■Happy Together / The Turtles (White Whale / キングレコード)
洋楽のフォークロックには何時の世も耳に残る名曲名演が数多あり、1967年にタートルズが大ヒットさせた本日掲載のシングル盤A面収録の「Happy Together」も、そのひとつとして決して忘れられないでしょう。
なにしろ曖昧ながらも不思議と胸キュンなメロディ、浮遊感が滲む演奏アレンジも印象的ですが、タートルズが聞かせてくれるボーカル&コーラスの逆説的な高揚が、もしも計算されつくしたものならば、これほどの成功例は無いと思うばかりなんですねぇ~~♪
また、サイケおやじと同世代の皆様ならば、昭和47(1972)年頃からラジオの文化放送で夜の9時スタートだった「落合恵子のハッピートゥゲザー」のテーマ&ジングルとして、このタートルズのヒット曲が使われていたからこその刷り込みもあるんじゃ~ないでしょうか。
いゃ~、こう書いていて、なにか強く思いだされる、あの頃のあれやこれや♪♪~♪
という感慨はさておき、主役のタートルズは掲載のジャケ写では6人組で紹介されているものの、その実態はハワード・ケイラン(vo) とマーク・ヴォルマン(vo,g,key,etc) の高校同級生コンビが常に主役であり、そこへタートルズとしての公式デビュー時にはアル・ニコル(g) が加わり、次いで1970年頃の解散までにジム・タッカー(g)、チャック・ポーツ(b)、チップ・ダグラス(b)、ジョン・バーバータ(ds)、ジョエル・ラーソン(ds)、ジョン・セイター(ds) 等々が去来していたようです。
そしてフォークロックのグループとしてはお約束というボブ・ディランのカバー曲は言わずもがな、1965年にその「悲しきベイヴ / It Ain't Me Babe」を初めての大ヒットにして以来、P.F.スローンが作った「Let Me Be」やスティーヴ・バリ関連の「You Baby」等々の定番ヒットを出し続け、ついに放ったチャートトップヒットこそが、この「Happy Together」でありましたが、もちろん他にもメンバー自らが作編曲した名演名唱はシングル&アルバムで数多く残しています。
また、それで要注意なのが、アレンジを担当したチップ・ダグラスの存在で、その魅力的なサウンド作りの妙がアメリカの音楽業界では殊更高く評価されたのでしょう、以降はタートルズを抜け、広くポップス畑の縁の下の力持ちという裏方の実力者になっていくのですから、侮れません。
それはタートルズ本隊にしても同様であり、この頃から発表していくLPにおいては所謂トータルアルバム指向が顕著となり、今となっては一般的なポップスファンよりも、マニアックなロック愛好者の間で人気が高い作品が残されているんですねぇ~♪
中でも個人的にはキンクスのレイ・デイヴィスがプロデュースに関与した1969年の「タートル・スープ」が、如何にも当時のキンクスが十八番にしていたホノボノ系ロックオペラスタイルをアメリカ西海岸風味に変換させたような雰囲気で、大好き!
しかし、グループとしてのタートルズは、この頃から失速し、所属レコード会社との確執もあって、ついには翌年に解散……。
それでもハワード・ケイラン とマーク・ヴォルマンはフロー&エディとなって、例えはフランク・ザッパのバンドに加わったり、様々なセッションに顔を出している他、自分達名義のプロジェクトも様々にやっていますので、これまた何時も面白いコンビですよ。とにかくそれらを聴くと、ハワード・ケイラン とマーク・ヴォルマンこそがタートルズの正統と納得する他はありません。
ちなみに件のフランク・ザッパとの関わりについては、ザッパ御大がタートルズのライブステージが大好きだったという伝聞がありまして、残念ながらそれに接した事の無いサイケおやじは、ますますタートルズが気になっていた時期が確かにありました。
ということで、タートルズの音源はそれなりにCD化されているはずですから、往年のアメリカンポップ&ロックをお好みの皆様であれば、一度はお楽しみ下さいませ。
これまた個人的な趣味嗜好になりますが、やはりサイケおやじが大好きなソンビーズとの共通項も見出せるような気がしているのでした。
コメント、ありがとうございします。
お返事が遅れて、申し訳ございません。
昭和時代、所謂「歌のない歌謡曲」は必需品でしたよねぇ~。エレキインストも、そうした需要を満たす役割があったと思います。
逆に言えば、分かりやすさを、さらに痛快にしていたのがエレキサウンドだったんじゃ~ないでしょうか。
街角から流れてくるクリスマスソングこそ、師走の風物詩のような気がします。
こんなにも解りやすいサウンドは日本人好みなんでしょうね♪
近年録音のCDバージョンはhighレベルの演奏で旧譜にデコレイトした重みのある音で嬉しいことに、“ドン”さんのボーカルが更に楽しさを増します。
昭和の時代 商店街にはベンチャーズのクリスマスソングがあちこちで流れて聴けましたが、昨今全く聴いた事がありません!なんでなんだろー~
コメント、ありがとうございます。
ご指摘のベンチャーズのLP、私も好きですよ♪
作り上げて、さらにライブでも演奏可能なスタイルを追求している姿勢は、凄いの一言!
あっ、ベンチャーズのクリスマス盤が聴きたくなってきました(笑)。
コメント、ありがとうございます。
好きな歌と同系の曲調を求めていくと、ソングライターやアレンジャーが、ひとつの「友達の輪」みたいに繋がってしまうことがあります。
タートルズ関連では西海岸フォークロックの人脈に加えて、東海岸のポップス職人の名前も出てくるもんですから、やはり1960年代のアメリカ芸能界は様々な意味で面白いです♪
機会があれば、そんなこんなも書いてみようと思いますので、よろしくお願い致します。
歌とは違って演奏ですから聴く方としては、物足りないと思いますが、戴きやの違名を持つ彼らとしては中々のギター捌きです♪
このLPの目玉は“ストロベリー・フィールズ・フォーエバー”でかなり高度な演奏テクを醸し出しています。
ビートルズの“アイ・フィール・ファイン”もライブでやっていましたが、ノーキーのプレーは最高です。
なのにちょっと切な~い感じもして、確かに胸キュンですねU+2764U+FE0E
タートルズは Happy Together しか知らないので他にも聴いてみたいです。