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サイケおやじの生活と音楽

岸本加世子は何処へ落ちるか

2021-09-19 19:39:18 | 歌謡曲

■あゝ落ちる PART I c/w あゝ落ちる PART II / 岸本加世子 (NAV)

所謂清純派として活動していた女優や女の子アイドルが様々な事情、例えば人気の凋落やスキャンダル、そして年齢的な問題から大人としての活動へシフトする時、「昭和」という時代であれば殊更有効だったのが、成人映画への出演や一般作品においてさえも「脱ぐ」という自己表現でありました。

平たく言えば、代表的なところでは日活で制作していたロマンポルノに主役・準主役として出演したアイドルの印象は、今日でも強く残っているはずで、ちょいと思い出すだけでも、天地真理、松本ちえこ、小森みちこ畑中葉子、伊藤咲子、五十嵐夕紀、竹田かほり、高村ルナ等々、数えきれませんが、もちろん、彼女達は映画本篇公開前に堂々の記者発表や関連イベント出演、グラビアや芸能ニュース等々への登場が普通にあり、中にはリンクしたかの如きレコードまでも発売されるという話題作りまでありましたよねぇ~~ (^^♪

ですから昭和55(1980)年、本日掲載した岸本加世子のシングル曲「あゝ落ちる」を初めて聴いた時、こりゃ~~、てっきり彼女もロマンポルノに出演かっ!?!

と思い込んだのは、独りサイケおやじだけではなかったんじゃ~ないでしょうか (^^;

だって、初っ端から、岸本加世子がエロっぽい台詞回しで「あぁ……、おちる、おちる」みたいな芝居がかった演出があり、そんなこんなの語りだけでレコードのトラックが進行していくんですが、もちろんBGMというか、楽曲そのものは都倉俊一の書いたソフト&メロウな美旋律を田辺信一がオシャレにアレンジしたもので、これまたエロっぽい女性コーラスが使われているのは言わずもがな (^^♪

そして気になる岸本加世子の台詞を書いたのが、なかにし礼!

ですから、全篇がツボをしっかり押さえた、絶妙の仕上がりになっているので、前述したサイケおやじの思い込みだって、正当化されるんじゃ~なかろうか…… (^^ゞ

なぁ~んていう言い訳はともかくも、真相は当時放送されていたテレビドラマ「真夜中のヒーロー(日本テレビ)」の主題歌だったそうで、当然ながら岸本加世子も出演しているらしいんですが、果たして……、こんなエロ楽曲が、どんな使われ方をしていたのか、サイケおやじは件のテレビドラマには全く接していないので、想像も出来ないわけでして…… (^^;

でも……、こんなの、今のテレビじゃ~、制作するという企画さえ発想が許されないでしょうねぇ……。

ちなみに、あくまでもサイケおやじの独断と偏見ではありますが、岸本加世子の歌唱力の不安定さは、あらためて述べるまでもなく、ここまで作られていたレコードでも、ナレーションやトーキング&シンギングがメインでしたから、楽曲そのものの制作方針に間違いはないんですが…… (^^;

ということで、こ~した過激な勘違いを呼び込んでしまうのも、昭和歌謡曲の大きな魅力だったのかもしれません。

そこには現代のAVよりも背徳感が強かった成人映画という存在が、芸能人の再起・再生の場として立派(?)に機能していたという、なかなか嬉しい状況があったわけで、殊更ロマンポルノに中毒していた若き日のサイケおやじにとっても、そこは相互作用的な桃源郷でありました (^^ゞ

諸事情あって、今は自然消滅させてしまった「サイケおやじ館」では、そんなこんなの文章を掲載していたので、もう一度、そのあたりを復活させるべく、精進を重ねてまいりますので、よろしくお願い申し上げます <(_ _)>

コメント
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