OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

リメンバーで思い出す事

2020-05-09 20:00:45 | 歌謡曲

リメンバー / 小森みちこ (JAPAN RECORD)

所謂清純派として知られていた女優やタレント、そして女の子アイドルの歌手が雑誌グラビアや写真集でヌードを披露したり、成人映画への出演で所謂「裸のお仕事」に転身する事例は、殊更ファンならずとも、強い印象となって数多残されているはずです。

それは自身の人気の陰りとか、あるいは様々な個人的な事情があろうとも、最終的には全てが「芸能」という括りでの結果オーライじゃ~ないでしょうか。

本日掲載したシングル盤の主役たる小森みちこも、アイドル時代はキャンディーズの正統を継いだトライアングルのミッチとしてテレビ出演も多く、良く知られた顔でしたから、グループ解散後の昭和57(1982)年10月に公開された日活ロマンポルノ「あんねの子守唄(西村昭五郎監督)」に主演した時の大騒ぎは、普通(?)に成人映画を楽しんでいた愛好者よりは、むしろそれまでのトラアイングルのファンやアイドルマニアが中心だった様な記憶が残っています。

もちろん、サイケおやじは前者なんですが、しかし正直に告白すれば、流石にこの時は大いに気になっていたんですから、自らの節操の無さを自覚するばかり……。

そして当然ながら、件の「あんねの子守唄」は狙いどおりにヒット! そしてプログラムピクチャーのシステムにより、翌年3月には主演第2作「あんねの日記(北畑泰啓監督)」が封切られた流れの中で発売されたのが、ミッチ=小森みちこの再デビュー盤ともいえるソロシングルとなった掲載盤というわけです。

しかも作詞作曲:中村治雄&編曲:小田健二郎が提供のA面「リメンバー」は、前述「あんねの日記」の挿入歌だっんですよねぇ~~~♪

ただし、映画本篇のサントラ音源と、このシングル盤収録のバージョンは完全に同じではない事は、こ~ゆ~事例では常識とはいえ、とにかくこの「リメンバー」はボサノバ歌謡のニューミュージック的展開と申しましょうか、個人的にはスカスカのサウンドプロデュースに不満もあるんですが、それも当時の「流行の音」だったという証拠物件になりましょうか。

ちなみにアレンジを担当した小田健二郎は大橋純子との活動でも名高い美乃家セントラル・ステイションのキーボードプレイヤーですし、作詞作曲でクレジットされている中村治雄は日本ロック史のその名を刻む頭脳警察のパンタ、その人ですからねぇ~~!

過激で政治的な歌を十八番にしていたパンタが、アイドル歌謡の世界にも足を突っ込んでいた事を初めてしたのは、一応はニューミュージックに分類されるであろう石川セリに提供した「ムーライト・サーファー」だったんですが、後年には荻野目洋子、かとうれいこ等々とも仕事をやっているのですから、今となっては、そんなこんなも「芸能」のひとつかもしれません……。

というのも、パンタは頭脳警察以降、昭和52(1977)年頃から、PANTA & HAL を結成して活動し、サイケおやじには共感出来なくとも、世間的(?)には名盤扱いのアルバムを作ったり、ソロシンガーとしては妙にAORっぽい歌を出してみたりと、個人的には、ほとんど正体が混沌とした存在に様に思えるですが、決してロッカーとしてのパンタをサイケおやじは否定出来ません。

それは、やっぱり頭脳警察がありますからねぇ~~。

特に高校生の時、発売即回収&発禁になったアルバム「頭脳警察セカンド」を聴きまくっていた者としては、ですよっ!

それゆえに後年、多種多様(?)な表情を見せつつ、幅広い活動を展開していくパンタに得体の知れないものさえ感じるわけでして、同時に知りたくも無い事実に接するほどで、複雑な思いが積み重なって、幾年月……。

拙ブログでも、そのあたりを突っ込んだ内容を何度も書こうと思いつつ、時が過ぎ、こうして今、ちょっぴりでもその入り口に辿り着いたのは、良かったのか、それとも……。

ということで、本日は何が主題か意味不明になってしまいましたが、肝心の小森みちこの歌唱力の微妙な不安定さが、この「リメンバー」を魅力的にしているのも、また確かです。

このシングル盤を出した頃は、LPも作られており、それもなかなかに面白いアルバムになっていますので、機会があればご紹介しようと思います。

そして皆様には、前述したロマンポルノ作品「あんねの子守唄」「あんねの日記」も併せて鑑賞されますことをオススメする次第です。

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