歌謡アイドルとしては不滅の伊藤咲子がデビューヒットさせた「ひまわり娘」です♪♪~♪

いゃ~、まず、なによりもジャケ写に登場している彼女の衣装の向日葵色(?)の統一が素晴らしく、しかも発売当時の昭和49(1974)年としては、ちょっぴり流行から遅れ気味のミニスカでのサービスポーズというあたりも、ティーンアイドルの「お約束」がきっちりですからねぇ~~♪

もちろん明るい笑顔は、阿久悠の綴った歌詞と基本が洋楽の証明だったシュキ・レヴィの作編曲には最高の相性ですから、これがヒットしなかったら昭和歌謡曲の神様のお怒りは必至!?

当然ながら、前年にテレビのオーディンション番組「スター誕生!(日本テレビ)」の優勝者という歌の実力とアイドル性の高さが、それを楽々とクリアした事は皆様ご存じのとおりです。

ちなみに前述した作編曲担当のシュキ・レヴィはシュキ&アビバとして昭和48(1973)年の東京音楽祭へ出場し、そこからの流れで「愛情の花咲く樹」という、これぞっ! 昭和歌謡曲本主流の名曲を日本語で歌ったレコードを出し、見事にヒットさせた実績がありますからねぇ~~~。

その日本語の歌詞を担当したのが阿久悠であれば、この「ひまわり娘」が歌謡ポップス愛好者のみならず、広く当時の日本人に受け入れられたのもムベなるかな、伊藤咲子が残したレコーディングには、シュキ・レヴィの作品が幾つかあるのも要注意でしょう。

ということで、こういう穏やかな歌をしっかりと披露出来る伊藤咲子のような女性ボーカリストは現在、なかなか登場してくれません。

そりゃ~、懐メロ番組あたりで「ひまわり娘」をカバーしてくれる女性の歌手やタレントは時々いますが、伊藤咲子の全盛期を知っていれば、到底満足出来るはずもなく……。

ですから懐かしのアイドル扱いだとしても、伊藤咲子がテレビ等々に出演し、自らの往年のヒット曲を歌ってくれるのは嬉しくも面映ゆい気分であります。

あぁ、そういう時にさえ、「ひまわり娘」は心に滲み入るのでした。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これが気持ちの良い理由

2014-07-20 15:46:42 | Rock

吹けよ風、呼べよ嵐 / Pink Floyd (Harvest / 東芝)

どうにも異常気象が続く昨今、本日掲載したピンク・フロイドのシングル盤A面曲は些か不謹慎かもしれませんが、しかしサイケおやじ的に視点を変えれば、これはなかなか気持の良い演奏なんですよ。

皆様ご存じのとおり、この曲のオリジナルタイトルは「One Of These Days」、しかも基本はインストなんですが、世界各国できっちりシングルカットされたほどのキャッチーさがあり、それはピンク・フロイドが初めて自力でヒットさせた1971年晩秋発売のアルバム「おせっかい」のA面ド頭に収録されている事でも証明済み(?)かもしれませんが、そのキモは初っ端から強い印象を決定づける風のSE、そしておそらくは複数のメンバーが演じているか、あるいはオーバーダビングであろう、単調で強いビートを打ち出すベースワークにあるような気がします。

それによって「吹けよ風、呼べよ嵐」と命名された邦題もベリ~ナイス♪♪~♪

また、インストでありながら、当時のピンク・フロイドとしては覚え易い基本のメロディが如何にもロック保守本流という、属していたプログレからはちょっぴり離れるイメージが滲んでいた事も幸いしていたのでしょうか、それがイヤミになっていなかったのも特筆しておく必要があろうかと思います。

ただし、このシングル盤が出たリアルタイムの1972年においては、明らかにLP優先でロックを聴くのが常態化していたわけで、殊更のヒット曲では無かったわけですが……。

なんとっ!

我国では昭和52(1977)年、全日本プロレスのトップ悪役レスラーとして大活躍していたアブドーラ・ザ・ブッチャーの入場テーマ曲に使われた事から、突発的に大ヒット!?

わざわざジャケットにその旨が記載された再発盤までもが売られるという騒ぎは、プロレスもロックも、その頃が一番に熱かった証左かもしれませんし、実は曲の中間部には「One of these days, I'm going to cut you into pieces(何時か、お前を切り刻むぜ)」なぁ~んていう、如何にも不気味な叫び声(?)が入っているんですから、イントロの暴風のSE共々、これをチョイスした関係者の目論見には脱帽ですよ。

尤もプロレス会場でも、そこからのテレビ中継でも、実際に問題の叫び声までは流れていなかったと記憶しているんですが、それでも不穏なムードを盛り上げる効果は満点でありました。

さて、しかしながらサイケおやじがこの曲を愛でるのは、またまた不謹慎ながら、聴いているうちに気持良く居眠りモードに入れるからでして、さらに告白すれば、前述したアルバム「おせっかい」全篇においても、まちがいなく安眠に入ってしまうという、これは私的なパブロフの犬!?

あぁ、こんな事を書いてしまっては、本日も各方面から顰蹙やお叱りは必至でしょうねぇ……。

そこまでの覚悟も出来ていないが現在のサイケおやじの心境と立場ではありますが、高校生の時に友人から聞かせてもらって以来、そうした行動実態は今も変わっていません。

ですから「おせっかい」は未だにLPは持っていなくて、大昔に中古屋でゲットしたカセットテープを愛聴(?)しているんですが、ど~いうわけか昨夜、借りているトランクルームを整理していたら、掲載のシングル盤が出て来たので、急遽のご紹介とさせていただきました。

ということで、やっぱりサイケおやじはピンク・フロイドが苦手のようです。

恥ずかしながら、大ヒットして傑作名盤と認定される「ザ・ウォール」にしても、何が素晴らしいのか、ちっとも……。

いやはや、情けないかぎりです。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジョニーは天国へ行った…

2014-07-19 15:09:08 | Winter Family

■Nothin' But The Blues / Johnny Winter (Blue Sky)

 A-1 Tired Of Tryin'
 A-2 TV Mama
 A-3 Sweet Love And Evil Women
 A-4 Everybody's Blues
 A-5 Drinkin' Blues
 B-1 Mad Blues
 B-2 It Was Rainin'
 B-3 Bladie Mae
 B-4 Walking Thru The Park

ジョニー・ウィンターが天国へ召されました。

その一生は例え何であろうとも、ブルースに捧げられたものと思うばかりですから、名盤傑作が夥しい中にあって、あえてサイケおやじは本日掲載のアルバムを衷心からの追悼の意を表し、朝一番に鳴らしました。

皆様ご存じのとおり、ジョニー・ウィンターは拭いきれないブルースの魂を持っていたはずで、しかしそれが芸能界というか、ミュージックビジネスの中では己が白人である事も含めて、時代の流れの中で作られたレコードではブルースロックやハードロック、そしてスワンプロックやロッキンソウルに寄っては離れる事の繰り返しがあり、それはファンやリスナーが一番に求める「ジョニー・ウィンターのブルース&ブルースギター」が時には遠くに置き去りにされる現実……。

しかしライプの現場では、堂々のブルース&ブルースロック、そしてエグさ満点のR&RやR&Bを演じ続けていたのですから、そのギャップがジョニー・ウィンターを何時までもスタアとして崇める要因のひとつにしていたと言えば、賛否両論どころか、各方面からの顰蹙罵倒は必至と思います。

それでも実際、1970年代のレコーディングでは圧倒的にライプ音源が素晴らしいのは否定出来ないでしょう。

さて、そんな最中の1977年、いよいよ発売されたのが本日掲載のLPで、結論から言えばブルース界の大御所だったマディ・ウォーターズのバックバンドと共演し、さらには御大自らも特参しているのですから、これでダメなら田舎へ帰る他は無し!?

実はこの背景には、ジョニー・ウィンターが自ら心血を注いだ仕事として、尊敬するマディ・ウォーターズとのコラポレーションがあり、それは前年に作られたマディ・ウォーターズが古巣のチェスレコードからジョニー・ウィンターが契約していたブルー・スカイ・レーベルへの移籍第一弾アルバム「ハード・アゲイン」によってスタートしたわけですが、これが会心の大傑作!

もちろんプロデュースはマディ・ウォーターズの大ファンを公言していたジョニー・ウィンターであり、マディ・ウォーターズにしてみれば、演じたのは自らが常に披露してきたクラシックスという自負もあったと思われますが、おそらくは白人相手に聞かせるにはジョニー・ウィンターの極めてブルース寄りのロックっぽさが良い方向へ働いたのでしょう。

件のLPは、確かグラミー賞も獲得したと記憶していますが、そこでジョニー・ウィンターが自らもコテコテのブルースレコードを作れる環境を得たのは、これまた最高の結果だったんじゃ~ないでしょうか。

既に述べたとおり、大成功したマディ・ウォーターズのセッションに参加していたメンバーを中心に集められたのがジェームズ・コットン(hmc)、ボブ・マーゴリン(g)、パイントップ・パーキンズ(p)、チャールズ・カルミーズ(b)、ウィリー・スミス(ds) という面々で、彼等は全て、当時のマディ・ウォーターズやジェームズ・コットンのバックバンドではレギュラーでしたから、その迫真の演奏は言う事無し!

ですからジョニー・ウィンターも安心(?)して、忌憚ない歌と演奏に没頭出来たようで、アルバム全篇が本物のブルースにどっぷりですよ♪♪~♪

しかも驚いた事には、オーラスの「Walking Thru The Park」がマディ・ウォーターズの作品という以外、他の全てがジョニー・ウィンターのオリジナル曲なんですから、「如何にも」の常套手段が用いられながらも、ブルースがブルースである以上、それは本物と納得させられるんじゃ~ないでしょうか?

もちろん、これがブルースであるか、否かの論争は避けられませんが、少なくとも本気度の高さは圧巻!

まずはマディ・ウォーターズが所縁のシカゴブルース伝来の「音」とでも申しましょうか、ロックぽさが排除されたドラムスの鳴り方、ハーモニカと言うよりもブルースハープというのが正解と痛感されるジェームス・コットンのプレイ、そしてバンド全体の意思の統一感が生半可なブルースロックとは一線を画する密度の濃さだと思います。

そしてそれゆえに、場合によってはジョニー・ウィンターよりも目立ってしまうボブ・マーゴリンのギターや堅実ながらエグ味の効いたパイントップ・パーキンズのピアノも素晴らしく、これが日常の中のブルースの本質ってものかもしれません。

しかし、流石はジョニー・ウィンター!

何時もの暑苦しいボーカルや弾きまくりのギターは抑えめにしつつ、それでも「Everybody's Blues」における艶やかなエレクトリックプレイ、グッと抉り込んでくるようなスライドが見事過ぎる「Sweet Love And Evil Women」、さらにはジャケ写でご覧になれる金属ボディのアコースティックギターを用いて聞かせる「TV Mama」や「Bladie Mae」は、ジョニー・ウィンターならでは「鬼のギター」がたっぷり♪♪~♪

また、気になるマディ・ウォーターズとの共演トラックは「Walking Thru The Park」の1曲だけですが、御大が歌い、ジョニー・ウィンターがギターを弾いているというだけで震えてしまうほどの期待が見事に実現されてみれば、アルバム全篇のブルース天国が最高の形で締め括られる快感に酔い痴れてしまうのです。

ちなみにマディ・ウォーターズ名義としての共演制作LPは前述した「ハード・アゲイン」の他に「アイム・レディ」「ミシシッピ・ライプ」「キング・ビー」が同じくブルー・スカイ・レーベルから出ていますし、中には現在、所謂デラックスエディション版CDとして鋭意復刻された作品もありますので、興味を抱かれた皆様であれば、ぜひとも聴いてみて下さいませ。

そしてジョニー・ウィンターは以降、特に1980年代に入ると何か「ふっ切れた」ようにブルース色の強いレコードを出すようになったのも、この「ナッシン・バット・ザ・ブルース」を作れた事が大きいように思います。

天才ギタリストとして、そのプレイはロックという白人音楽の中では殊更注目され、その圧巻のテクニックとフィーリングの凄さは衆目の一致するところですが、冒頭に述べたとおり、本人がどんなにロックやソウルに接近したとしてもファンやリスナーがブルースを求めて続けていたのは、まさに幸せな結末というべきでしょうか……。

あぁ、ぶる~す、そしてジョニー・ウィンターよ、永遠なれ!

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

案外と罪作りなチェリッシュ

2014-07-18 15:40:47 | 歌謡曲

ひまわりの小径 / チェリッシュ (日本ビクター)

悔しいけれど、認めざるをえない事象は数多く、特に頑迷なサイケおやじにとっては、そういう行動が尚更に自らの節操の無さを証明するような気がして、自縄自縛……。

例えば、本日掲載のシングル盤A面曲「ひまわりの小径」は昭和47(1972)年夏に大ヒットした、まさに当時の歌謡フォークブームを象徴する人気曲ながら、ロックに青春を捧げていた(?)高校生のサイケおやじには、ど~しても素直に好きと言えない歌であり、もちろん、こう書いたからには皆様ご推察のとおり、本当は素敵~♪ と思っていたのが本音です。

演じているチェリッシュは前年にデビューした5人組のグループで、一応はフォーク系と言われながら、きっちりバンド形態を維持していたところに一抹のロックっぽさもあったんですが、それでも売れたのは紅一点のリードボーカリストだった松井悦子=エッちゃんの声と節回しがあればこそでしょう。

実際それは、せつなくもあり、程好い湿っぽさもありながら、彼女の穏やかなルック同様の清涼感が滲み出ていましたからねぇ~~♪

そこに作詞:林春生&作曲:筒美京平の制作陣が狙いを定めたと思う他はない、この「ひまわりの小径」の完全無欠の仕上がりは売れまくって当然でありました。

ちなみに前述したとおり、チェリッシュは自前の演奏が出来たバンドだったんですが、レコーディングではオーケストラや助っ人ミュージシャンが全面に出た作りゆえにグループを維持する必要性も無くなったんでしょうか、同時期にはメンパーチェンジを経て、何時の間にか松崎好孝&松井悦子の二人組となり、ここでも絶妙のボーカルコントラストを聞かせているのは、後に結婚して現在に至るのも、さもありなんですよねぇ~。

一説によると、チェリッシュをスカウトした時、レコード会社は松井悦子だけを欲しかったそうですが、これまでの活躍やキャリアを回想すれば、結果的に夫婦デュオとして活動させたのは大正解だったように思います。

で、冒頭の話に戻れば、サイケおやじは頑なに軟弱な歌謡フォークを拒絶していた青春時代、実は女性ボーカリストでは松井悦子が本当に好きで、それを公言出来なかったのは後悔……。

まあ、それも青春の迷い道だったと思えば、納得もしていますし、社会人になってから、密かにチェリッシュのレコードを中古屋で二束三文で集めるのも、なかなか人生の味わいを深める作業でしょうか。

ただし40枚は超えるというシングル盤は売れているので、それなりに容易なんですが、LPは中期~後期になると難関のブツが多いですよ。

また、ベスト盤もリメイクの新録音トラックがあったりして、結局はコンプリートしないと満足出来ないのが、チェリッシュの真相と思うばかりです。

う~ん、なかなか罪作りな存在ですよ。

そして最後になりましたが、やっぱり筒美京平先生は、良い曲を書きますねぇ~~♪

本日は、それを間違いの無い真実と断言させていただきます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今はネットが繋がらない場所から

2014-07-17 16:01:36 | Weblog

出張移動中のため、本日の1枚は休載、ご理解願います。

明日、帰りますね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

川崎龍介は幻の二枚目夏男?

2014-07-16 15:20:04 | 歌謡曲

サマー・ブリーズ / 川崎龍介 (ワーナー / リプリーズ)

そのルックスを決してイケメンとは呼ばず、如何にも「昭和の二枚目スタア」という雰囲気を漂わせる川崎龍介は、残念ながら俳優としても歌手としてもブレイク出来ませんでしたが、本日掲載のシングル盤A面曲「サマー・ブリーズ」を歌ったことで、我国の大衆音楽史にその名を刻した事はまちがいありません。

と、またまたノッケから大袈裟な書き出しになってしまいましたが、それはこの昭和53(1978)年に発売された「サマー・ブリーズ」がユーミンの作詞作曲であり、後に作者自らが歌詞とメロディラインを改変し、「サーフ天国、スキー天国」として人気演目に仕立て上げたのですから、失礼ながら空振りした川崎龍介の真オリジナルバージョンが忽ちにしてコレクターズアイテムになったのは不幸中の幸い!?

実際、サイケおやじはリアルタイムではその事実を全く知らず、ようやく昭和50年代も末頃になって入手に大汗だったという思い出の1枚なんですよ。

そして勇躍、針を落してみれば、まずは波の音のSEが「お約束」ならば、思わせぶりな多重コーラスから一転、ライトタッチのポップスフィーリングが全開した歌と演奏には、トロピカルな打楽器が、これまた「お約束」の存在感として、気分はすっかりフィ~ル・ソ~・グッ~~♪

もちろん川崎龍介の歌いっぷりも爽やかな都会派というか、すっきりしたところがイメージどおりのニューミュージック歌謡でありまして、後に知ったところによると、どうやら加山雄三の付き人(?)を経てのデビューというのも肯けますし、他にも幾つかの音源を残しているらしいので、もっと聴いてみたいですねぇ~~。

なにしろサイケおやじは、これっきりしか川崎龍介のレコードを持っていませんし、しかもサンプル盤扱いでありながら、B面はレーベルが謄写版のローラーインクで潰され、音が入っている溝さえも意図的(?)に大きな傷がつけられているんですからっ!?

まあ、それゆえに安かったという事情も、なんだかなぁ……。

ということで、それはそれとして、こういうミエミエの狙いがど真ん中の季節商品が堂々と作られていた時代こそ、「昭和」の魅力のひとつかと思います。

機会があれば皆様も、こういう屈託ない歌をお楽しみ下さいませ。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

藤本房子の印象

2014-07-15 14:51:27 | 歌謡曲

俺のせいではないさ c/w 君の故郷へ行こう / 藤本房子&ウッドペッカー (Denon)

声質はボーカリストの一番の武器(?)というのは些か穏やかな表現ではありませんが、印象的な声で歌えるからこそ、プロとして生き残れる現実は否定出来ないでしょう。

例えば本日掲載のシングル盤の主役たる藤本房子はアニメの主題歌やCMソング等々のスタジオの仕事、あるいはアイドルのバックコーラスシンガーとしては有名なボーカリストなんですが、これを出した昭和47(1972)年当時はジャケットにも記載があるとおり、ウッドペッカーと名乗る歌謡フォークグループのメンバーでありました。

しかし、それでもあえて彼女をメインに据えたソロプロジェクトの如きレコードが制作されたのは、ハイトーンのボーカルに微妙なクセを滲ませる節回しの妙が独得の「味」になっているからじゃ~ないでしょうか。

もちろんジャケ写に彼女だけが登場している理由も、そこにあるわけですが実際、肝心のA面曲「俺のせいではないさ」に針を落してみれば、作詞:有馬三恵子&作曲:森田公一、そして編曲:土持城夫が狙ったのは、ありがちな歌謡フォークかと思いきや、ちょっぴり拭いきれない陰鬱を綴った歌詞にソフトロックとニューソウルが混じり合ったメロディとバックの演奏が、藤本房子の声質にジャストミート♪♪~♪

告白すれば、サイケおやじは決してリアルタイムでこの歌を聴いていたわけではなく、レコードの存在すらも知らなかったんですが、今年に入って某ネットオークションの場で遭遇し、入手してみれば、これがなんとも素敵な出会いでありました。

で、一方のB面曲「君の故郷へ行こう」はウッドペッカー名義になっているとあって、作詞:有馬三恵子&作曲:加瀬邦彦が提供したのは、如何にも「らしい」フォークロック系の歌謡曲♪♪~♪

青木望のアレンジにはアコースティックギターが程好い彩りに用いられ、ほとんどワイルド・ワンズが演じてもOKな世界なんですが、どっこい、またまた歌詞がちょっぴりネクラ気味に感じられるのは、この時代ならではというところでしょうか。

ということで、両面共に流行りの歌謡ポップスを意識しつつも、もっと歌謡曲保守本流に接近したような狙いが潜在している気がしますし、それが藤本房子をソロ歌手として売っていこうという戦略だったとすれば、未だどのような彼女のレコードが残されていたのか知る由もないサイケおやじの胸は高鳴るばかり!?

彼女の衣装&ファッションも、その頃の眩しさに満ちていると思っています♪♪~♪

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シンプルにカッコE~~♪ それがロックギターなのだっ!

2014-07-14 15:34:21 | Rock

Memphis / Johnny Rivers (Imperial / 日本ビクター)

もちろん努力は大切ですが、しかし楽してカッコつけられるんなら、それもまた素敵な成り行きと思っているのがサイケおやじの本音です。

例えばギターの練習にしても、難しいスケールやコード、リズムパターンを体得する事は上達への関門であり、上手くなりたかったら避けては通れない道ではありますが、それよりもシンプルでキャッチーなリフや気持良い、所謂光物のコードを覚えるのが「楽な道」という真実は否定出来ないでしょう。

実際、サイケおやじはそんな逃げ道にばっかり入って来たので、当然ながらプロになる気もありませんし、修行僧(?)でもないので……、なぁ~んていう言い訳を弄する事も度々でありました。

さて、そこで本日掲載のシングル盤A面曲「Memphis」は、オリジナルがチャック・ベリーのR&Rの聖典のひとつとして、これまでにもエルヴィス・プレスリーやビートルズ、アニマルズ等々、夥しいミュージシャンがカバーレコーディングを残してきているわけですが、このジョニー・リバースのバージョンこそが、少なくともアメリカの白人社会にとっては、一番に知られる名演かと思います。

なにしろ発売されたのがビートルズ旋風が全米に上陸した1964年春という事もありましょうが、件のチャック・ベリーのオリジナルバージョンよりも、さらに激しいロック的なグルーヴがありますからねぇ~~♪

実はご存じのとおり、これは基本が当時のLAにオープンしたばかりの「ウィスキー・ア・ゴー・ゴー」におけるライプレコーディングで、メンバーはジョニー・リバース(vo,g) 以下、ジョー・オズボーン(b) とエディ・ルービン(ds) のトリオ編成でありながら、本来は湧き方が足りなかったらしい観客の拍手や歓声、手拍子等々に加えて、ちょっぴりギターやパーカッション(?)をオーバーダビングしたと思しき仕掛が大正解!

忽ちヒットチャートの上位にランクされ、同時期に録られたライプセッションからの楽曲を編集したLP「アット・ウィスキー・ア・ゴー・ゴー」もバカ売れという、これがジョニー・リバースの大ブレイクでありましたが、その要因のひとつが、既に述べたような、シンプルながらカッコ良いギターにあったんじゃ~ないか?

と、サイケおやじは思っているのです。

これは実際に聴いていただくのが最良でしょう。

そこに演じられるコードワーク基本のギターリフは、その気になれば、初心者でも練習次第でやれる範疇のはずです。

ただし、問題は、同等のグルーヴやノリを出せるか、否か!?

あくまでも個人的な体験談になりますが、それこそが「ジョニー・リバースの Memphis」、そしてロケンロールの真髄に迫る必要十分条件と確信しています。

言い換えれば、「ジョニー・リバースの Memphis」を「らしく」コピーで演じられれば、ロケンロールのカッコはつけられるんじゃ~ないか!?

それは如何にもサイケおやじが十八番の姑息な思い込みであります。

いゃ~、本当にお恥ずかしい……。

ということで、肝心のジョニー・リバースは、あまり我国では人気も評価も高くないみたいですが、大衆音楽史に鑑みれば、この「Memphis」の他にも「秘密諜報員 / Secret Agent Man」や「僕等の街 / poor side of town」等々の大ヒットを放っていますし、後者におけるソングライターとしての才能は言わずもがな、プロデューサーとしてもフィフス・ディメンションや作編曲家のジミー・ウェッブを世に出した功績は侮れません。

というか、「Memphis」という幾分地味な感じのR&B曲を、ここまで派手に白人ウケするロック曲に改変したアイディアの実践は、そうした音楽的な素養の深みがあったからじゃ~ないでしょうか?

そのあたりは追々に書いていく所存ですが、とにかくジョニー・リバースほど分かり易くてカッコE~♪ そういうロックをやれるミュージシャンが過小評価気味というのは、寂しいですねぇ……。

そこでとりあえず、「ジョニー・リバースの Memphis」にシビレて下さいませ。

ギターを手にされる皆様であれば、それをコピーし、一緒に鳴らしながら聴くのも、更に楽しい時間になると思います。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なぎら健壱の国民的ヒット曲

2014-07-13 15:41:20 | Singer Song Writer

悲惨な戦い / なぎら健壱 (エレック)

さて、いよいよ本日から始まった大相撲名古屋場所は、ど~にも日本人力士の奮起云々ばっかりが注目されそうな気配ですが、現実的には常に外国人力士の活躍が目立っている以上、もう少し平坦な見方をしないと、せっかくの興業が楽しめないような気がします。

そこで本日掲載したのは、相撲の歌としては有名すぎる名(迷)曲「悲惨な戦い」でありまして、サイケおやじと同じ世代の皆様に限らず、これが放送禁止になった経緯以上の話題性は忘れられるものではありません。

もちろん内容はジャケ写イラストでツカミはOKでしょう。

テレビで全国放送されていた大相撲の土俵上で、取り組みの最中に褌が外れて落ちるという事件をシニカルなユーモアを交えて語った、つまりはトーキングスタイルのフォークソングでありまして、自作自演のなぎら健壱にとっても、発売した昭和48(1973)年以来、代表的なヒット曲!

実際、当時のラジオの深夜放送では爆発的にオンエアされ、レコードも忽ち売れまくったんですが、なんとっ!

その勢いが猛烈だった上昇期に「自主規制」と言われる放送禁止措置が!?!

しかし、そうなればなったで、かえって話題は盛り上がったんですよねぇ~♪

ちなみに件の「自主規制」は当然ながら日本相撲協会とNHKに対する気遣いから、民放各社が足並みを揃えたものと言われていますが、確かに実在の力士の四股名を歌詞に入れていても、リアルタイムの状況は外しているのですから、パロディ&コミックソングとしてウケていた事は言うまでもありません。

なぎら健壱にとっても、芸能界が歌謡フォークブームの最中に、そんな仕打ちがあろうとは……、等々の気持は強かったはずですが、ライブステージの現場では歌っていられたのですから、逆説的に人気と知名度をアップ出来た事は幸いだったと思います。

そして現在のなぎら健壱は、酔いどれの芸人みたいに思われているかもしれませんが、ミュージシャンとしての歌とギターの本物度は相当に高いですし、役者としての味わいも深く、また各方面のコレクターとしても一目置かれる存在として、なかなかの要注意人物なんですよっ!

この「悲惨な戦い」のジャケ写イラストにしても、本人が描いたものですからねぇ~。

まさに多芸多才のなぎら健壱は、果たして最近の大相撲をどのように考察しているのか、大いに気になるところでもあります。

ということで、この世の「悲惨な戦い」は、現時点でも世界の何処かでやっている戦争という名の殺し合いから、悲喜こもごものスポーツの試合、博打や仕事の駆け引き、さらには人間関係の縺れ等々も含めて、決して笑えないものばっかりですから、なぎら健壱が提供してくれた同曲における泣き笑いは大切にしなければなりません。

既に述べたとおり、この歌がリアルタイムで放送禁止の自主規制に相成った経緯は、それが「何故?」という疑問すら報道されないまま、流れの中で勝手に決められたように思います。

見せたがっているもの、聞かせたがっているもの、報道したがっているものにしか接する事が出来ないのでは、何処か隣国の人民と変わらないわけですねぇ……。

そんな事まで、考えさせられてしまうのでした。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真理アンヌの夏は妖

2014-07-12 15:05:17 | 歌謡曲

太陽ハント / 真理アンヌ (キングレコード)

なんともエスニック系の夏という印象も強い、これは真理アンヌが昭和41(1966)年に出したビート歌謡の人気曲「太陽ハント」をA面に収めたシングル盤なんですが、やはりジャケ写に登場している彼女には、不思議なほどに逆らい難い魅力を感じてしまいます。

そして知る人ぞ知る!

この「太陽ハント」は小林亜星のCMワークスの中でも特に有名な「レナウンのワンサカ娘」の別バーションという真相があるんですねぇ~~♪

 レェ~~ナウ~ン レェナウンむすめがぁ
 ワンサカワンサカワンサカワンサカ~♪

っていう、例の歌は、広く日本で生活する我々であれば、一度は耳にされてきたにちがいないはずでしょう。

確か最初のバージョンは昭和30年代末に弘田三枝子が歌っていたと記憶しているんですが、今日まで他に久美かおりアン・ルイスヒデとロザンナセルスターズ等々の人気者達が時代毎に披露し続け、現代でもそれなりのアレンジで様々な歌手やグループが演じている事は、言わずもがなでしょう。

それがど~して、真理アンヌが「太陽ハント」のタイトルで出してしまったのかは不明確で申し訳ありませんが、彼女特有の厚ぼったい声質の節回しが、ミョウチキリンな気持良さを伝えてくれるあたりは侮れません。

ちなみに同曲の作詞には横井弘が関わっているんですが、その中のキメになっている「いいわぁ~~♪」というパートが、演者によってニュアンスの違いが常に出ているところも注目点でしょうか。

個人的にはアン・ルイスの外人系の発音が一番好きですが、ここで真理アンヌが聞かせてくれる、ちょっぴりヤケッパチなシャウト系のキメも捨て難いですよ♪♪~♪

ということで、本日これを出してしまったのは、昨日の拙ブログで小林亜星について、少~しばかり触れてしまった勢いもありまして、やっぱり小林亜星は決して寺内貫太郎ばっかりの人ではなく、非常に優秀なソングライターである証のひとつが、この「ワンサカ娘~太陽ハント」だと思います。

うむ、本日の真夏の暑さにジャストミートの名曲ですよねぇ~♪

そして最後になりましたが、最近ゲットした彼女の写真集「妖の女(洋泉社)」が、最新インタビューも含めて、なかなか素敵♪♪~♪

それも激オススメであります。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする