OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

エロショタロックなトロッグス

2012-05-27 16:05:00 | Rock

僕は危機一髪 / The Troggs (Fontana / フィリップス)

流行の中に身を置く芸能人の立場は、例えロックミュージシャンであったとしても変わりはないのですから、リアルタイムの人気絶頂時が過ぎ去った後にも新しいファンを獲得出来るなんて幸せは、そうそう続くものではありません。

ところが本日の主役たるトロッグスの場合は、バリバリにヒットを放っていた1960年代には所謂キワモノ扱いのピートバンドでありながら、後追いリスナーの熱狂的獲得率の高さは異常とも思えるほどです。

もちろん、皆様ご存じのとおり、トロッグスには1966年の世界的特大ヒット「恋のワルイドシング / Wild Thing」という永遠不滅の持ちネタがあって、それが翌年からはジミ・ヘンドリクスのカバーバージョンの方が有名になった事により、トロッグスが逆説的に再発見され続けているという真相は確かにあるでしょう。

しかし、そうやってトロッグスのベスト盤とか、とにかく彼等の残した音源に接してみると、これがなかなかシンプルで奥の深いものばかりなんですねぇ~♪

例えば掲載したシングル盤A面曲「僕は危機一髪 / I Can't Control Mysell」にしても、基本的には淀んだようなロックビートで演じられるガレージ路線とあって、特にキャッチーなキメなんかありませんが、実質的にスターターの役割を果たす初っ端の「オゥッ! ノウゥ~!」という叫びが、まずは強烈に最高!

そして間髪を入れずに「バァバァ~バババァ~」と始まる合の手コーラス、また追われるようにエグ味の効いたリードボーカルが思わせぶりに歌ってくれる歌詞の中身の煩悩告白がたまりせんねぇ~♪ 演奏そのもののシンプルさも良い感じ♪♪~♪

と、これを聴いた瞬間に連想するのは、同時期ちょい前のキンクスがやっていた音源の数々なんですが、それも道理!? この二大バンドのプロデューサーは共通してラリー・ペイジなんですねぇ~♪

ちなみにトロッグスは下積み時代を経て、所謂ブリティッシュピートの大ブーム期にラリー・ペイジに見出された時には何度かのメンバーチェンジやバンド名の変更もあったそうですが、それでもトロッグスとして前述した「恋のワルイドシング」を大ヒットさせた時にはレグ・プレスリー(vo)、クリス・ブリットン(g,vo)、ピート・ステイプルズ(b,vo)、ロニー・ボンド(ds,vo) の4人組になっていたようです。

しかし、既に述べたように、このバンドが特に欧米でキワモノ扱いになっているのは、持ちネタの歌詞のショタエロな部分であって、この「僕は危機一髪 / I Can't Control Mysell」の中には、気になる女がパンツを下げてのヒップ見せ!? みたいなところがあったりしますから、忽ち放送禁止になっていたようです。

ところが我国の場合は、言葉の壁が結果オーライに作用したというか、演奏とボーカル&コーラスのコラポレーションをロック的雰囲気優先で楽しめばイケるんですから、ちょい聴きにはガレージでも、実はポップでサイケデリックな味わいも強いトロッグスのもうひとつの魅力に目覚めるのも自然の流れでしょうか。

告白すればサイケおやじにしても、最初はご多分にもれず、ジミヘンの「Wild Thing」からトロッグスに至ったものの、肝心の「恋のワルイドシング / Wild Thing」には肩すかし状態……。リアルタイムでは、そのまんま忘れてしまったのが現実でした。

そして再びトロッグスに邂逅したのは、高校生の時にエレキベースの練習課題で先輩から「僕は危機一髪 / I Can't Control Mysell」を指定され、実は前述した「バァバァ~バババァ~」のコーラスをリードしていたのが、同じメロディリフを弾くベースでしたから、ハッと気づけば後の祭りというか、完全に目からウロコでしたねぇ~~~♪

掲載したシングル盤は、その時にコピー譜と一緒に渡されたものを永久貸与に切り替えてもらったという、因縁がついています。

ということで、きっかけはどうでも、トロッグスにはリアルタイムよりも、グラムロックやパンクロックで洋楽に目覚めたファンが大勢存在しているらしく、彼等のレコードやCDは常に出回って来ています。

これは簡単に書いてしまいましたが、実は大変な事なんですよねぇ~~。

だって彼等は歴史的に云々されるようなグループでは決してなく、もちろん大ヒット曲は持ってはいますが、通念としてはB級バンドでしょう。

それが現在でもトロッグスは存続しているらしく、メンバーチェンジは頻繁らしくとも、ライプの仕事はきっちり出来るというのですから、頭が下がります。

そしてトロッグスの残した音源に接すると、如何にものシンプルなアレンジが誰にでもやれそうな感じでありながら、そのフィーリングの普遍性は驚くべきもので、潔さという点においては超一流でしょう。

これは所謂ヘタウマなんてものじゃ~なくて、「トロッグスタイル」とでも言いたくなるほどです。ヌメヌメとしたボーカルにも中毒性がありますよ。

万歳っ!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 本家トニー・ジョー・ホワイ... | トップ | 今も前野曜子が大好きです »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Rock」カテゴリの最新記事